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2020/10/08

自死の報道に動揺してしまうあなたへ



さて、今回は、
重いテーマになります。

俳優の三浦さんが
亡くなられた時、

診察でお会いする皆さん、
かなり、動揺されていました。

そして、先日、
俳優の竹内さんも、
同じ道をたどられました。

むむむ・・・
皆さん、またまた、
ひどく動揺されるだろう・・・

そう思うと、
このメルマガで
サポートしないわけには、
いかないですね。

・・・

何が、自分の中で起きて、
こんなに、
動揺するのでしょうか?

その事情は、
皆さん、それぞれ、
複雑に、微妙に、
違っています。

きっと、
〇〇なんだろう、と
俳優さんに共感される方も、
おられます。

そのしんどさを、
自分がもらってしまう、
というタイプですね。

また、
辛うじて、
自分から死なないように
ふんばっているのに、

その力が抜けて、
すーっと、
死の方に吸い込まれそう、
それに耐えるのが、しんどい、
というタイプの方も、
おられます。

また、
きっと、友人にもお金にも困らない
有名な俳優さんたちなのに、
死って、こんなに(あっさりと)
パックリ口を開けるものなのだ、
という、
日常のすぐ隣にある、死、
それへの恐怖、
も、あるでしょう。

皆さん、動揺の仕方は、
それぞれなのですが、
多分、
三番目のしんどさは、
共通しているように思います。

これって、あの、
電車のホームからのぞくと
吸い込まれそうになる、
あの感覚と、
同じですね。

この感覚を、仮に、
「死の渦に吸い込まれる感覚」
と呼んでおきます。

・・・

PSMの方の、多くは、
この感覚、強いです。

なぜでしょうか?

つきつめると、
PSMの方は、
多数派が用意している対処法が、
効きにくいからだ、
と言えます。

その対処法とは、
例えば、

自殺なんかこころが弱いからだ、と
一刀両断にしたり、

その俳優さんについて
延々と、今までのことを
根掘り葉掘りしゃべり続けたり、
(ワイドショーがまさにそれ)

ですね。

※なぜ、この対処法が
多数派には効くのか、
編集後記を参照。

では、なぜ、
その対処法が、PSMの方には
効きにくいのでしょうか?

実は、
「死の渦に吸い込まれる感覚」が、
この世の、実情で、
それが、ほんとうのことだから、
なんですね。

多数派は、
そんな感覚を、
なかったことに、したいわけです。

でも、PSMの方は、
ほんとうのことを、
体験してしまって、
ほんとうのことだから、
なかったことに、できないわけです。

・・・

いわば、
人は、生まれた瞬間、
海に、ポチャンと落とされて、
その海の中心には、
全員を吸い込んでいく
渦がある、
という状況なのです。

多数派は、
大きな筏(いかだ)に大勢、乗って、
そんな渦のことは、いま、
考えなくても大丈夫と、
合唱しながらパーティをやっている感じです。

でも、
それになじめないPSMの方は、
一人でなんとか
海を泳いでいきます。

そんな中で、
べつに、海の中心までいかなくても、
天寿をまっとうする時でなくとも、
渦は出でくるよ、と
体験して、
知っています。

こんな、PSMの方は、
どうやって、
この渦の恐怖を
しのいでいけばよいのでしょうか?

・・・

このメルマガで、
一番、お伝えしたいのは、
多数派になろうとしないこと、
ですね。

だから、
延々とネットを検索したり、
ワイドショーを流し続けたりすることを、
オススメしません。

そして、
この、渦の感覚を、
錯覚だ、とか、
病状だ、と、
思わないこと。

それって、恐いけど、
この世の、
ほんとうのことなのです。

つまり、
多数派のやり方で、しのごうとして、
うまくいかなくて、
よけいしんどくなる、
という状況を、
まずは、避けましょう、
ということです。

・・・

じゃあ、
どうすればよいのか。

死の渦が、
ほんとうだとしたら、
それと、いわば、セットの、
生きる勢いを、
その両方を、
同時に、感じればよい。
(死の渦を、
なかったことにするのではなく。)

それって、
具体的に、どうやるの?

・・・

一番は、
自分自身の、
呼吸や、体温や、心拍や、
まさに、生きていること、
そのからだの感覚を、
そのまま、実感する、
ということでしょうね。

いわゆる、
マインドフルな状態、
とも言えます。

海の例えで言うと、

吸い込んでいく渦の流れも
感じているが、同時に、

力を抜くと、
海水の浮力によって、
海面にぷかーっと浮かぶ、
その感覚も、感じている。

この浮力を感じること、
それを信じること、ですね。

でも、実は、
呼吸に集中すると、
この息が止まったらどうしよう、
と考えてしまって、
余計に、恐くなる、
という方、おられます。

その方は、
次の、もう一つの方法で
やってみて下さい。

・・・

自分の中で、
マインドフルな状態を感じる、
それが、難しいなら、

マインドフルな状態にある、
または、その状態にあると推測される、
自分以外の何ものかと、
コンタクトを取る
という方法です。

人の場合、
相手をよく選ぶ必要があります。

開口一番、
死の渦なんて、大丈夫だよ、
とサラッと言い放つ人は、
この場合、役に立ちません。

渦を感じながらも
浮力も感じつつ、
海を泳いでいる人。

電話でも、LINEでも、
ちょっとだけでも、
その人と接点を持つ。

・・・

人がいないなら、
動物や植物、ですね。

診察でお会いする方の中には、
肝臓が悪かったり、
癌だったりする犬を
大切にお世話している方、
おられます。

死と隣合わせの生を、
まさに、マインドフルに生きている
彼らと、一緒にいると、
たぶん、マインドフルネスが、
伝わってくるのでしょうね。

で、なんだか、
落ち着く。

植物も、同じです。
元気いっぱいの植物よりも、

雷に打たれて、
半分、削り取られているような、
でも、半分残った姿で、
ちょっとだけ、新芽も出している、
そんな樹木とか、
どうでしょうか。

その木を
しずかに、眺める。

で、なんだか
落ち着いてくる。

・・・

それでも、ダメなら、
あとは、ゲーム、ですね。

死んでも、
また、起きてくる、
そんなキャラを扱う
RPGとかに
ひたすら、集中する。

死んでも、
起きる、
起きても、
死ぬ、
でも、また、起きる
でも・・・

死の渦と、
生きる勢い、
その共存を、
ゲームの中で、
シュミレーションする。

これ、
ありです。

・・・

俳優さんの自死に
動揺した時、

Do: 
死の渦も
生きる勢いも
同時に感じる
マインドフルな状態に
自分を持っていく。
そして、
三浦さんと竹内さんに
合掌。

Don’t: 
延々とネットを検索したり、
ワイドショーを流し続けたりする。

<編集後記>
多数派の方法は、実は、これも、
現代の供犠(くぎ)なのです。
詳しく説明すると、
さらに長文になるので、
ポイントだけにします。

※現代の供犠については、こちら↓(そ、その後のシリーズ)

死の渦が、階層喪失を生む。
自死した者が、
いけにえとなり、排除される。
でも、神話(表)となって、
多数派から多弁に語られる。
でも、PSMの方は
神話(裏)(死の渦はすぐそこにある)を
知っている。

ね、そのままですよね。
だから、多数派には
有効なのです。

いかがでしたでしょうか?
同じ悩みをお持ちの方は、 
ぜひ一度、お問い合わせください。