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2017/09/11

観便のすすめ:精神栄養学★事始め⑤

さて、今回は、
精神栄養学の最終回、
観便(かんべん)がテーマです。

観便とは、
排便の看護ケアにおいて、
基本のスキルになっています。

ここでは、
腸内フローラを整える努力が、
どの程度、達成されたか、
その指標として、
理解しましょう。

便の性状を、

硬いものから、
柔らかいものまで、

7つに分類して、
番号をつけた、

ブリストル排便スケール
便利です。

図をみると、一目瞭然です。

・・・

①:コロコロ便
②:硬い便
③:やや硬い便
④:普通便
⑤:柔らかい便
⑥:泥状便
⑦:水様便

この7種類です。

この性状は、主に、
便が消化管を通過する
時間によって、決まります。

通常は、72時間
と言われていますが、

①などは、100時間を超えます。

逆に、⑦は、10時間程度
と言われています。

通過時間が遅いと、
水分が吸収され過ぎ、
硬い便となります。

早いと、逆に、
水分を多く含みます。

では、7種類、それぞれについて、
簡単にコメントしましょう。

・・・

①は、
ウサギの糞、と言われるタイプ。
かなり硬いです。

原因として、
・抗生物質の治療後
・食物繊維の不足
などが挙げられます。

腸内フローラが機能していない、
典型的な便秘の便です。

②は、
①が「合体」して、
ややソーセージ型になった便です。
ゴツゴツしています。

肛門を通過しにくい、
排便困難となる便です。

③は、
④にかなり近い、
バナナ型のスムースな便ですが、
表面にひび割れのあるタイプ。

④は、
何の抵抗もなくスルッと排便され、
ドーンと立派で、
長い場合は、
ヘビのようにとぐろを巻くタイプ。

一日一回の排便の方は、
このタイプが「正常便」と言えます。

⑤は、
④がさらに柔らかく、
細切れになったタイプ。

毎食後など、
一日数回の排便の方は、
このタイプが「正常便」になります。

⑥は、
水分がかなり多く、
ふわふわ、切れ切れのタイプ。

大腸の活動が活発過ぎて、
便の通過時間が早くなっています。

心身のストレスや、
酸化マグネシウムなどの下剤の使用が
原因となる場合が多いです。

⑦は、
固形物がない、
完全な液状のタイプで、
下痢ですね。

しかし、注意が必要なのは、
排便が⑦でも、
大腸の中身は、
②がいっぱいつまっている、
という状況があり得ます。

これ、
逆説的下痢」と呼ばれます。

②による便秘で、消化管の機能が低下し、
結果的に、排便されるものが、
狭い腸のトンネルをすり抜けた
⑦の下痢便、というわけです。

・・・

さて、あなたの便は、
①〜⑦の、どれでしょうか?

③〜⑤あたりが、
腸内フローラが正常に機能している
指標となるでしょう。

①、②、⑥、⑦の方は、
是非、療養生活に、
前回までのメルマガ4回分の内容を
取り入れてみて下さい。

便が、
③〜⑤あたりに変化した時、
きっと、
体調にもよい変化が
期待できると思います。

・・・

観便のポイントとして、
形状だけでなく、
色も、重要です。

補足しましょう。

正常便では、
黄金〜茶色です。

通過時間が短いと黄色、
長いと茶色になります。

また、脂質の吸収不全があると、
黄色になります。
その時、
便器に油分が
浮いている場合もあります。

がかっている場合は、
通過時間がさらに短く、
胆汁の色が出ている状態です。

逆に、
内科疾患や、感染症などで、
胆汁が分泌されないと、
灰色の便になります。

赤色、黒色は、
消化管の中で出血が疑われるので、
速やかな受診が必要ですね。

・・・

さて、5回に渡って
お送りした精神栄養学、
いかがでしたか?

地味ですが、
療養を土台から支える、
それなのに、
なかなか通常の診療では
提案しにくい領域です。

この5回に、
ビタミンや微量元素についての
話題を付け加えると、
ほぼ、網羅した感じになります。

また、別の機会に
お伝えしたいと思います。

また、自炊をされる方なら、
具体的なレシピが欲しいところでしょう。

以下の書籍は、
手頃な薄さで、取り組みやすいと思います。
こちら↓
今ある-うつ-が消えていく食事-うつ病の人に足りない栄養素がわかった-功刀-浩

ただし、
アマゾンの書評にもありますが、
これで、(万人の)うつが消える、
というのは、言い過ぎ。
(本を売るためのコピーに過ぎない)
それは、このメルマガのシリーズを
読まれた皆様には、
了解可能と思います。

ただ、
雑穀米や玄米、
ヨーグルトやキムチを活用する、
具体的なレシピは載っています。

また、食生活の
基本方針もまとまっています。

一方で、
もっと徹底的な食事療法の世界もあります。
それに比べると、
上記の本は、かなりマイルドです。
それでも、
療養生活の中で、食事に配慮する、
そのきっかけには、なると思います。

・・・

さて、
うつへの対策として、
乳酸菌を考える時、

さらに、広げて、
精神栄養学を取り入れた
いろいろな食事療法を試みる時、

Do:
その成果を、まずは、
観便で、評価する。

Don’t:
その成果を、
精神症状のみで
評価しようとする。

いかがでしたでしょうか?
同じ悩みをお持ちの方は、
ぜひ一度、お問い合わせください。