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2018/08/13

精神疾患と甘え②:許してはならない甘えとは?


さて、前回に続き、
「甘え」がテーマです。

前回は、こちら↓
精神疾患と甘え①:甘えるな!と叫ぶ前に

甘えるな!
と相手を非難してしまう状況が、
実は、

自分と価値観の違う相手…
(ユング心理学では「」)
と向き合うことで、
自分の成長の機会となる可能性がある、
というお話でした。

でも、実際のところ、
その状況は、
甘え、なのでしょうか?
甘えではない、のでしょうか?

・・・

診察の中で、まれですが、
小椋が、低い、
ドスの効いた声で、

あ・ま・え・る・な…

とか、

な・め・る・な・よ…

とか、
うなる場面は、あります。

次の診察では、
今日、
どうなるかはあなた次第です…
という感じで、
ふつうにニコニコして
診察が始まります。

これはこれで、こわい(笑)

一体、
どこで、何を間違うと、
ダメだしをくらう甘え、
と判定されてしまうのでしょうか?

・・・

判定基準は、
こうです。

患者さんが、
悪のエネルギーに満たされていて、
かつ、

そのエネルギーが、
担当医側を、悪の仲間に
引き込もうとしている場合。

?!

説明が必要ですね。

まず、
「悪のエネルギー」とは?

ヒトの成長を
邪魔するエネルギー
ですね。

一番、わかりやすいのは、
マイナス思考、です。

特に、

もうだめだ…
もうどうにでもなれ…
これ以上何をやってもムダ…
絶対、何もしてやるもんか・・
どうせなら〇〇してやる…
開き直ってやる…

このような流れの場合が、
多いですね。

でも、仮に、
このような悪のエネルギーに
患者さんが満たされていたとしても、

そうは言っても…
いくらなんでもそれはマズいだろう…
やっぱり辞めておこう…
今後のこともあるし…

などの、ある程度、
自制する思考も、
セットで存在するものです。

ポイントは、
ここから先です。

あまりにも悪のエネルギーが強いと、
その自制が、
吹き飛んでしまう場合があります。

すると、どうなる?

担当医の方に、
あふれ出てくるわけです。

その目的は、
悪のエネルギーがセリフをしゃべったとすると、
次のようになるでしょう。

おい、担当医さんよ、
このあわれな、自制心の吹き飛んだ
コイツを、許してやってくれよ、な。
あんたなら、
コイツのこと、よく知ってるだろ。

・・・

実際の典型的な場面は、
用法用量を守れずに、
お薬が足りなくなって、
臨時診察で来院した、
という状況でしょう。

イライラして眠れないから
3倍の眠剤を飲んだ…

ムシャクシャして、
頓用の5日分を、
1日で使った…などなど。

申し訳なさそうな表情など
一切、見せず、
堂々と椅子に座って、
処方されるのを待っている。

・・・

もちろん、
初回から、
あ・ま・え・る・な…、
という訳では、
ありません。

そのように自制が外れてしまう、
その背景が何なのか、
一緒に探っていく、
そのような外来が、
十分な期間、あった上で…

それでも、
悪のエネルギーが
顔を出してくる、
その時、

アウト、と
判定が下るわけです。

・・・

静かににらむ、
その意味は、

悪のエネルギーを
それ以上、増殖させない、

という意味と、

そのようなにらむ力を、
本人自身が、
自分の中の悪のエネルギーに対して
もてるように、
その見本、
という意味があります。

これは、
患者さんのことを、
ある意味、
共感しつくしていないと、
できないことです。

いま、自制が外れたな…
本当は、自制できる力が、
あるはずだ・・・
などなど…。

これは、
前回お伝えした、

Aさんの夫や、Bさんの、
「これって、甘えですよね?」
という状況とは、
根こそぎ、違います。

Aさんの夫や、Bさんは、
いわば、
「影」との対決を避けている。

あ・ま・え・る・な…、は
本人に変わって、
担当医が「影」と対決している。

・・・

さて、
これは甘えではないか、
と思った時、

Do:
本人が放棄した
悪のエネルギーとの対決を、
自分が引き受け、
見本を示す。

Don’t:
悪のエネルギーを黙認し、
本人と共犯となる。

いかがでしたでしょうか?
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ぜひ一度、お問い合わせください。