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2019/01/20

睡眠リズムを概日リズムから整えよう①:概日リズムとは


さて、今回は、
睡眠リズムが整わない時の
対策についてのお話です。

睡眠は、療養生活上、
第一に重要、と言ってよいほどの
テーマですので、

すでに、このメルマガでも、
扱ってきました。
例えば、こちら↓
寝付けませんか?:睡眠衛生の基本をチェックしましょう

睡眠衛生という、
よい睡眠をとるための基本事項を
整理したものでした。

また、
緊張して寝付けない時の対策として、
呼吸法や、
テアミンなどのサプリ、
ラベンダーなどのアロマも、
紹介してきました。

でも、
そんな努力をどれだけやっても、
そして、特別、
緊張するような悩みもないのに、

寝付けない…
すぐ起きてしまう…
寝起きがよくない…
また二度寝してしまう…

そして、
起きる時間や寝る時間が
ぜんぜん、一定しない…

なぜか、放っておくと
いつのまにか、昼夜逆転してしまう…

なぜ、こんなに、
睡眠がおかしいのか?

もう、今となっては、
ぐっすりスッキリ寝ていた頃を
思い出せない…

そんなPSMの方、
けっこう、おられます。

一体、何が
マズいのでしょうか?

・・・

平たく言うと、

生活の中で、
昼と夜のメリハリが、
とても乏しい。

昼はしっかり覚醒して
何かしらの活動をし、
夜は、さっさとお布団に入って
ガーッと寝る、というリズムが、
消滅している…。

これは、
原因でもあり、
結果でもあります。

メリハリのあるリズムを
取り戻すこと。

そうすれば、
睡眠リズムも、復活してきます。

そのためには、
何をすれば、よいのでしょうか?

・・・

読者の皆さんからは、
こんな声が聞こえてきそうです。

結局、
決まった時間にちゃんと起きて、
夜更かしせずに、寝ろ、
って言うことだろ?…と。

確かに、
そうなのですが、
それだけを指示されても、
決してうまく行きませんよね(苦笑)

まさに、三日坊主で
終わったりします。

なぜでしょう?

次のようなたとえが、
わかりやすいと思います。

メリハリのある生活リズムを、

しっかりスイングしている
ぶらんこ、と
イメージして下さい。

あの、
ぶらんこのチェーンが
地上と水平になるぐらいに、
大きく、前へ
大きく、後ろへ、
振子運動をしている、
あの、ぶらんこですね。

ほとんど、
制止しているぶらんこを、
いきなり、そこまで持って行くのは、
ムリ、ですよね。

生活リズムが乏しく、
睡眠リズムが安定しない方は、
まさに、
その制止している、
ぶらんこなのです。

少しずつ、
適度な力で揺らしはじめて、
ちょうどいいタイミングで、
前に押し、
後ろに引き、
エネルギーを加えていく。

そして、だんだん、
スイングが大きくなっていく。

そんな、リハビリが
必要ですね。

・・・

それ、どうやって
やればいいのでしょうか?

ちょっと、最初はメンドウですが、
そもそも、そのぶらんこが
どんな仕組みになっているか、
それを知る、
ということが、最初の一歩です。

・・・

概日(がいじつ)リズム
という言葉、聞かれたこと、
ありますか?

サーカディアン・リズム
(circadian rhythm)の
和訳ですね。

circaが、おおよそ、
dianが、日、という意味で、

まさに、
ほぼ24時間周期の、
ヒトを始め、多くの哺乳類に見られる、
生命活動の基本リズム、
ですね。

このリズム、実は、
脳の中の、視床下部、という部位の
視交叉上核、という神経細胞の群れが、
生み出しています。

この司令塔を、仮に
中枢の体内時計」と呼びましょう。

そこが発する信号を、
全身の細胞が「受信」します。

そして、その細胞を含む、
それぞれの臓器が、
概日リズムに従って、
活動をするわけです。

例えば、
心臓を含む循環器系の活動は、
血圧で計測できますが、

6:45頃に急激に上昇し、
18:30頃に最大となり、
それ以降は、低下する、という
概日リズムがあるようです。

これは、心筋梗塞などの発症は
明け方が多い、という統計データと
合致しますね。

・・・

もちろん、
血圧に限らず、

体温や、
消化管の運動、

血糖の処理能力や
筋肉の運動能力、

さまざまなホルモン、

そして、
理論的な判断力や
気分の変動までも、

この概日リズムの中で、
動いています。

そして、もちろん、
睡眠と覚醒のリズムも
この中にあります。

ちなみに、
トップアスリートなどは、
自分のパフォーマンスに直結するため、
試合時間がどの時間帯なのか、
ものすごく気にするそうです。

そして、
からだ中の細胞や臓器も、
それぞれの「体内時計」を
持っているようです。

脳にある
「中枢の体内時計」と対比して、
これらを、仮に
末梢の体内時計」と呼びましょう。

・・・

こんなお話が、
我々PSMの療養生活に、
どんな関係があるのでしょうか?

さきほどのぶらんこの話に
もどすと、

中枢の体内時計の発するリズムに、
末梢の体内時計がしっかり応じて、
最大限のメリハリでもって、
概日リズムが刻まれている、
とのとき、
ぶらんこは、元気一杯、
青空をめざしてスイングしている、
ということです。

この時、
あっと言う間に爆睡し、
ガバッと起きてエンジンがフル回転、という
元気な睡眠が得られるのです。

このリズムが噛み合わないとき、
ぶらんこは、
ぶるぶるふるえるだけだったり、
左右にねじれるだけだったり…
とても悲しいぶらんこになってしまいます。

・・・

このぶらんこを、
どうすれば、
元気なリズムにもどせるでしょうか?

ポイントは、
いかに、
中枢の体内時計のリズムを整えるか
にかかっています。

中枢の体内時計を
リセットする刺激を、
ツァィトゲーバーzeitgeber:同調因子
と言います。
※「時間を与えるもの」の意。

では、その同調因子とは、
具体的には、何でしょうか?

それは、
まずは、光、です。
そして、食べ物、です。
そして、先ほどの、
体内のいたることろにある、
末梢の体内時計の刺激、です。

いわば、
これらの刺激が
適切なタイミングで加えられた時、
ぶらんこは、
元気にスイングするのです。

だから、
生活全体をデザインする必要が、
見ててきますね。

・・・

次回以降、
しばらく、このテーマが続きます。

次回は、
睡眠リズムの話にもどして、
お伝えしますね。

さて、
睡眠リズムが整わない時、

Do:
概日リズムについて知り、
そこから整える、
というアプローチを試してみる。

Don’t:
一般的な生活リズムに
強引に合わせようとして
挫折する。

いかがでしたでしょうか?
同じ悩みをお持ちの方は、
ぜひ一度、お問い合わせください。