ブログ

ブログ

2020/07/05

ムドラー・セラピー入門⑤:恐怖への向き合い方



さて、今回は、
前回のムドラーのセットの、
解説編です。

前回は、こちら↓

写真を載せているので、
セット:<恐怖と不安の軽減 その1>の、
三つのムドラー、
「恐怖に向き合う」
「自信」
「繁栄」について、
ザッと、
思い出しておいて下さいね。

また、
以前にもお伝えしたように、
以下は、
小椋の感覚です。

これが正解、
ということではなく、
ご自身がよりよく
感じられるような
ヒントとして利用して下さい。

・・・

【恐怖に向き合う】

右の手のひらを、
頭の高さで、
前に開いて見せる時、

何一つ、
包み隠してないよ、
という感覚になります。

ニコニコしながら、
頭の中では、
攻撃のスキを探している、
そんなことは、ないよ、
という感じです。

試しに、
グーを握って、
手の甲を前に向けた状態と
比較してみて下さい。

すごーく、
感覚、違うと思います。

※もちろん、これは、
腹側、背側の違いによる
転移効果の違い、でしたね。
加えて、
開く、閉じる、という
拮抗作用の違いによる、
転移効果もありますね。

だから、
恐怖を抱いている時、
このムドラーは、
自分は恐怖を抱いていることを、
認める、
という感覚に導くわけです。

自分は恐怖なんて
感じていないはずだ、
という悪あがきをやめる、
ということです。

・・・

では、左の手のひらは、
何をやっているのか?

まるで、
降りてくる何かを、
手のひらで
受け止めているかのようです。

何を?

そう、恐怖、という
感情のエネルギーを。

頭や、のど、
胸のあたりに
ざわついている感覚を、
(これ、不安の身体感覚ですね)

実は、これ、
恐怖なんだ、と、
腹の中に、
落とし込んでいく・・・
そんな感覚ですね。

※ちなみに、
感情リテラシー的には、
不安とは、
恐怖の予感、でしたね。
不安の身体感覚を、
すべて、一旦、
恐怖(の予感)として、
向き合おう、
というムドラーになってます。

・・・

【自信】

3本の指の背面を
しっかり合わせようとすると、
それなりの圧力が必要です。

この拮抗する力が、
恐怖というエネルギーを、
体現しているわけです。

いわば、前のムドラーで集めた
恐怖のエネルギーに、
カタチを与えている感じですね、

恐怖のエネルギーって、
つきつめると、
生きたいけど、
死ぬかもしれない、
という拮抗から生まれます。

この拮抗の、
いわば、ミニチュア版が、
恐怖を抱くあらゆる場面に
出てきます。

恐いと感じている人と
会うとき、
(心身ともに傷を負いたくないが
負うかもしれない)

なんとしても受かりたい
試験に臨むとき、
(合格したいが
落ちるかもしれない)

・・・などなど。

・・・

と同時に、

その、3本の指が作る
左右の拮抗に対して、

十字を描くように、

人差し指が前方へ、
親指が後方へ、
グッと合わさりつつ
伸びることで、

一本の強い軸が
前後方向に出現します。

ここで、
何が起きている?

このムドラーは、
恐怖というエネルギーを、
カタチにした上で、

別の方向に
転換させている。

目の前にある
恐怖の対象と、
自分自身との間に、

しっかりとした距離を作る、
そのためのエネルギーに、
転換させている。

恐怖の対象と
距離を取れたとすると、
それって、
自信、といっても
いいですよね。

・・・

【繁栄】

さて、
フィニッシュの動きに入ります。

手のひらを下に向け、
指をピッタリそろえた、
最初のムドラーは、

まさに、
フタをする
という感覚です。

何に?

一つは、
腹に落とした恐怖のエネルギーが
再び湧き上がってこないように、
でしょうね。

そして、
手のひらを上に向けた時、

まだ、浮遊している
恐怖のエネルギーを
回収する、
という感覚でしょうか。

それを、フタの開閉のように
繰り返しているわけです。

・・・

でも、それだったら、
なぜ、このムドラーの名前が
「用心」とかではなく
「繁栄」なのか?

もう一つの、
あり得る体験は、

フタをする時、

今回、
恐怖に向き合ったことで
得ることができた、
私の自信、

そのエネルギーを、
しっかり、腹という倉に、
財産として、確保しておく
という感覚でしょうか。

フタを開いて、
手のひらを上に向けた時、

向き合うことを可能にしてくれた、
いつも自分を守っていてくれる、
何ものか、
それに対する感謝の気持ちと、
その何ものかの恩寵を、
手のひら、いっぱいに受けて、

それもまた、
自信として倉に納める、
手のひらを下に向けて、
扉を閉じて。

恐怖に向き合うことで
自信がついていく、
それが、倉庫にいっぱい
たまっていく、
という体験は、

人間の成長、
そのものですよね。

それって、
繁栄でなくて、
なんでしょうか?!

・・・

今までやってきた
ストレス対処法が
使えず、
ムドラー・セラピーに
取り組む時、

Do: 
ムドラーのセットには、
とても奥深い
感覚と感情の体験が
あり得るのだ、と知る。

Don’t: 
解説を読んで、
再度、取り組んでみても、
よくわからない時、
解説が持つ、
恐怖への向き合い方の
一般論としての価値をも
捨ててしまう。

<補足>
メスコ先生の今回のセットを
貫いている考え方は、
恐怖とどう付き合うか
というテーマにおいて、
とても優れています。

つまり、ムドラー・セラピーとして
実践せずとも、
あるいは、ムドラー・セラピーが自分に
合わずとも、
その付き合い方を、
自分なりに実践できると、
得るところが大きい、
ということです。

いかがでしたでしょうか?
同じ悩みをお持ちの方は、 
ぜひ一度、お問い合わせください。