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2018/04/22

マイナス思考への対処法⑦:重症の場合の5つの対策


さて、
マイナス思考から脱出するための、
認知リテラシー、その7回目です。
次回の8回目が、最終回になります。
(もう少しです!)

前回は、
現実を受け入れることができず、
マイナス思考から脱出できない、
30代女性Bさんの、
躁うつ病のストーリーでした。

今回は、
そのBさんでもできる対策はないか、
考えてみましょう。

少なくとも、
5つ、あります。

前回は、こちら↓
マイナス思考への対処法⑥:見たくない現実を見よう

認知リテラシーの
基本シェーマの図は、こちら↓
マイナス思考への対処法②:「ヘルシー思考」とは?

・・・

一つ目。
「磁場」を修正する。

前回の最後のDoで、
『マイナス思考によって温存される、
「信じる」「感じる」の「磁場」を
明らかにする』
とお伝えしました。

それを
明らかにした上で、
それを、
セラピーで取り組むべき課題に設定する、
ということです。

これ、
確かに、王道ですが、
なかなか率直に応じる方、
少ないですね…

・・・

二つ目。
「信じる」を修正する。

Bさんの信念は、
「本当は、
うつの自分なんていない、
躁状態と言われている自分が、
本当の元気な自分。」
でしたね。

もちろん、
それを修正しましょう、
と担当医が言っただけで、
なかなか
修正できるものでは、
ありません。

また、Bさんほど、
現実を拒否する勢いが強い場合、
認知行動療法も、
効果は乏しいでしょう。

修正できる可能性があるとすると、
次の場合です。

Bさんに、
なんとしても実現したい、
そんなゴールがあり、
その実現のためには、
今の信念が邪魔をしている、
それを痛切に自覚した時。

例えば、
なんとしても結婚したい
彼氏がいて、
その彼が、
「多少、うつっぽくても、いいよ
とにかく、この気分のムラを
なんとかしてくれれば」
と結婚の条件を伝えた時。

ヒトって、打算的な生き物です。
メリットがあれば、
あっさり、いままでの信念を
別の信念に、置きかえること、
できちゃいますね。

ただし、
そのゴールの実現を、
強烈に求めている必要がありますが。

・・・

三つ目。
「感じる」を修正する。

Bさんは、
躁うつ病だと言われることに、
強い怒りの感情を
抱きます。

でも、
結局、そう言われた時、
怒りを感じるにしても、
その程度が、マシになるなら、

現実をつきつけてくる
いろんな情報を、
受け入れやすくは、なるでしょう。

それを目指して、
感情リテラシーに取り組めばよい
ということになります。

自分の怒りを、
自分で抱えておくことが
できるようになる、
その程度に応じて、
認知リテラシーの
基本セットが、
感情の影響で歪まずにすむ、
ということです。

・・・

四つ目。
まずは、
受け入れられる現実を探す。

Bさんの、
受け入れられない現実とは、
具合の悪い、
抑うつ状態と躁状態を
繰り返してしまう、という現実。

その現実と、
直接、向き合わなくてもよい、
Bさんの生活の中での、
別の現実を、探す。

例えば、
カメラ教室に通っている、
とすると、
そこでの作品制作や、
次回の展覧会への準備など。

その現実の中で、
ゴールを設定し、
情報収集し、
判断し、結論を出し、
次のゴールを再設定する。

そんなヘルシー思考を、
その現実の中で、
育てていく。

すると、
Bさんの中の
そのヘルシー思考と、

同じBさんの中の、
躁うつ病に関する
マイナス思考、

そのコントラストが、
ひどく明瞭になってきます。

すると、
Bさん自身が、
自分のマイナス思考の
異常さに、
徐々に気がついていく…

それは、期待できます。

・・・

五つ目。
時期を待つ。

具体的には、
次のような状況のことです。

生きていると、
いろいろな出来事に
ぶつかります。

中には、
無視したくとも無視できない、
現実をつきつけられる場合も
あるでしょう。

例えば、
経済的なサポートをしてくれた
両親との死別…

健康そのものと思っていた
自分が、からだの病気になる…
大けがをする…

このような出来事をきっかけに、
強引に、
ヘルシー思考に
立ち戻らざるを得なくなる、
そんなパターン、
実はけっこう、あります。

その時、セラピストが、
「これがヘルシー思考なんだよ」と
本人の自覚を促す、
というサポートをする訳ですね。

・・・

さて、
いかがでしょうか?

5つのどれも、
決して楽しくはありませんが、
マイナス思考からの脱出の、
やりようはある、
ということです。

・・・

最後に、
認知リテラシーの
基本セットの中の
判断」に関する補足です。

この「判断」の部分は、

「信じる」と「感じる」
からの影響を受けつつ、

その両者のバランスを取りつつ、

ゴールに近づくための
行動の指針となる
「結論」を出すための、

要(かなめ)の部分

言えます。ヘルシー思考だと、

このバランスの取り方が
絶妙です。

例えば、
「これだけは譲れない」
という信念があると、
収集した情報の取捨選択が
やりやすい。

でも、なかなか
その基準を満たす
現実的な選択肢が出てこなくて、
判断に時間が
かかってしまう場合もある。

すると、
感じる」がイライラしてきます。
タイムリミットは、
どんな状況でも、
常にありますからね。

この両者の落としどころを
柔軟に探す、
それがヘルシー思考。

これと比較すると、
Bさんの、
現実を拒否する信念と、
現実をつきつけられた時の
怒りが、
手を組んで、
「判断」が全く機能していない、
その状況の具合悪さが、
よくわかると思います。

・・・

さて、
まとめましょう。

手強いマイナス思考
で困った時、

Do:
5つの対策の中で
できるものから
取り組んでみる。

Don’t:
結果の出ない対策を続け、
一層、
マイナス思考が増強する。

いかがでしたでしょうか?
同じ悩みをお持ちの方は、
ぜひ一度、お問い合わせください。