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2018/04/14

マイナス思考への対処法⑥:見たくない現実を見よう

さて、
マイナス思考から脱出するための、
認知リテラシー、その6回目です。

今回は、
基本セットの中の、
「情報収集」について、
前回のAさんのようには
うまくいかない、
Bさんのケースです。

前回のAさんについては、こちら↓
マイナス思考への対処法:「情報収集」のコツ

認知リテラシーの
基本シェーマの図は、こちら↓
マイナス思考への対処法:「ヘルシー思考」とは?

・・・

Bさんも、30代、女性、
診断は、躁うつ病、
口グセは、
私は一生、
うつを繰り返すんだわ…

Bさんも、診察で
予定の詰め込みすぎを指摘され、

しんどいサインが出た時に、
予定をキャンセルすること、
やってみました。

そしてBさんも、
うつで寝込む期間が、
3日から、一日半に、
減りました。

が、
自分でその意義に気づかず…

先生〜、
また、うつになっちゃって…
私、一生、繰り返すわ…

そこで、担当医が
白黒思考で
結果を見るのではなく、

寝込む期間が減ることの
意義を伝えた…。

ここまで、Bさんは、
Aさんと、全く同じ。

・・・

でも、
担当医の指摘に対する反応が、
Aさんと、
Bさんとでは、
全く、違いました。

Aさんは、
そうか!と
新たな発見をしたような表情。
そして、
変化を起こす努力を続け、
マイナス思考が
なくなった。

Bさんは、
まるで何も目に入らなかったかのように、
無表情なまま。
そして、
担当医が発破をかける時だけ、
努力するポーズはとるが、
結局、
うつは繰り返され、
マイナス思考も、
そのまま。

・・・

Bさんには、
何が起きているのでしょうか?

今回は、
その典型的なパターンをお伝えし、
マイナス思考からの
脱出のヒントになればと思います。

・・・

Bさんには、
根本的に
納得できていないことがあります。

それは、
自分が躁うつ病だ、ということ。

いまさら、そんな…
という大前提の話ですが、
だからこそ、
普段の診察では
正面から扱われないまま
日々が過ぎてしまう、
そんなパターン、
多いです。

まず、
うつの自分が、
ひどく、嫌い。
死ぬほど、嫌い。
そんなの、
認めたくない。
なかったことにしたい。

その一方、
元気な時の自分を、
躁状態だ、
つまり、
元気が出すぎている
病気の状態だ、
と言われることが、
許せない。(怒)

これは、
認知リテラシーの
基本シェーマにあてはめて
整理してみると、
状況がよく見えてきます。

本当は、
うつの自分なんていない、
躁状態と言われている自分が、
本当の元気な自分。

そんな信念が、
Bさんには、あります。

それが、
認知リテラシーの
基本シェーマの中では、
信じる」の部分に相当します。

一方で、
それを否定されること、
つまり、躁うつ病だと言われることは、
強い怒りの感情を
引き起こします。

これが、
認知リテラシーの
基本シェーマの中では、
感じる」の部分に相当します。

いわば、
Bさんの思考は、
この「信じる」と
「感じる」とに
サンドイッチされ、
その強い磁場の中に置かれている、
と言えます。

・・・

すると、
Bさんの思考は、
どうなる?

その磁場を乱す
情報収集や判断を、
拒否するようになる。

この場合、

「うつで寝込む期間が、
3日から一日半に減った」
という情報収集と、

それは、
うつから脱出するための、
小さいが重要な一歩だ、
という判断を、

拒否するように、
なるわけです。

なぜ?

その小さな一歩を
認めることは、
次のことを、
認めることに、
なるからです。

自分に、
うつの状態が、
あること。

その状態は、
すぐには、
よくならないこと。

加えて、
よくなった状態は、
自分の思っている元気な状態とは、
ちょっと違う、
もっと地味なものに
なりそうだ、ということ。

これは、
Bさんの「磁場」を
乱します。

だから、
このような思考は、
受け入れられない。

だから、Bさんは、
この思考を担当医から
提示された時、
無表情、になるのです。

・・・

すると、最終的に、
Bさんの思考は、
どうなる?

Bさんの「磁場」を
温存し続けることができるなら、
何だってよい、
ということになってしまう。

だから、
現実を踏まえた思考、
つまりヘルシー思考を拒否し、
マイナス思考を採用する
メリットが出てくるのです。

私はどうせ一生うつを繰り返す、
と表向きはグチを言い続けながら、

本当の自分は別のところにある…
という非現実を抱き続けることを、
可能にするからです。

・・・

このパターン、
すごく、多いです。

今回は、
躁うつ病のBさんの例でしたが、

躁うつ病に限らず、
マイナス思考がガンコな場合、
このパターン、多いですね。

・・・

では、このパターンから
脱出するには、
どうすればよい?

マイナス思考によって
温存されている、
隠れた「磁場」を
浮き彫りにする、
それ以外、ありません。

ヘルシー思考を
できなくさせている、
「信じる」「感じる」を
あぶり出す。

これ、本人のすごい
抵抗を引き起こしますね。
だから、ひどく大変です…。

・・・

さて、
まとめましょう。

マイナス思考で困った時、

Do:
マイナス思考によって温存される、
「信じる」「感じる」の「磁場」は何か、
それを明らかにする。

Don’t:
情報収集によって
現実をつきつけても、
ガンコなマイナス思考が拒否を続ける、
そのどうどう巡りに終始する。

いかがでしたでしょうか?
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ぜひ一度、お問い合わせください。