精神疾患は治るのか?:寛解を超えて
さて、今回は、
疾患を問わず、
ひんぱんに聞かれるけれど、
なかなか回答が難しい質問です。
「私の病気、治りますか?」
「治りますか?」という問いは、
「症状が改善しますか?」より、
かなりハードルが高い。
そこには、
症状が改善するだけではなく、
・症状が繰り返さない、そして、
・療養上のめんどうな気遣いも
今後一切、しなくてすむ、
という意味を含めている方が多いです。
要は、
病気になる前の、
病気について一切、気にすることなく
生活できていたあの頃に
もどれるか、
という意味ですね。
むむむ・・・
みなさん、
どう思われますか?
一番、教科書的な回答は、
次のような、
「寛解」(かんかい)という
考え方をお伝えするパターンになります。
生活習慣病って、
ご存じですか?
高血圧とか糖尿病とか、
内服や療養上の指示を守って
生活すれば、
症状はましになって、
その病気であることを
そんなに気にすることなく、
ふつうの生活ができる、
そんなタイプの病気ですが、
精神疾患も、同じです。
このタイプの病気の、
その状態を、
「寛解」(かんかい)と言います。
そのウラの意味は、
療養上の配慮を怠れば、
再発のリスクがある、
ということになります。
この説明で、
ふーん、と一応、
納得される方もおられます。
でも、本心は、
違うでしょう。
だって、「寛解」は、
「あの頃にもどった」ことには、
全然、なってないから。
メンドウな配慮を
続けないといけないから。
・・・
どうすれば、
いいと思いますか?
一つの提案は、
そのメンドウな配慮を、
「第二の自然」と言えるぐらいに、
自分の一部にしてしまうこと、
ですね。
その時には、その配慮が、
自分にとって自然にできるように
なっているから、
まったく、
苦ではなくなっているハズ。
でも、それができている自分って、
「あの頃」の自分とは、
違っていますよね。
「あの頃」の自分に、
もどったことにはなっていない。
でも、苦ではない。
これは、どういう状態でしょうか?
「成長した自分」
というしか、ない状態でしょうね。
だから、
自分の病気って、
治るのだろうかと
疑問に思った時、
Do:
療養の目標を、
「治る」ではなく、
「成長」へと、
捉えなおす。
Don’t:
「治らないんだ」と
落ち込む。
今回のテーマは、
病気って、
そもそも、なんだ?
という大きなテーマに
直結しています。
病気って、
なんなんだ?
一つの回答は、
それをクリアすることで、
成長することが期待される、
神さまから出された
宿題だ、という見方ですね。
そんな宿題、いやだーと、
誰でも思いますよね。
だから、
できることから、
ぼちぼちやれば
いいと思います。
波が高ければ、
海にでるのは、やめる。
これ、
ヨットの鉄則ですが、
ハーバーで
船体のメンテナンスは
できますね。
いかがでしたでしょうか?
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