統合失調症

統合失調症

統合失調症について

統合失調症について

統合失調症は、陽性症状とよばれる「幻聴」や「妄想」といった症状が代表的な心の病気です。およそ100人に1人弱がかかるといわれており誰にでも起こり得る、身近な病気でもあります。

症状の概要

統合失調症は、以前は「精神分裂病」と呼ばれていました。
外界を認識したり、言葉を用いて考えたりする脳の機能が低下するため、幻聴や妄想などの症状がおこる病気ですが、治療法や薬の開発が進んだことで長期的な回復が期待できるようになってきました。

病気の経過は「前兆期」「急性期」「回復期」「安定期」に分けて考えられ、前兆期はうつ病や不安障害の症状とよく似ています。
急性期は幻覚や妄想の症状が顕著に現れることが多く、回復期は急性期に起こった症状が徐々に治まっていく時期です。安定期では、発症前の状態に戻る場合と急性期の症状が残る場合に分けられます。
こんなことでお悩みではありませんか?

こんなことでお悩みではありませんか?

統合失調症で多くみられる症状は幻覚や妄想で、以下のような症状が挙げられます。
  • いつも不安そう/自信がなさそうにしている
  • いつも緊張している
  • 悪口をいわれた/いじめられたなどと訴えるが実際にはその事実はない
  • 誰かに監視されている/盗聴されているなどと訴えるがその事実はない
  • ブツブツとひとりごとが増えた/にやにや笑うことが増えた
  • 誰かに命令されているなどと訴える
これらの症状は「陽性症状」と呼ばれ、本人は現実で起こっていると感じているため、周りの人が訂正しても受け入れられないことがあります。
周りの人が気づき専門の機関に相談し、早期発見・早期治療をすることをお勧めします。

その他に、
  • 会話が噛みあわないことや作業ミスが増えた
  • 趣味や楽しみにしていたことに興味を示さなくなった
  • 自宅にこもることが多くなった
  • オシャレや身だしなみを整えなくなった
  • 表情や言葉の調子が平板になった
  • 他人の感情を理解するのが苦手になった
などの「陰性症状」も現れる場合があります。
その原因はこんなことかもしれません

その原因はこんなことかもしれません

統合失調症のはっきりとした原因は今のところ分かっていません。進学・就職・結婚などの人生の節目となる変化が発症のきっかけとなる場合もありますが、必ずしも、そのようなきっけかけがなく、徐々に発症する場合もあります。

統合失調症の方が体験している世界を、そうでない方が想像することは、とても難しいです。だから、ご家族であっても、「何を言っているのか全く理解できない」と家族関係が悪化する場合が多いです。そうなると、治療がすすめにくくなります。
まずは、ご本人とご家族に、統合失調症という病状について、しっかりとご説明するところから、治療が始まります。
当院での治療法

当院での治療法

幻聴とは何か、妄想とは何か、統合失調症の療養生活をどのように送るべきか、わかりやすくお伝えします。
  • 改善を目指す具体的な症状と、目下の回復のゴールを明確に共有します。
  • 活動記録表を記載して診察時にお持ちいただきます。
  • それを踏まえて毎回の診察で、幻聴や妄想の頻度や程度を把握し、治療のすすみ具合や対策を相談していきます。
  • 同時に、生活リズムや日常生活の活動内容の修正を提案します。
  • 幻聴や妄想には、いろいろな背景があります。心身の疲労のサインである場合や、感情の処理が苦手な方の、自分や相手の強い感情に対する反応である場合や、マイナス思考のあらわれである場合など、様々です。その方の病態に応じて、その症状への対処法を、一緒に探し、具体的に提案していきます。
  • 薬物療法も必要に応じて提案します。その場合も、それぞれの内服の目的が、睡眠の確保なのか、苦痛な症状の対症療法的な緩和なのか、幻覚や妄想を鎮静させるためなのか、明確にお伝えします。
  • また、あり得る副作用に関しても具体的にお伝えし、内服を中止すべき状況もご説明します。
  • 就職や復職が目標の場合は、デイケアの利用を含めたトータルなリハビリのデザインを、それぞれの状況に沿うかたちで提案します。
  • 幻覚や妄想の改善の程度に応じて、減薬をすすめ、病状次第では、最終的には終診を目指します。
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Q&A

仕事に就けるようになるでしょうか?
近年、お仕事に就くための準備をする、就労移行支援事業所などが充実してきています。当院でも連携をとっている事業所が多数ありますので、ご相談ください。
減薬はできますか?
病状の程度によっては、減薬できる場合はあります。また、内服によらない対処法の工夫をすることで、減薬できる場合もあります。