うつ病で夫が休職中の夫婦関係へのヒント
典型的な症例から始めましょう。
42才、男性、うつ病で休職中。
妻は夫の休職後、パートを
週2から週6に増やして疲労気味。
この1年間、妻は、
主治医の説明を十分理解し、
育児は実母に援助を求め、
家事と仕事をこなしている。
ただ、夫の治療経過については、
まったく無関心。
夫婦生活もなくなった。
夫は、復職デイケアに真面目に
通所し、回復傾向にはある。
ただ、妻が帰宅後、
ため息まじりに、
「はやく仕事にもどってよね」と
つぶやく、それが、しんどい。
オレだって、できるだけの
ことは、やっている!
なんで、それを
わかってくれないんだ!
この夫婦に、
どんなアドバイスが
有効でしょうか?
夫婦という対人関係は、
いろんな
エネルギーの交流の、
絶妙なバランスの上に
成り立っています。
理想の結婚生活のイメージや、
各自の人生の目標、
相手への好悪の感情や、
各自の社会的役割、
夫婦生活の有り様や、
各自の経済的な貢献度など。
夫の休職は、
このバランスを
大きく変化させました。
双方が、
その変化を受容しつつも、
変化が強いるストレスに、
ともに余裕がなくなり、
早く働け!
まだ無理だ!
という対立軸が強調されたバランスに、
ゆがんでいます。
ポイントは、どうやって、
この対立軸とは別の、
現状と未来を結ぶ、
夫婦関係の軸をみつけるか、
ですね。
現状は、
冷戦状態の夫婦だけど、
それでも、一緒にいる意義は?
どんな未来を
共有しているから、一緒にいる?
それを、この苦境の中で、
いまいちど、確認する作業が、
大切ですね。
別の言い方をすると、
現状の原因を、
双方が、相手に求める、
いわば、
向き合って座っている、
その状況から、
共通の「敵」
あるいは、「未来」を見て、
隣り同士で座っている、
そんな、位置関係の
変化が、実感できると、
うまくいくと思います。
Do:
自分と家族が隣り同士に座り、
ともに見つめることができる、
共通の「敵」「未来」を探す。
Don’t:
自分と家族が
向き合って対決したまま、
現状の原因を
相手に求め続ける。
いかがでしたでしょうか?
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