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2016/11/03

うつ病の治し方:症状への対処法としての瞑想

今回は、前回の続きです。
前回はこちら↓
うつ病の治し方:苦手な方のための瞑想入門

まず、前回の復習です。

6つのチャンネル、思い出せますか?
・視覚
・聴覚
・身体感覚
・身体運動
・他者との関係
・世界との関係、でしたね。

エクササイズは、どうでしたか?
「いま、自分は、
どのチャンネルで、
自分を、周囲を、
感じているのか、
振り返ってみる」でしたね。

では、
その理解と体験を踏まえて、
今回は、もう一歩、すすみましょう。

実は、
このチャンネルのコントロールが
うまくできると、
瞑想も、上達します。

瞑想が、
チャンネルのコントロールの
練習になる、とも言えます。

よく、
雑念に邪魔されて
瞑想ができない、
なんて、いいますよね。

昨日あった人のことが、
どうしても、頭を離れない・・・
自分のからだの内部感覚に、
集中できない・・・

まさに、
他者との関係のチャンネルが
活発で、(占有されていて)
身体感覚のチャンネルに
切り替えることができない、
という状態なのです。

では、
つらい症状に悩まされている、
私たち、PSMにとって、
チャンネルのコントロールが
うまくできることに、
どんなメリットがあるのか?

先程の「雑念」を
「症状」に置き換えてみると、
よくわかります。

例えば、
抑うつ気分が続いて、
入浴もできない・・・

この状況は、
身体感覚のチャンネルが、
抑うつ気分という
感情で占有されてしまい、
それがあまりに強烈なため、
自分には
他のチャンネルがある、
ということすら、わからなくなる。

そして、
脱衣して湯船に入ると、
からだが気持ちいいという、
身体運動のチャンネルを
開くことができない。

この状況で、
チャンネルのコントロールができれば、
ずいぶん、楽ですよね。
つまり、瞑想が役に立つ!

はい、そこで、
瞑想の基礎練習です。

しんどい症状が出たとき、
眼を閉じて、
からだを動かすのをやめて、
その症状が、
どのチャンネルから来るものか、
よくよく、
さぐってみる。 (以上)

眼を閉じて、
動きを止めるのは、
視覚身体運動のチャンネルを
閉じて、制限して、
他のチャンネルを、
さぐりやすくするためです。

症状がきついとき、
まるで自分のすべてが、
症状の嵐に巻き込まれている、
そんな感じがするものです。
そのとき、
その症状が、実は、
特定のチャンネルのみを占有していて、
他のチャンネルは、まだ
「残っている(生きている)」
と自覚できることには、
大きな意義があります。

まず、自分のすべてが、
巻き込まれているわけではない、
という感覚。
そして、そのチャンネルの
バランスを修正すれば、
症状はましになるかもしれない、
という感覚。

これが、症状から距離をとる、
第一歩、ですね。

最後に、具体例(小椋の)を
書いておきます。

深夜にひどい吐き気。
悶絶して床にのたうちまわる。
うめき声もでる。
全部、吐いて、
吐けるものはもう何もない。
かんべんしてくれ・・・
全身が吐き気の嵐の中。
さて、どうする?

もう、眼は閉じている。
からだを動かすのをやめてみる。
きつい。
動かしているほうが、まぎれて
まだましか。
でも、動きを強引に止める。
吐き気の圧力が、
胃のあたりに充満して爆発しそうだ。
それを味わう。
これぞ、身体感覚のチャンネル。
耐えられずまた動きだすが、
また止める、それを繰り返す。
勇気が必要だ。

動きを止めた瞬間、
ふと、深夜のしずまりかえった
静寂が感じられる。
(聴覚のチャンネルがオンになる)
いま、こころの眼には、
なにも映っていないことが、
意識にのぼる
(視覚のチャンネルが
オフになっていることがわかる)

この瞬間、
吐き気はあるものの、やや、
「部屋におさまっている」、
「格納」されたような、
感触が生まれる。
・・・続く。

悶絶の真っ只中でも、
瞑想はできます!

次回は、
この基礎練習をもとに、
より踏み込んだ練習を、
紹介する予定です。

え?まだ続くの?と
いま、思いましたか?(苦笑)
(次回で最後です)

さて、

Do:
瞑想は、
その基礎練習が、
つらい症状への自己対処として
とても優れていると理解して、
しんどいときこそ、
練習してみる。

Don’t:
瞑想なんて、
しんどいときに、
役に立たないと速断して、
自分の人生から
切り捨ててしまう。

いかがでしたでしょうか?
同じ悩みをお持ちの方は、
ぜひ一度、お問い合わせください。