マイナス思考への対処法③:結論を急ぐ/結論を出したくない思考とは?
さて、
マイナス思考から脱出するための、
認知リテラシー、その3回目です。
今回は、
いろんなマイナス思考を、
認知リテラシーの観点から
整理してみましょう。
前回は、こちら↓
マイナス思考への対処法②:「ヘルシー思考」とは?
そこでは、
ヒトの四つの機能を
縦に並べた、基本シェーマと、
ゴールの設定から結論に至る、
基本セット、などを見てきましたね。
・・・
さて、
認知行動療法で
いろいろでてくる
マイナス思考ですが、
正直、小椋としては、
その整理の仕方は、
わかりにくい…
と以前より感じてました。
いちおう、
編集後記に、
教科書的に、
まとめておきした。
これらは、結局、
基本セットの
「判断」の部分を、
ヘルシー思考に比べると、
ものすごく雜に、
悪い意味で、超・省エネで
通過している、
ということなんです。
もう少し、詳しく見ると、
例えば、
・全か無か思考、
・行きすぎた一般化、
・拡大解釈・過小解釈、
・結論の飛躍、
などは、いずれも、
情報収集→判断、
このプロセスが、
ものすごく、一方的、
なんです。
また、
・べき思考、
これは、
基本シェーマの「信じる」が、
基本セットの「判断」を直撃して、
「情報収集」に
何が集まっていようが
おかまいなしに、
「信じる」に左右された
結論を出す、ということ。
そして、
・感情の理由づけ
これも、同じ。
基本シェーマの「感じる」が
基本セットの「判断」を直撃して、
影響を与えた結果。
このように整理した方が、
わかりやすいと思いますし、
対策が、立てやすいですね。
※具体的な対策は、
このシリーズの後半でお伝えします。
・・・
ここで、
ふつうの認知行動療法では
でてこない、
別の観点からの、
マイナス思考の整理の仕方も
ご紹介します。
ふつうの認知行動療法では、
にっちもさっちもいかない、
強烈なマイナス思考の方、
たくさん、お会いしてきた中で、
小椋が見いだした、
整理の仕方です。
マイナス思考を、
大きく、二つに分けます。
①:結論を急ぐタイプ
②:結論を出したくないタイプ
これ、どういうこと?
まず、①。
これは、
結論がでていない、
あいまいな状態に
いろんな事情で、
耐えられない、
だから、結論を急ぐ、
というタイプです。
マイナス思考は、
結論がすぐ出ますから、
メリットがあるわけです。
いろんな事情とは、
一つは、
うつ病など、
健康を害した状態で、
ヘルシー思考を実践するだけの、
エネルギーがない場合。
もう一つは、
もともと、その人の特性として、
あいまいな状態に
耐えられない場合。
これも、
対策につながりやすい
整理の仕方と思います。
対策は、
エネルギーを回復させるか、
特性を修正していくか、
ということになります。
・・・
もう一つ、
②は、どういうこと?
このタイプは、
認知行動療法が
すごく効かないですね。
いま、
自分が直面している課題に、
ある種の結論がでると、
それが、すごくしんどい。
その結論が、自分の
「信じる」や「感じる」に
大きなダメージを与えてしまう、
その予感が、強くある。
それをカムフラージュするために、
本来の課題とは少しズレた
ゴールの設定をして、
あるいは、そもそも
ゴールの設定をパスして、
適当なマイナス思考で、
基本セットをやりすごす。
確かに、マイナス思考の
しんどさは、あるが、
最悪の結論に直面するよりは、
マシ。
マイナス思考が、
その結論を隠蔽している
とも言えます。
これも、マイナス思考の
メリットと言えます。
これが②、ですね。
この場合の対策は、
マイナス思考を修正する、
それ以前に、
ゴールの設定を、
修正する、ということ。
無意識に避けている、
本来、考えるべきことを、
考えるように促す、
ということになります。
・・・
この②については、
イメージがわくように、
ちょっとした例を挙げます。
夫のDVが続く女性、Nさん。
夫のDVは、全部自分が悪いからだ、
というマイナス思考が強烈。
どんなに、
自分は悪くない、という
材料を一緒に情報収集しても、
マイナス思考は変わらず。
この場合、
認知リテラシー的には、
Nさんには、自覚なく、
次のようなことが、
起きている可能性があります。
夫も悪い、という情報を
受け入れたとすると、
ものすごく強い、
怒りの感情がでてくる、
それが、こわい。
その場合、
夫婦円満でなくてはならない、
という自分の価値観(「信じる」)が
崩れてしまう、
それが、こわい。
だから、
離婚すべきかどうか、
などというテーマを、
ゴールの設定に、
断じて、乗せてはいけない…
これら、すべてを、
マイナス思考で、
ふたをしている。
・・・
さて、
まとめましょう。
マイナス思考で困った時、
Do:
マイナス思考を、
スタンダードな
認知行動療法とは別の、
認知リテラシーの整理法から、
見直してみる。
Don’t:
認知行動療法の
マイナス思考(自動思考)の
種類を覚えて、
それを自分にあてはめる、
それだけに終始する。
(前回と同じ)
<編集後記>
認知行動療法ででてくる、
マイナス思考は、以下。
【全か無か思考】
物事をすべて白か黒かで
認識し、結論を出す。
【べき思考】
状況に関係なく、
〜すべき、と結論づける。
【行きすぎた一般化】
限られた根拠から
極端に一般化された結論を出す。
【拡大解釈・過小解釈】
実際よりも、
悪いことを過大に、
よいことを過小に判断し、
結論を出す。
【感情の理由づけ】
感情のみを根拠に、
結論を出す。
【結論の飛躍】
他人のしぐさなどから、
その理由を確認することなく、
否定的な結論を出す。
いかがでしたでしょうか?
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