習慣を変えるには:選択と集中
今回は、
「習慣を変える」シリーズの
4回目です。
チャートとは、
「5|8|7|
|4|9|6|
|2|1|3」
1:からだ 2:性 3:お金
4:感情 5:感覚 6:イメージ
7:ことば 8:信じていること
9 変えたい習慣(症状)、
でしたね。
ダウンロードは ★こちら
今回のポイントは、
「選択と集中」です。
ビジネス用語ですが、
ビジネスに限らず、
目標達成のための戦略として
とても有用です。
基本的な解説はこちら
http://bmanner.com/economy-words/page/manner249.html
平たく言うと、
手をひろげすぎずに、
ここぞという部分を
しっかり選び、そこに
エネルギーを注ぐ、
ということです。
では、実際のケースです。
40代の男性教員。
ここ5年来、躁うつ病で苦しみ、
3回目の休職中。
リハビリ勤務の途中で、
不安とあせりがひどくなり、
出勤できず、退職に。
この時点でのチャートは
以下です。
9は、「感情がない」。
例えば、周囲が談笑していても、
楽しいという感情がわかない。
その苦痛。
いわば、「感情メーター」が
ゼロか、オーバーフローしかない、
そんな感じ。
気分障害との関連も深い、
失感情という症状ですね。
1は、既にやりつくしている。
内服の調整も、
活動記録表での行動の管理も。
内科の病気はない。
2は、奥様への
病状説明を繰り返した結果、
治療への協力は良好(今は!)
3は、しばらくは貯金がある。
半年程度なら、治療に専念はできる。
4は、まさに、9。
5は、抑うつ状態のだるさ。
退職による絶望は、ない。
ある意味、
やるだけのことは、やった
そのサッパリ感が強い。
また、
「感情がない」という苦痛。
6は、「感情がない、が克服できたら、
仕事、やっていけると思う」。
このセルフイメージは重要。
担当医としても同じ認識でした。
まさに、「選択と集中」の
準備ができている、と言えます。
7は、十二分に、
心理教育(疾患の勉強)はやってきた。
「(先生は)そう言うと思ってました」
が最近は口癖になるほど。
同時に、「感情がない」という言葉。
これは、後述しますが、問題です。
この認知自体が、
感情を感受しにくくさせています。
8は、担当医への絶大な信頼。
(小椋が自分で言うのも妙だが)
ここ数年の、かなり激しい病状に
二人三脚でやってきた、
そして、復職目前まで、
体調をもってくることができた、
その経過全体から
生まれたもののようです。
・・・
このチャート全体を見渡すと、
4以外のエリアで、
さんざん、とりくんできた結果、
4が残り、9となった、
と言えます。
「感情がない」という苦痛は、
以前よりありましたが、
これ以外のテーマが、
常に9を占めてきました。
妻との確執もあった・・・
活動記録表の意味が
自覚できないこともあった・・・
リハビリがうまくいかず、
不安で気が狂いそうになる、
そんなこともあった・・・
が、その都度、外来で、
「選択と集中」を繰り返し、
エリアを一つ一つ、
「つぶしてきた」と言えます。
この状況で、
50分枠のカウンセリングを、
瑞枝カウンセリングオフィスで開始。
宿題は「感情の記録」。
教材は「感情の一覧表」。
(興味のある方はお問い合わせ下さい)
当然、「感情がない」
という記録が最初は続くが、
「感情がない」と思った時の、
感情は?と、
禅問答のようなやりとりを続け、
「これだけリハビリを続けても、
まだ、感情がない、という落胆」など、
わずかだが、4の成分を、
感受する繊細さが、回復してゆきました。
本人が、その変化を自覚できると、
リハビリは加速します。
感情への注目の仕方、
そのコツ、がわかってくる。
「自分には感情がない」、
その思い込みが
どれだけ邪魔をしていたか、
それもわかってくる。
「感情メーター」ができると、
感情(4)というチャンネルから
流れ込むエネルギーを
行動(1)というチャンネルに
流すことができるようになり、
抑うつ状態が
回避できるようになる。
例えば、
感情を「表現する」、
とか、
自分にとって不快な状況を「回避する」、
とか。
6ヶ月のカウンセリングを終え、
「感情がない」と彼は
もはや言うことはなくなりました。
後半には、教職で復帰するための
リハビリのデザインにも取り組み、
無事、教職に再就職することに成功。
現在、再発なく、
安定して勤務を続けています。
・・・
さて、
習慣を変えたいと思ったとき、
Do:
そこに介入すれば
もっとも効果があがると
推測される、
特定のエリアを選択し、
そこに集中する。
Don’t:
特定のエリアをしぼれず、
取り組むためのエネルギーが
分散してしまう。
いかがでしたでしょうか?
同じ悩みをお持ちの方は、
ぜひ一度、お問い合わせください。