2020/01/26
コツコツやるためのコツとは(その8):ハードルの下げ方
さて、今回は
コツコツ療養に取り組むための
ヒントをお伝えするシリーズ、
その最終回です。
前回は、こちら↓
標的症状の改善を
じょうずに評価していくためには、
量の観点と、
質の観点とを
うまく使い分けることを
お伝えしました。
例えば、
読書の集中力の改善を
追っかけていく場合、
最初から文庫本でチャレンジすると
しんどい。
大型本という、
質的に、ハードルの低い設定で
開始すると、
やりやすい。
言われてみれば、
そりゃそうだ、という
コロンブスの卵ですが、
意外に、
一人で格闘していると
気がつかないものです。
これ、他の疾患でも
役に立つコツです。
具体的に、見て行きましょう。
・・・
<パニック障害>
パニック発作が起きそうな状況、
それが例えば、急行列車であったなら、
まずはハードルの低い普通列車で
チャレンジしていくわけですが、
それでも、
ハードルが高い場合、どうする?
誰かと同伴で、やってみる、
という手があります。
そもそも、一人でやる、
というハードルを
グッと下げるわけです。
・・・
<強迫性障害>
ガスの元栓の確認行為に
ひどく時間がかかる、これ
なんとかしたいが、
確認回数の上限を決めても
ぜったい、
それ以上、やってしまう。
ハードルを下げるためには、
A:確認した時、写メをとって
よいことにする。
開きなおって、逆にしっかり
確認する、ということ。
あるいは、
B:そもそも、別の、
もっとこだわりの少ない
確認行為に、
標的を再設定する。
一旦、手強い主訴は、
後回しにする、
ということですね。
・・・
<ADHD>
一人でどんなに工夫しても
部屋がグチャグチャ。
そこを、
訪問看護やヘルパーを利用して、
スタッフと一緒にやってみる。
これも、一人で
悪戦苦闘しない、
というコツになります。
・・・
<統合失調症や自閉症スペクトラム障害>
雑談が苦手。
昼休み、3〜4人で
ご飯を食べる時、
どんなに工夫しても、
話に入っていけない。
そんな時、まず、
同じ悩みの当事者の方と、
事情のわかっているスタッフが
同じ輪の中にいる、
フリートークの場を
練習の時間にしてみる。
<過食症>
ぜったい、菓子パン
5個までにしようとしても、
それ以上、食べてしまう。
ポテチも、カップ麺も。
そんな時、量で
コントロールできないなら、
まず、質で、
コントロールを試みる。
過食してよい食材の種類を
設定する。
その食材に関しては、
食べる量に制限は設けないが、
その食材以外は、
食べないようにする。
・・・
さて、
いかがでしょうか?
8回にわたったシリーズも
おしまいです。
最後に、もう一度、
マイクロリハビリのチェック項目を
4つ、再掲します。
1:リハビリでやることの
ハードルを下げること。
2:やったことによる変化を
どんなにわずかであっても
しっかり認知すること。
3:あせらないこと。
4:ハードルの低いリハビリが、
次のステップにつながることが、
信じられること。
・・・
今回は、
2のために、
いかに、1をするか、
つまり、
リハビリの質的ハードルを
下げるか、
という話題になっていたわけです。
・・・
コツコツ
療養に取り組むことが
難しい時、
Do:
潔く、
リハビリのハードルを下げる。
Don’t:
直接的な主訴の改善に
こだわり続ける。
いかがでしたでしょうか?
同じ悩みをお持ちの方は、
ぜひ一度、お問い合わせください。