2020/11/09
エナジー・バウンダリー入門⑤:ダメージを与える体験とは?
さて、今回も、
エナジー・バウンダリーのテーマが
続きます。
前回は、こちら↓
ワーカホリック症候群の紹介と、
エナジー・バウンダリーがダメージを受けると
身体疾患も発症する場合があるよ、
というお話でした。
今回は、いよいよ、
何が、エナジー・バウンダリーに
ダメージを与えるのか、
具体的に、お伝えします。
・・・
その際には、
ヒトの4つの機能、という、
このメルマガの読者の方には
おなじみの整理の仕方が、
便利です。
なじみのない方は、こちら↓
その4つとは、
信じる、
考える、
感じる、
動く、
この4つでした。
この4つの機能に
破壊的に作用する体験が、
エナジー・バウンダリーに
ダメージを与えるわけです。
一つずつ、
見ていきましょう。
・・・
まず、「信じる」。
シンディが挙げているのは、
・ものすごい辱(はずかし)めを受ける
・自分の価値を否定される
・自分の無力を思い知らされる
・自分に罪悪感を抱かせる、
そのような体験が、
「信じる」にダメージを与えます。
いわば、その結果、
自分が信じられなくなる、
とも言えます。
典型は、
学校でのいじめや、
いつも否定から入る両親の養育態度、
などです。
この場合、たいてい、
「こうなるのは自分が悪いからだ」という
悲しいマイナス思考がつきもので、
罪悪感まみれになります。
また、
職場での昇進試験を、
自分だけ、落ち続ける、
などの体験も、
同様のダメージになります。
また、
周囲には悟られないけれど、
自分の中で、
あ、いま、こころが折れた、
とわかる瞬間、
皆さん、経験、
あるかと思います。
その時、
「信じる」が、やられています。
ケアをして、復活させないと
エナジー・バウンダリーに
ダメージが残ることになります。
・・・
次は、「考える」。
この点について、
シンディはコメントしていませんが、
小椋が補足します。
典型は、
ダブルバインド、
でしょうね。
相手から、
矛盾したメッセージが出され続けて
ものすごいストレスとなる体験です。
例えば、
好きな物を買っていいよ、と親に言われて、
好きな物を取ってくると、
こんなものダメでしょ!と、拒否される。
または、
いつでも質問していいよ、と上司に言われて、
実際に質問をすると、
なんでこんなこともわからないんだ!と、
叱責される。
このような体験は、
「考える」を破壊していきます。
認知リテラシーに沿って、
どんなに、
情報を収集し、判断し、
結論を実行しても、
それが、毎回、
うまく噛み合わないわけですから。
疑い深くなったり、
何をしてもダメだという認知になったり、
「考える」の機能のダメージが
わかりやすく
出てくる場合もありますが、
エナジー・バウンダリーに
静かにダメージが蓄積されていく場合も、
あります。
・・・
そして、「感じる」。
これは、ズバリ、
自分の感情を
相手に受け止めてもらえない体験、
ですね。
わかりやすい例として、
カサンドラ症候群って、
ご存知ですか?
正確な医学用語ではない俗称ですが、
発達障害の特性をもったパートナーとの
コミュニケーションのストレスで、
いろいろな身体症状、精神症状を
来してしまう、という状況を言います。
そのストレスの中心の一つが、
まさに、
感情を受け止めてもらえない、
というストレスなのです。
もちろん、
カサンドラ症候群以外にも、
両親が共働きで、
いつもメモが置いてあるだけ、
とか、
早くにお母さんを亡くしてしまい、
無口なお父さんとの生活が続いた、
とか・・・。
これらの体験は、
「感じる」を破壊していきます。
感じても伝わらないので、
イライラが蓄積され、
さまざまな症状として
そのイライラを処理していくか、
感じても、意味がない、
感じない方が、楽、となって
何も感じなくなっていくか・・・。
・・・
最後は、「動く」。
この場合は、
自分の肉体に対する、
物理的なダメージになります。
交通事故や、怪我、
からだの病気なども、
このダメージに含まれます。
自分では、
それほど、メンタルに
ダメージはなかったよな、
と思っている体験でも、
ストロー症候群などが、
その事故以来、出てきているなら、
関連を、
疑った方がよいでしょう。
そして、暴行や、
食べ物を与えられないなどの
育児放棄、
貧困によって十分な衣食住が
与えられない、
などの体験も、
ここに含まれます。
特に、
性的暴行のダメージは、
甚大です。
「動く」だけではなく、
「信じる」も破壊されます。
特に、
加害者がパートナーであった場合、
そして、
その体験を誰にも語れない場合、
「考える」も
「感じる」も、
一層、やられてしまいます。
・・・
このような、
エナジー・バウンダリーに
ダメージを与える体験は、
PTSDの症状を
引き起こしていなくても、
ストロー症候群、スポンジ症候群、
ワーカホリック症候群、
そして身体疾患などを
引き起こしている場合、
広い意味での「トラウマ」として、
ケアの対象とした方がよい、
という提案を、
しているわけです。
・・・
ちょっとしたことでも
影響を受けやすくて
困っている時、
Do:
自分のエナジー・バウンダリーに
ダメージを与えた可能性のある体験について
振り返ってみる。
Don’t:
影響を受けやすい自分は
何をやっても変わらないと
あきらめる。
次回、以降は、
どうやったらエナジー・バウンダリーを
修復できるのか、
取り組んでみましょう。
いかがでしたでしょうか?
同じ悩みをお持ちの方は、
ぜひ一度、お問い合わせください。