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2021/01/25

HSPとは何か①:HSPとはPSMの一種である



さて、今回から、
新シリーズが始まります。

HSPって、
どこかで聞かれたこと、
ありますか?

Highly Sensitive Person
ハイリー・センシティブ・パーソン
の略で、

生まれつき、
感覚の刺激に敏感な人、
という意味で使われています。

2〜3年前ぐらいから、
まれに、患者さんから
HSPについて質問されることは
ありましたが、

最近、がぜん、
多くなりました。

多分、
NHKのハートネットTVで
HSPの特集が組まれたり、

HSPを公表する芸能人の方の
話題などを通じて、

急激に社会的認知が
すすんだのでしょう。

・・・

でも、診察で、
私って、HPSですよね?
とか、
HSPだとわかったんです、
などと、お話をうかがうと、

正直、かなり、
返答に困ります。

その原因は、
三つあります。

一つは、そもそも、
HSPという用語の意味が、
研究途上ということもあり、
雑多で、
あいまいすぎること

もう一つは、その結果、
その方が、HSPという用語で
何を伝えようとしているのか、
しっかり確認しないと、
なんとも、お返事できないこと。

三つ目は、
その方にとって、
自分をHSPと認識することの、
メリットとデメリットが、
かなり複雑に
からまっていること。

これ、
ちゃんと確認して
お応えしようとすると、
初診の40分ぐらい、必要です(苦笑)。

なので、
そうなんですね・・・と、
お茶を濁すしか
できなくなっています。

・・・

その一方で、
HSPという用語や、
そのような考え方は、

メンタルヘルスの未来にとって、
とても重要な意義を持っている、
と小椋は考えています。

なぜかと言うと、
HSPは、

当院が提唱している、
PSMという用語や
考え方と、
とても似ているからです。
※PSMの意味については、こちら↓

もっと言うと、
HSPとは、

PSMの中で、
精神疾患の診断基準を満たさないが、
社会の中で生きにくさを感じている、
そのような一群の中の、
一つの典型である

ということになります。

HSPは、
PSMの中の、一つ、
ということですね。

人の、4つの機能、
信じる、考える、
感じる、動く、の中で、

感じる、の機能の
感度が高い・・・。
周囲より高すぎて、
社会の中で困る人たち、
ということになります。

まさに、
その点において、
心身の反応が多数派と異なる、
少数派、ということです。

・・・

そう、考えると、
HSP以外にも、

人の4つの機能の中で、
特定の機能が、
多数派と大きく異なるため、

精神疾患の診断基準を満たさないが、
社会の中で生きにくさを感じている、
そんな一群の人々は、

いろいろ、あるだろうな、
と想像できますよね。

例えば、
信じる、の機能の
感度が高い・・・。
周囲より高すぎて、
社会の中で困る人たち・・・、

映画『ヒア・アフター』のジョージ、
映画『シックス・センス』のコールなど、
死者とコンタクトをとることができる
スピリチュアルな能力が高いと、
かなり、社会の中での
立場がキツいです。

仮に、
霊能者の一群
と呼んでおきましょう。

・・・

HSPは、最近、急激に
学術論文が増えてきています。

HSPの脳内の反応や、
遺伝子レベルでの特性や、
動物におけるHSPの研究や、
人類の進化における意義、
などなど。

霊能者の一群だって、
同様の研究がすすめば、
ハイリー・???・パーソンとして、
学術的呼称が、
誕生するかもしれません。
(あるいは、既に存在しているかも?)

・・・

つまり、整理すると、
こういうことです。

PSMの中には、
・精神症状をお持ちの方、
・HSPの方、
・今後、ハイリー・???・パーソンと
呼ばれる可能性のある、いろいろな方、
が、含まれる。

精神症状をお持ちの方を、
精神疾患を持つ
精神障害者と判定するのは、
社会の都合である。
※このあたりの詳しい説明は、こちら↓

HSPの研究は、このような
PSMという考え方を
持たないまま、
開始されてしまったので、

精神症状をお持ちの方や、
他の、ハイリー・???・パーソンの方たちとの、
境界線に無自覚すぎて、

HSPの定義が、
あいまいになっている。

しかし、
HSPの研究は、
一過性ではなく、続くだろう。

人類の、ある特性について、
真実には、触れているから。

その研究の途上で、
PSMという考え方が、
整理に必要だと、
気づかれるだろう。

そうすると、
PSMという考え方が広まり、
精神障害者のスティグマも
緩和するだろう。

・・・

このような観点から、
このシリーズでは、
そこそこ、徹底的に、
HSPについて、
整理していきます。

このシリーズに
お付き合い頂いた後なら、

診察で、
スッと、HSP関連のお尋ねに
お応えできると思います(苦笑)。

・・・

HSPが気になる時、

Do: 
HSPは、
PSMの一つの典型であると
理解する。

Don’t: 
HSPを
一過性のブームとして
片付けてしまう。

いかがでしたでしょうか?
同じ悩みをお持ちの方は、 
ぜひ一度、お問い合わせください。