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2021/06/07

PSMのための雑談との付き合い方③:雑談の「世間話タイプ」とは?



さて、
雑談についてのシリーズ、
今回は、3回目になります。

前回は、こちら↓

そこでは、雑談とは何か、
その定義をお伝えしました。
※上記のアイキャッチ画像に
定義をまとめています。

そして、雑談とは呼ばないもの、
例えば、会議や、講義、
一方的なグチ・自慢話や
カウンセリング、

それらの要素が入ると、
雑談が苦痛になる場合がある、
という点も見てきました。

そして今回は、予告通り、

そのような雑談が、
社会の中で、
どのような役割を担っているのか、

この点について
整理して行きましょう。

実は、
この役割をクリアに知ることは、
雑談と付き合っていく上で、
むちゃくちゃ、重要です。

なぜなら、
雑談が苦手とは、
取りも直さず、

雑談の中で、
その雑談が持つ社会的な役割に
貢献する能力が、
自分に乏しい、

ということを
意味するからです。

別の言い方をすると、
そこに、まさに、
雑談が苦手な、原因がある、
ということになります。

・・・

ここで、すかさず
補足すると、

雑談が持つ社会的な役割は、
それ自体、
善でも悪でもありませんし、

そこに貢献できないからといって、
人としての価値が低下する、
という話にも
なりません。

ただ、
苦手な雑談をなんとか
したいなら、

ここから目を逸らすことは
難しいでしょう。

・・・

そんな、雑談の、
社会の中での役割には、
大きく分けて、4つある、
と小椋は考えます。

まずは、列挙してみます。

1:世間を維持する役割
2:相手へのおもてなしの役割
3:ブレーンストーミングとしての役割
4:ストレスのはけ口としての役割

それぞれ、
イメージがわくためには
説明が必要ですね。

今回は、まず、
1:世間を維持する役割

これについて、
見ていきましょう。

また、今後、説明のために、
このシリーズの初回で、
Aさん、Bさん、Cさん、として
ご紹介した例について、
引き合いに出す場面、
多くなります。

思い出しやすくするために、

Aさんを、前田さん
(積極的に雑談に参加したい、
「前のめり」だから)

Bさんを、引田さん
(雑談から「身を引きたい」から)

Cさんを、日和(ひより)さん
(参加するかしないか、
「日和っている」から)

と、ネーミングしておきますね。

・・・

前置きが長くなりました。
本題に入りましょう。

1:世間を維持する役割

これって、具体的に、
何でしょうか?

それを知るためには、
「世間」についての、
復習が必要です。

実は、このメルマガでは、
既に扱っています、こちら↓。

一部、ちょっと長いですが
再掲しますね。

・・・

(世間を理解するための)
ポイントは、二つ。

一つは、
「(西欧の)社会」と比べて、
その範囲がかなり狭いこと。

同じ地域であったり、
親類縁者であったり、
同業であったり、

顔が見える範囲で、
お互いの利害関係が
複雑にからみあっている、
そのネットワークですね。

そして、もう一つは、
あいまいな基準で、
少数派が、強力に排除される、
そんなシステムになっている。

でも、メリットがあるから、
今の日本で、
ふつうに、存続しています。

そのメリットって、
何でしょうか?

世間とは、
その平穏を乱さなければ、
その人の生存が保証される、
そんなシステムであり、

そのようにして、
生存を確保しようと思う人には、
メリットがあるネットワークであり
システムなんです。

平穏を乱さない
という意味は、

その世間がもっている、
信じる、考える、感じる、動く、
それぞれのレベルでの
多数派のセンスを、
逆なでしない、
という意味ですね。

だから、
暴力を振るう、などの
わかりやすいレベルだけでなく、

体型や、
感情の表現の仕方や、
ものの考え方や、
人生観や宗教観など、
明確な基準はないものの、
逆なでするものがあれば、
排除…、となってしまいます。

(引用、ここまで)

・・・

引田さんの例は、まさに、
ご近所さん、という世間を
維持することにメリットを感じている
二軒隣のおばちゃんが、
(つまり多数派)

近所のあいさつ、というかたちの雑談で、
引田さん(世間と関わりたくない、
つまり少数派)を、

世間のセンスに抵触する人かどうか、
無自覚に、チェックしている、
という状況なのです。

期待される反応が得られたなら、
おばちゃんは、
「今日も世間は平穏だ」と
無自覚に、安堵し、

予想外の反応の場合だと、
「・・・変な人!」と
無自覚に、頭の中の「変な人リスト」の中に
引田さんを登録し、

次の、おばちゃん仲間の
井戸端会議で、話題に出す、
という流れに(例えば)なるのです。

もちろん、この井戸端会議
世間を維持する役割を持った、
典型的な雑談です。

参加者が、お互いに、
気になる話題を、繰り出してくる。

ワイドショーの芸能人の
好感度ランキングなどの話題の後に、

おばちゃんが、
引田さんの様子について、
ちょっと、不安げに、紹介する。

参加者のそれぞれが、
最近の若い人はそんなもんよ〜とか、
でも、ちょっと気をつけたほうがいいかもよ、
などなど、
微妙な「穏やかな情緒」を共有しあって、
散会する。

この、井戸端会議の雑談も、
雑談の定義に、ドンピシャです。

そして、
地域社会、という「世間」が
維持される、そのまさに現場に、
雑談が、中心的な役割を
果たしています。

このタイプの雑談を、
このシリーズでは、
世間話タイプ、と呼びましょう。

・・・

だから、
このタイプの雑談は、
世間の出現するところ、
どこでも、発生してきます。

親族が集まる法要。

昼食時の社員食堂。

同業が集まる組合の会合、
その前後の立ち話。

ちょっとした、挨拶から、
そこそこ、話し込むまで、
まさに、自在に、
発生してきます。

・・・

この、
世間話タイプの雑談が得意だ、
というPSMの方は、
ほとんど、いないでしょう(苦笑)。

この雑談と、
どう付き合うのか。

その最大のヒントが、
多数派が
どのような反応を求めているのか、
どのような反応に不快を示すのか、

それを熟知する、
そこから、出発するしか
ありません。

まさに、
傾向と対策、
ということになります(苦笑)。

そして、今回は、
傾向を検討する前提として、
そもそも、
相手が、何なのか、
それを確認したわけです。

このシリーズの後半で、
具体的な傾向と対策を
検討しましょう。

・・・

次回は、
雑談の社会的役割の中の、

2:相手へのおもてなしの役割

これについて、
見ていきます。

・・・

雑談が苦手で困っている時、

Do: 
雑談の社会的役割には、
1:世間を維持する役割
2:相手へのおもてなしの役割
3:ブレーンストーミングとしての役割
4:ストレスのはけ口としての役割
があると知る。

Don’t: 
雑談の場が、
自分に求めている役割を
知らないまま、
雑談で傷つき続ける。

いかがでしたでしょうか?
同じ悩みをお持ちの方は、 
ぜひ一度、お問い合わせください。