うつ病の治し方:許せない気持ちの整理法
うつ病でも、躁うつ病でも、
統合失調症でも、PTSDでも、
病状が長引く場合、
解消されない怒り(恨み)が
くすぶり続けていること、
とても多いです。
(絶対に許せない・・・等)
そして、長引くと、
そもそも、何に怒っていたのか、
それによる、
自分のダメージがどの程度なのか、
わけがわからなくなることも、
とても多いです。
あなたには、
あの人だけは、絶対に
許せない・・・
という人、いますか?
今回は、
そんな怒りの整理の仕方を、
考えてみましょう。
(その意味では、前回の続きです)
そこで、
習慣収支マンダラチャートが
有効です。
こちら↓
習慣を変えるには:行動を変えるだけではダメな理由
習慣を変えるには:マンダラチャートを活用しよう
再掲すると、
「5|8|7|
|4|9|6|
|2|1|3」 でした。
1 からだ
2 性(的関係を含む対人関係)
3 お金
4 感情
5 感覚
6 イメージ
7 ことば
8 信じていること
9 変えたい習慣(症状)
213が「動く」、
45が「感じる」、
67が「考える」、
上の8が「信じる」、でした。
※読者の方やスタッフから
チャートが有効だったとの
フィードバック、頂いております。
ありがとうございます。
今回は、9が
○○が許せない、となります。
「怒りという感情は、
何かが傷ついた状況で、
そのダメージを広げないための、
防御と攻撃のエネルギー」でした。
(前回より引用)
だから、
チャートの書き込み方としては、
1〜8について、
・何が傷ついたのか(一次ダメージ)
・その結果の変化(二次ダメージ)
が整理できると、よいでしょう。
以下に、参考として、
架空の例で、
チャートを埋めてみましょう。
42歳、女性。うつ病。
9は、
家庭内暴力を続けた
元夫への怒り。
<1 からだ>
蹴られて、
手の骨にヒビが入った。
その痕を見るたびに、
こころが、うずく。
<2 性・対人関係>
望まない性交渉が続いた。
離婚後も、
誰とも性交渉ができなくなった。
<3 お金>
パートで働いたお金も
全部、夫のパチンコに消えた。
今後は、絶対、
自分のためにしか働かないと決めた。
<4 感情>
お互いを尊重しあっての
協議離婚だったはず。
しかし離婚後、
夫が浮気をしていたことが発覚。
なんとか夫を愛そうと
努力してきた、
それが全部、裏切られた。
引き取った娘に、
些細なことでやつあたりしてしまう。
<5 感覚>
小さい頃から父に怒鳴られ続け、
大人になっても、誰の大声であっても
ふるえてしまう。
それが、一層、ひどくなった。
<6 イメージ>
結婚前の職場では、
才色兼備のエリート社員。
寿退社でバラ色の新婚生活・・
そのセルフイメージが
地に落ちた。
<7 ことば>
母に、小さい頃から
「おまえ何もロクにできないね」
と言われ続け、
そんなことはないと憤り続けた。
だから、学校も、会社も
がんばった。
でも、同じこと、
夫に言われ続けた・・
結婚生活が失敗して、
いま、自分に全く自信がない。
夫から
「すまなかった」の
一言もなかった。
<8 信じていること>
努力すれば、なんとかなると、
思ってやってきた。
それをぶち壊したのが、
元夫。
うーむ。
どんどん、書いていくと、
どんどん、暗くなりますね。
でも、一回は、
膿、出さないと、
その毒が、どんどん、
心身に、回っていきます。
以下に、補足します。
やってみるとわかりますが、
ある一つのエピソードによるダメージは、
決して、1〜8のどこかにだけ、
限定されている、ということは、
ないです。
限定されていれば、
そこまで、ダメージは長引きませんね。
チャートを埋めながら、
「ここのダメージが、
ここに影響して・・・」と、
いっぱい、
線を引きたくなると思います。
それが、大切です。
ダメージの実情の把握です。
また、それが、そのまま、
対策を考える、
作戦地図になります。
例えば、
「すまなかった」、
その一言さえあれば、
この地図がかわりそうだ。
それが、わかれば、
その一言をもぎ取る段取りが、
一番、有効な対策となる場合、
あります。
この苦しみを、
相手にわからせたい。
言語コミュニケーションの問題だ、
ということです。
実際、小椋は、
ある父子の骨肉の争いを、
裁判の場に移し、
そこを、
父子のコミュニケーション不全の、
解消の場とする、
という段取りをやったことあります。
でも、
相手が他界している、
あるいは
住所がわからない、など、
現実的に接点がとれない場合、
別の作戦が必要ですね。
このように、
一回、全体像を
見渡してみると、
一つ一つ、つぶしていくように、
対策を考えること、
できるようになります。
さて、
絶対に許せない・・
そんな怒りが続く時、
Do:
まず、チャートで整理する。
Don’t:
こんがらがったまま、
怒り続ける。
いかがでしたでしょうか?
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