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2017/06/15

睡眠とリラックスのための呼吸法:「安心できる場所」の大切さ


さて、今回こそは、
予告通りに、
呼吸法の段取りを、進めましょう。

まず、そもそもの確認です。
前回までは、こちら↓
睡眠とリラックスのための呼吸法:チャンネルへの選択的注意
睡眠とリラックスのための呼吸法:腹式呼吸の自律神経への効果
睡眠とリラックスのための呼吸法:大自然との回路を取り戻そう

その呼吸法は、

1 腹式呼吸
・仰向け、または座って。胸とお腹に手をあてて。
・だんだん胸よりお腹がふくらむように。
2 イメージ
・いちばん安心できる場所を思い描いて。
3 調息
・鼻から吸って、口から吐いて。
(慣れたら鼻から吐いて)
・3秒で吸う、2秒ためる、10秒で静かに吐く。
(慣れたら15秒で吐く)
・6セット繰り返す。
4 イメージ(の一例)
・吸う:いま、ここにいる自分が満ちてくる、嵐の中でも大丈夫。
・ためる:嵐もとまる。鼓動が聞こえる。
・吐く:嵐が遠のいていく。
5  日課
・起きて1回、午後に向けて1回、寝る前に1回。
・しんどいときの対処法として、使えるように練習する。

でした。

今回は、やっと、2です。
(とほほ)

では、いきましょう。

あなたにとって、
一番、安心できる場所って、
どこですか?

いま、現実にある場所でもいいし、
過去にはあった、でもよい。
空想の場所でもOK。

場所、でなく、
何か特定の状況、でも大丈夫。

パッと、出てきますか?

PSMの方は、
ペットとの状況が、
割と多い印象です。

愛犬と添い寝している時。
ネコとこたつに入っている時。
など。

自分が安心できる状況を
イメージできる、
これって、
PSMの方の療養生活に、
途方もなく、重要です。

小椋はつねづね、
PSMの方の安心感を、
劇的に上げる筋肉注射があれば、
すべてのメンタル不調は、
半分以上は楽になる、
とマジで思ってます。

安心感がない状況では、
どんなに一日中寝ていても、
脳が休息できませんから。

ところが、
そんな注射はないし、

安心感から遠ざかって久しいため、
安心できる場所なんて、
イメージすらできない、
というPSMの方も多い。

だからこそ、
まずは、イメージできるように
なりましょうよ。

なんとかイメージできる方は、
それをどんどん、
療養生活に活かしましょう。
(今回の呼吸法のように)

そもそも、
安心感って、
なんなんでしょうね?

安心できる場所をイメージする
ヒントになればと思い、
以下、記します
(長文になりそうです)

安心感は、
第26号で紹介した
ヒトの持つ4つの機能、
で言うと、
信じる」という機能の影響が
大きいです。
詳しくは、こちら↓
習慣を変えるには:行動を変えるだけではダメな理由

他の機能、
「考える、感じる、動く」が、
一見、問題ない方でも、
何かを安定して
信じることができないと、
安心感から遠い生活となります。

コミュニケーショも上手く、
イメージも豊かで、
気持ちも生き生きと動き、
体に痛みも病気もなく、
対人関係も仕事もうまく行き、
お金にも結婚にも
困ったことなど一度もない
・・・
周囲からはそう見える人が、
実は、自室の本棚には、
宗教の本、占いの本、
自己啓発の本、偉人伝など、
多読、乱読の形跡がありありと
見える、という状況は、
大いにあり得ます。

一方、
「考える、感じる、動く」が
かなりしんどい状況の中でも、
信じるものがあり、
自分の中に安心感を失わず、
生き抜いているという方も、
同じくらい、あり得ます。

「きっと大丈夫」と
本気で自分に言える人、
ということですね。

何を信じることができると、
安心感を持てるのでしょうか?

つきつめると、
二つ、あります。
両方あれば、無敵です(笑)

一つは、
A 無条件に自分を愛してくれる存在。

もう一つは、
B 無条件に自分の進む方向を
指し示してくれる存在。

イメージにすると、

Aは、
どんなに失敗しても、
よしよしと抱っこしてくれる母、

Bは、
どんなに遭難しそうでも
大海の中で
方位を教えてくれる北極星

でしょうか。

もちろん、
イメージそのままの存在が、
常に生活にいてくれる、
ということは、稀ですね。

現実的には、

AやBに似た機能を持つ、
何ものかに触れて、
まず、それを信じる中で、

自分にとっての、
AやBを
探していく、

ということになります。

冒頭で、
ペットが安心、
というPSMの方の例を挙げましたが、
そこでは、
何が起きているのでしょうか?

いろんな解釈ができます。

ペットを
無条件にいとおしいと思う、
自分の感情のエネルギーが、
実は、Aと同じエネルギー。
そのエネルギーを自分の中に
呼び覚ますことで、
逆に、同時に、
自分自身が、癒される。

あるいは、

ペットと一緒に時間を過ごすと、
異なる種である、
ペットにも、自分にも
共通するもの、
体温、寝息、心臓の鼓動・・・
それが、リアルに感じられる。
ペットにも、自分にも、
無条件に与えられている、
このいのちの波動。
それを通じて、
Aを感じることができる。

このように理解して、
ペットとの時間をより丁寧に感じると
(まさに、選択的注意!)
その時間をイメージするとき、
安心感が、
パワーアップします。

「選択的注意」については詳しくは、こちら↓
睡眠とリラックスのための呼吸法:チャンネルへの選択的注意

Bでは、
どんなパターンがあるでしょうか。

PSMの方で多いのは、
書物やTVで知った
特定の人物、という場合でしょうか。

実際、いま、
小椋のサポートしている方で、
ある新書で知った、
比叡山の高僧の存在が、
Bとして機能している
(「しかけている」が正確だが)
という例があります。

あるいは芸術作品が
Bの機能を持つ場合があります。

人間の偉大と悲惨を描き切った、
文芸作品や映画、
あるいは、
ここまで神と音楽への愛を
表現し切れるものかと思える
バッハの楽曲、などなど。

B’zが大好きという
統合失調症の女性の方との診察では、
小椋はZEROが好き等、
話がもりあがると、
希死念慮はどこかに行ってしまいます。

思わず、理由のわからないまま
泣いてしまったことのある
作品は、
あなたにとって、
Bとして機能している可能性、
あります。
(もちろん、Aとしてもあり得る)

さて、長くなりました。
まとめましょう。

PSMの方の療養生活に、
「安心感」があることが、
とても重要。

まずは、
いちばん安心できる場所を
イメージできるようになるのが、
第一歩。

すでにできる方は、
そのイメージが
パワーアップするように、

まだそのイメージができない方は、
その手助けのために、

安心感について、
特に、
・「信じる」という機能との関連
・それが信じられると安心感が生まれる
二つの存在(AとB)
について、
お話しました。

結局、
呼吸法を練習する時、

Do:
「安心感」のある中で行い、
呼吸法をすることで、
その安心感が
一層、パワーアップするように
取り組む。

Don’t:
「安心感」のない中で行い、
呼吸法をすることで、
一層、不安になっていく。

さて、次回は、
まだイメージがしにくい、
という方を念頭に、
一緒に、具体的に
イメージを探していきましょう。
詳しくは、こちら↓
睡眠とリラックスのための呼吸法:「安心モード」を呼び出せ

安心、という言葉は
ピンとこなくても、
何かを、
「好きだ」とか、
「落ち着く」という感覚は、
お持ちだと思います。

どんな小さな感覚でもよいので、
次回までに、
探しておいてもらうと
より役に立つと思います。

いかがでしたでしょうか?
同じ悩みをお持ちの方は、
ぜひ一度、お問い合わせください。