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2017/06/15

睡眠とリラックスのための呼吸法:数字によるラベリング


今回は、
呼吸法の段取りの、

3 調息
・鼻から吸って、口から吐いて。
(慣れたら鼻から吐いて)
3秒で吸う、2秒ためる、10秒で静かに吐く。
(慣れたら15秒で吐く)
・6セット繰り返す。

です。

寝ても起きても、
勝手に、やっている呼吸。

あるいは、
ハアハア、ハアハアと
勝手に過呼吸にもなる、呼吸。

その呼吸を、
体験し直しましょう。

「鼻から吸う」。
そこに注意を向けると、
その時、
口輪筋(唇をすぼめる筋肉)が
静かに反応するのが、わかります。
(身体運動のチャンネル)

冷気が鼻を通過する時、
鼻の粘膜が、
低温の刺激を感知します。
(身体感覚のチャンネル)

慣れてくると、
喉の粘膜を通過する感覚、
気管の中にまで入っていく感覚が、
わかるようになります。

吐く時、
粘膜への低温の刺激が
ないことが、わかります。
体温で温められた呼気が、
出ていくからですね。
湿っているのも、わかります。
(身体感覚のチャンネル)

※読者の方の中に、
副鼻腔炎で鼻が詰まってるから
できない、という方がおられました。
末尾にコメントをつけました。
参考にしてくださいね。

注目するチャンネルを
はっきり自覚することで、
体験の質は、変わります。

次は、その呼吸を、
自分の意志で、
コントロールしてみましょう。

意識の中で、
数を、数えます。

1、2、3、と数えながら、
息を吸い切ります。
からだいっぱい、
新鮮な空気が、
満ちてきます。

1、2、と数えながら、
息を貯めます。

止める、
(窒息・・)
というイメージよりも、
自然に吐き出し始める、
次の瞬間を、
静かに、待っている、
というイメージです。

自分の意志で、
自分の呼吸を・・
自分のこころとからだを・・
コントロールする・・
コントロールできるんだ・・

そんな、
自信と決意に満ちた瞬間です。

そして、
1、2、3、4
5、6、7、8、
9、10と、
ゆっくり、ゆっくり、
吐いていきます。

意識の中で数える、
という行為は、
言語活動の一種です。

そして、言語活動は、
プロセス指向心理学では、
聴覚のチャンネルに分類されます。

あーだこーだと
ごちゃごちゃ考える、
頭の中の言語活動を、
数える、という活動に
集中することで、
一旦、リセットします。

本気で、
数えてください。

本当に、
症状の苦しみから
逃れたいなら、

あなたが、まず、
できることは、
自分がコントロールできる
自分の呼吸、
その中に、
逃げるしか、
ありません。

誰が、
何をしようと、
何を言おうと、
この、
あなたの呼吸を
奪うことは、
できません。

吐く息が細くなり、
もう、
吐く息がなくなる・・

その時、
ドクン、ドクンと
心臓の拍動を
感じることができます。
(身体感覚のチャンネル)

そして、
吐ききると、
自然に、
吸いたくなります。

ぐーっと押し込めた
ゴムボールが、
もう一度、
広がり始めるように。

あなたは、
生きているんです。

1、2、3、と
もう一度、
吸い始めます。

これが、
1セット。

これを
6セット、
繰り返します。

呼吸器系の、
身体運動と身体感覚、
それに、
数える、という
聴覚、
それだけに、
自分を落とし込みます。

視覚、
他の身体運動、身体感覚
そして、
他者との関係、
世界との関係、
それらは、一旦、
注意のターゲットから、
外します。

・・・

いかがでしょうか。

もちろん、
最初から、
すんなりとは、
いかないでしょう。

わかるような、
わからないような・・
が、
正直なところでしょう。

でも、
選択的注意†1を
繰り返し向けると、
その先に、
いままで感知することの
できなかった世界が、
少しずつ、
でも確実に、
広がり始めます。
†1:詳しくは、こちら↓
睡眠とリラックスのための呼吸法:チャンネルへの選択的注意

そして、
呼吸というメカニズムは、
自律神経系†2がコントロールしている
ヒトのメカニズムの中で、
唯一、
意志で上書きが可能な
回路なんです。
†2:詳しくは、こちら↓
筋肉痛が脳の休息を妨げる理由

心拍数や、体温、
消化管の運動や
睡眠覚醒リズムを、
意志の力だけでコントロールするのは、
難しいですよね。

また、なぜ、
3秒、2秒、10秒なんだ、
という疑問も
あるかもしれません。

これは、
呼吸法に限らず、
何か新しいスキルを身につける時に、
ないと不便な「型」に相当するものです。

本質的なものを会得した後なら、
その型を放棄するものよし。

しかし、その前の段階なら、
型を踏襲した方が、
早く上達します。

さて、まとめましょう。
呼吸法の段取りの、
3 調息を行う時、

Do:
呼吸器系の身体運動と身体感覚と
数えるという聴覚のチャンネルに
選択的注意を
向け続ける。

Don’t:
選択的注意を
何回か向けてみても
何も新たな発見がないため、
放棄する。

以下、補足です。

<鼻が詰まっている場合>
口から吸って、口で吐くしか
できないわけですが、
少しでも鼻を刺激する方法、
あります。

わさびがツンと鼻にくる感覚、
ありますよね。
あれは、鼻のトンネルが、
出口で、
口の中につながっていて、
口の中のわさびの刺激が、
いわば「逆流」するからなんです。

口で吸った冷気も、
同じように、
鼻の奥で感じられるように、
感覚を集中してみて下さい。

・・・

いかがでしたでしょうか?
同じ悩みをお持ちの方は、
ぜひ一度、お問い合わせください。