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2016/08/25

精神科医療に振り回されないために:サイコソマティック・マイノリティーという見方

「私は病気ですか?」

いままで何度も、
診察室で質問されてきましたが、

迷わず返答できるケースも多いです。

昇進後、過労が半年続き、
集中力低下、不眠、
起床困難で発症した

初発のうつ病ですね。

比較的軽症ですよ。
自宅療養による休息、睡眠確保で、
早ければ4週間で

回復すると思います。

リハビリ出勤と、
復帰後の業務負荷の軽減があれば、
2〜3ヶ月後の復帰を

目指せるでしょう、等。

これは、
精神疾患になったが、
治療とリハビリで、
病前のレベルに回復する、という
「医療(矯正)モデル」に

沿うことのできる場合ですね。

その一方で、
「病気」という言葉が

なじまないケースも多いです。

例えば、

幼少期からの家庭環境や
外傷体験の影響が大きい場合。
まるで社会の病理を
本人が一身に背負っているような。
病気なのは、本人ではなく

「社会」なんじゃないか…。

生まれつきの知的・認知的特性の
影響が大きい場合。
「治療」がなじまない場合、

「病気」という言葉も、なじまない。

疾患それ自体の苦痛よりも、
疾患を契機に社会から孤立したことの
ダメージが大きい場合。
これも、本人の「病気」というより、
本人と社会全体との

関係性の問題ではないか。

疾患が、本人の長所と
表裏一体の場合。
これは「治療」「矯正」が、
本人の非凡を、平凡にしてしまう。
これは、「病気」の「治療」と

言えるだろうか?

本人の苦痛は大きいが、
社会的には適応できている場合。
これは「疾患」の定義に
あてはまりません。
でも本人の苦痛は人知れず半端なく、
誰からのサポートもないまま

耐え忍んでいる…。

このようなケースで、
「私は病気ですか?」と問われて、
なんと答えればよいのでしょうか。
いままでは、とにかく、
その苦痛をねぎらう、そして、
その人生にrespectを払う、

それを繰り返してきましたが…。

そこでいま、
サイコソマティック・マイノリティー
という造語を提案します。
psycho-somatic minority PSM
心身反応における少数派、

という意味ですね。

説明しましょう。
ある刺激に対する心身の反応は、
人それぞれで、
千差万別であるとともに、
ヒトとしての一定の傾向も、
確かに存在しますね。
すると、そこには必ず、
一定の傾向を示す多数派と、

そこから外れる少数派が生まれます。

例えば、
同じ職場で働きながら、
勤務を継続できる多数派と、
抑うつ状態で欠勤する少数派と。
例えば、
必要な睡眠時間が6時間の多数派と、

2時間で足りる少数派と。

その少数派を、PSMと名付けよう、

そういうことです。

そのPSMの方を、
精神疾患かどうかと、
診断することは、

まったく別の意図と基準によります。

だから、先程の、
「病気」になじまない
ケースの方たちを、
PSMと呼ぶことは、

しっくりくるように思います。

この、
PSMであることを自覚することの、
PSMにとっての、

メリットは、何でしょうか?

ひとつは、
「医療(矯正)モデル」に、
振り回されなくて済む、

これでしょう。

「医療(矯正)モデル」は、
精神疾患と診断された患者さんを、
健常者に近づける(矯正する)ことで
症状が無症状になることを、

目指します。

PSMの中で、
このモデルが役に立つ場合は、
冒頭のように、
決して少なくありません。
でも、合わない場合、
そのモデルに付き合うことは、
途方もない苦痛でしかありません。

この見極めが、とても大切です。

もうひとつのメリットは、
「医療(矯正)モデル」とは
別のモデルに気づきやすくなる、
これでしょう。

それを「共生モデル」と呼びましょう。

「共生モデル」は、
PSMが、
多数派との「共生」により、
(多数派への「矯正」でなく)
自身の不自由が、
より自由になることを、
(症状の有無とは別の観点から)

目指します。

具体的には、

どういうことでしょうか?

当オフィスでは、現在、
「うつ完全脱出プログラム」という、
治療パッケージを稼働中です。
これは、磁気刺激装置に、
心理教育、身体へのアプローチや、
食事・栄養管理も含む
トータルな内容で、
「治療(矯正)モデル」の

究極を目指しています。

一方で、
「PSM独立・起業プログラム」も
準備中です。
これは、症状が残存し、
会社勤務がむずかしいPSMの方でも、
ネットマーケティングを
活用することで、
市場に商品やサービスを提供し、
独立・起業することを
目指すプロジェクトです。
これは「共生モデル」の典型例に

なるでしょう。

つまり、
「医療(矯正)モデル」が
うまくいかない時、
Do:
「共生モデル」に発想を
切り替えてみる

Don’t:
「医療(矯正)モデル」に
振り回される

いかがでしたでしょうか?
同じ悩みをお持ちの方は、
ぜひ一度、お問い合わせください。