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2017/08/20

乳酸菌とうつ病との関係は?:精神栄養学★事始め①

さて、今回も、
読者の方からの質問に
お応えします。

乳酸菌って、
うつに、効くのでしょうか?

・・・

乳酸菌と聞くと、
カルピスなどの乳酸菌飲料や
ヨーグルトなどを
連想されると思います。

実は、この乳酸菌、
そもそも、
私たちの腸の中に、
いるんですね。

それも、膨大に。

腸内フローラ、という言葉、
聞かれたこと、
ありますか?

腸の中には、
100兆個を超える、
いろんな種類の細菌がいます。

それを、
いろんな種類の花が咲き乱れる
お花畑(フローラ)に例えて、
腸内フローラ、と言います。

乳酸菌は、
その腸内フローラを構成する
代表選手、ですね。

ビフィズス菌と合わせて、
いわゆる「善玉菌」、
と言われます。

この善玉菌は、
腸がうまく機能するために、
とても重要な役割を
担っています。

だから、
ビオフェルミン(ビフィズス菌の製剤)や、
ラックビー(乳酸菌の製剤)が、
整腸剤として、
処方されるんですね。

・・・

さて、
そんな乳酸菌ですが、
これ、
うつに、効くのか?

効くんだったら、
ラックビーも、
うつに、効くんじゃないか?

でも、そんなデータは、
ありません。

では、これ、
ガセネタか?

むむむ…

そう、単純に切り捨てるのは、
実は、もったいない。

・・・

ここからが、
今日の本題です。

結論をまず、お伝えすると、

機能が低下した
腸内フローラを、

健全に回復させると、

うつが改善する可能性がある、

となります。

これ、意外、
じゃないですか?

お腹の中のことが、
「脳」の疾患と
関連している、ということ。

実は、近年、
このテーマは、
脳腸相関(のう・ちょう・そうかん)
というキーワードで、
研究が加速中です。

だから、
何らかの形で取り込んだ
乳酸菌が、

腸内フローラの
改善に貢献した場合には、

うつに効く、

そんな場合が十分あり得る、
ということです。

・・・

ここで、
ツッコミどころが、
二つ、あります。

一つは、

脳腸相関って、
具体的に、
どういうことなの?

そして、もう一つは、

腸内フローラって、
何が原因で、機能が低下し、
どうやったら、回復するの?

・・・

前者については、
次回、詳しく、扱う予定です。

ポイントだけ、
いま、お伝えしましょう。

腸内フローラの機能低下

腸の粘膜の機能低下

リポ多糖という物質が
腸の粘膜をすり抜けて
血中に入り込む

炎症反応を起こす

脳にダメージを与える

うつを引き起こす

このような流れが、
脳腸相関の、
一つのパターンです。

静かに、
恐ろしいですよね。

・・・

もう一つ、
腸内フローラについて。

これを健全に保つには、

善玉菌がスクスク育つための、
十分な栄養を
与えてあげる必要があります。

当然、ですね。

これ、食物繊維、
なんです。

だから、乳酸菌だけ、
たくさん、腸内に投入しても、

それとセットで、
栄養もあげる必要がある。

この栄養を
プレバイオティクス
と呼びます。

逆に、乳酸菌などのことを、
プロバイオティクス
と呼びます。

腸内フローラを
健全に維持するための、
キーワードになります。

これも、今後、
個別に、扱っていきます。

しばらく、
精神栄養学が続きます…

・・・

さて、
うつへの対策として、
乳酸菌を考える時、

Do:
・脳腸相関を根拠に、
・健全な腸内フローラの
 回復を手段として、
・プレバイオティクス、
 プロバイオティクス
 その両方に配慮しつつ、
・精神栄養学的な
 うつ対策に取り組んでみる。

Don’t:
・乳酸菌だけで解決すると思い込む
・乳酸菌など関係ないと切り捨てる

いかがでしたでしょうか?
同じ悩みをお持ちの方は、
ぜひ一度、お問い合わせください。