精神科医の自己開示の意義
今回は、
ときどき質問されるけれど、
短い診察時間では、
煙に巻くような答えしか
できなかった、
医者になった理由について、
お伝えします。
私は、医者になる前、
10代最後の頃から20代後半まで、
クラシックバレエを教えて
生計を立てていました。
なぜ?!
実は、中学2年で不登校。
以後、心身の不調が続き、
児童精神科を一回受診。
精神科医である父から
「自律神経失調症」の診断で、
ハルシオン(眠剤)を数回内服。
いま、当時の自分を診察すると、
精神病罹病危険状態:ARMS
At Risk Mental State
と診断します。
ハルシオンで
良くなるわけありませんね(苦笑)
ものすごい力が自分の体を貫き、
自分が壊れそうになる、
そんな体験でした。
どうしたか?
ある日、書店で、
土方巽(ひじかたたつみ)という、
70年代に活躍した
日本の舞踏家の写真集を見つけ、
「あ、この人、自分と同じ病気だ」
「踊れば、生き延びられるんだ」
と悟って、
勘当同然で上京し、
踊り始めた、というわけです。
その時のテーマは、
ものすごい力が流れても
こわれないからだに
自分で自分を手術する、でした。
かなりマニアック?!
みんな、ついてきてますか〜?(苦笑)
実は、そのテーマは、
いまもそのまま、続いています。
医学を学んだのも、
臨床で患者さんから学ぶのも、
結局、そのテーマの答えを探すため。
このメルマガのコンセプトである、
サイコソマティック・マイノリティー
PSMとは、
とりもなおさず、まずは、
私のことなんですね。
つまり、
PSMとしての自分が
なんとか生き延びていくために、
バレエを踊り、それでは足らず、
医者になり、さらに、
精神科医になった。
これが直球の答えでしょうね。
どうして医者になったんですか?
そう質問する患者さんは、
たぶん、どこかで、
私にPSMの匂いを
嗅ぎつけたのだと思います。
ところが、スタンダードな
精神科医のスタンスは、
自身のプライベートな話題は避ける、
これは、鉄則で、
私もそうしてきたし、
今後も、基本的には、そうします。
だから、煙に巻いてきた。
でも、状況次第では、
公開することに、意義、
あるんじゃないか?
ロールモデル、という言葉、
ご存知ですか?
具体的な行動技術や行動事例を
模倣・学習する時の、
その対象となる人材
のことです。
(グロービス・マネージメント・スクールの
ホームページより)
PSMとして、
どうやって生き延びたらいいのか。
私にPSMの匂いを嗅ぎつける
PSMの方にとって、
私は、まさに、
ロールモデルになり得ると思います。
とにかく、この年まで、
生き延びてきましたからね!
さて、まとめると、
Do:
担当医への興味を、
担当医をロールモデルとすることで、
模倣・学習の機会とし、
自分の成長に活かす。
担当医も、
必要に応じて、
自身の情報を提供する。
Don’t:
担当医への興味を、
興味本位で終わらせる。
担当医も、
医療の枠組みにとどまり、
その興味をはぐらかし続ける。
いかがでしたでしょうか?
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