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2018/03/11

マイナス思考への対処法①:マイナス思考のメリットとは?


さて、今回は、
お困りの方が多い、
マイナス思考への対処法です。

このメルマガでは、今まで、
扱う機会がありませんでしたので、
これからしばらく、
まとめて取り組んでみましょう。

マイナス思考って、
学術用語ではありませんが、
言葉としては、
かなり流通していますね。

何かにつけ、後ろ向きな
物事の捉え方、ということです。

例えば…

この前も失敗したから、
また失敗するだろう。

メールの返信がない、
きっと嫌われたのだろう。

などなど。

PSMの方の療養生活では、
次のようなパターンが、典型的です。

病状で家事ができない私なんて、
迷惑をかけるだけで、
存在する価値がない。

こんなにリハビリをしても、
症状がぜんぜんよくならない、
やっても無意味だ。

などなど。

ハッキリ言葉で語らなくとも、
頭の中では、ひたすら、
マイナス思考が渦巻いている、
そんなPSMの方も、多いです。

一見、療養の指導に沿って
生活しているのに、
なかなか回復しない、
そんなケースでは、
要注意です。

マイナス思考の渦が
脳を疲労させ、
地味に、でも確実に、
回復の足を引っ張っている可能性、
ありますね。

・・・

認知行動療法に
なじみのある方なら、

全か無か思考(白黒思考)
過度の一般化

などの「自動思考」が、
思い出されるかもしれません。

前者は、
物事を両極端に二分しないと
気が済まない思考です。

全でなけれ無、
白でなければ黒、
100点でなければ0点(無意味)、
など。

後者は、
限られた情報から、
極端に一般化した
結論を引き出す思考。

前述の、メールの例えが、
それです。

(メールの返信がない、
きっと嫌われたのだろう)

このシリーズでは、
このような「自動思考」も、
マイナス思考に含めて、
考えていきましょう。

・・・

でも、
このマイナス思考にも、
メリットがある、と言われたら、
驚きますか?

自動思考は、
認知のクセ(癖)、
とも呼ばれます。

なかなか修正できない、
悪いクセ(習慣)は、
メリットがあるからこそ、
修正しにくいのです。

この辺りの事情は、こちら↓
習慣を変えるには:悪習慣の持つメリットを見抜け

さて、そのメリットとは、
何でしょうか?

ズバリ、
省エネ、です。

「考える」という知的作業は、
ホントにやると、
かなり、メンドウで
時間もエネルギーも使います。

そこを、
マイナス思考は、
すごく短絡的に結論を出す。
だから、省エネ、
になるのです。

前述の例、

この前も失敗したから、
また失敗するだろう。

これ、ホントに考えるなら…

もう失敗しないぞ、
とまず目標を設定し、

前回の失敗に関する、
いろいろな情報を収集し、

それを踏まえて、
今回の作戦を立案し、

それでも
また失敗するリスクを見積もり、

その上で、
今回、再チャレンジをするか、
結論を出す。

これ、メンドウでしょ?

・・・

「考える」という知的作業を、
次のように、一般化してみましょう。

ゴールの設定

情報収集

判断

結論

この流れに比べると、

この前も失敗したから、
また失敗するだろう。

このマイナス思考は、
おそろしく短絡的であることが、
わかりますね。

まず、ゴールの設定が、ない。
再チャレンジ、したいのか?
したくないのか?

だから、
情報収集のしようもない。

加えて、その情報収集も、
収集、というよりも、
過去のたった一つの事実が
挙げられているだけ。

だから、比較検討する、
判断、というポイントが、
存在しない。

一足飛びに、
結論に着地してしまう。

でも、これが、
メリットでも、あるのです、
省エネ、という。

だから、
うつ病などで、
エネルギーが低下したとき、
マイナス思考になるのは、
ある意味、当然、なのです。

・・・

もう一つ、例を。

先ほどの、
全か無か思考。

これも、
メリットがあります。

戦国時代、
あなたは足軽として、
初めての合戦場にいます。

恐怖のあまり、
何をすればよいのか、
見当もつなかない。

すると、怒号が飛ぶ。

甲冑の家紋はわかるじゃろ!
それが、味方ぞ。
その他は、敵じゃ。

敵は、斬れ!
味方は斬るな!

・・・

これも、省エネです。

情報収集も
極限まで制限し、

判断の基準も、
二者択一にまで絞られる。

「考える」というよりも、
ほとんど、
「反射」に近いですね。

でも、
戦場を生き延びるには、
適応的な思考、
とも言えます。

とはいえ、
置かれた状況が変われば、
適応的な思考も、
ものすごく生活を
不自由にする足かせともなります。

全か無か思考に陥ると、
わずかだが、でも確実に起きている、
よい病状の変化も、
「意味がない」と却下され、
回復の芽を
自らつぶしていく…
そんなPSMの方、おられます。

・・・

さて、
まとめましょう。

マイナス思考は、
PSMの方の療養生活を、
大きく阻害する場合がある。

だから、
マイナス思考を修正することは、
療養生活において、
とても重要。

でも、
マイナス思考にも、
省エネ、というメリットがある。

だから、
そう、やすやすと、
修正できない場合も多い。

だから、まず、
ヒトの四つの機能の中の、一つ、
「考える」という機能の、
本質にまで、
一度、立ち返って、
そこから、
いろいろなマイナス思考を、
見渡してみる、
それが、必要。

感情リテラシーでは、
状況→感情→行動、
このセットで見てきましたが、

マイナス思考に関しては、

ゴールの設定

情報収集

判断

結論

このセットで、
見ていくことにしましょう。

これから、数回にわたってお伝えする、
このスキルを、
感情リテラシーにならって、
認知リテラシー」と
呼ぶことにしましょう。

・・・

さて、
マイナス思考で困った時、

Do:
認知リテラシーに
取り組んでみる。

Don’t:
行き当たりばったりの対策のみで、
うまくいかず、
自分はマイナス思考の人なんだと、
あきらめる。

いかがでしたでしょうか?
同じ悩みをお持ちの方は、
ぜひ一度、お問い合わせください。