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2018/04/01

マイナス思考への対処法④:「ゴールの設定」をしていますか?

さて、
マイナス思考から脱出するための、
認知リテラシー、その4回目です。

今回は、
ゴールの設定から結論に至る、
基本セット、
その最初の、ゴール設定
いかに重要か、
それを、お伝えします。

基本シェーマの図は、こちら↓
マイナス思考への対処法:「ヘルシー思考」とは?

・・・

まず、
典型的なマイナス思考の例を、
架空のOL、
Sさんで見てみましょう。

Sさんは、最近、
同僚のTさんに、
嫌われているんじゃないかと、
気になっています。

今朝も、あいさつをしても
Tさんはあいさつを返してくれません。

きっと、自分は嫌われている
とSさんは確信して、
その日一日、気分が落ち込んだまま
仕事をしました…。

Sさんは、Tさんに限らず、
誰かから嫌われることを、
いつも極端に恐れていました…。

小学校のころ、
ひどいいじめにあって、
それ以後、
ぜったい、
人に嫌われてはいけない、
そう自分に言い聞かせて、
やってきました…。

・・・

Sさんの、この思考の場合、
ゴールの設定は、
何だったのでしょうか?

この思考が生まれた瞬間、
ゴールの設定は、
全く、
なされていなかったはずです。

その瞬間、
認知の基本セットの中で、
実際に起きたことは、
次のような、流れだったはずです。

Tさんの反応が、
情報として入ってくると、

嫌われる恐怖…
その「感じる」からの
強い影響力によって、

ゴールの設定もなく、
それを踏まえての、
他の情報収集もなく、
それを踏まえての、
判断というプロセスもないまま、

一方的に、
自分は嫌われている、
という結論が出る。

思考、というよりも、
反射、ですね。

・・・

ゴールの設定、
これをしっかり確認する努力は、

この反射をましにする、
大きな一歩です。

Sさんの場合、
どんなゴールの設定が、
ふさわしいでしょうか?

これは、
絶対の正解があるわけでもないし、
認知リテラシーに取り組む過程で、
随時、修正すべきものですね。

まず、手始めに、例えば…

Tさんに嫌われないようにするには、
Tさんの反応を、
どのように解釈すべきか?
A:自分を嫌っている
B:自分を嫌ってはいない
C:わからない

と設定することは、
できるでしょう。
(これを、設定ア、としましょう)

こうすると、
基本セットの次の項目、
情報収集について、
とても、やりやすくなります。

Aを支持する情報、
Bを支持する情報、
Cを支持する情報、

それぞれを、
例えば、他の同僚から
こっそり教えてもらう、など、
やりようが、でてきますね。

こうやってみるだけで、
さきほどの「反射」は、
ずいぶん、マシになるはずです。
「思考」が始まるのです。

・・・

しかし、
よくよく、考えてみると、
このゴールの設定、
なんだか、おかしくないか?

Tさんの反応を
どのように解釈しても、
それだけでは、
Tさんに嫌われないようにすることには、
つながらないんじゃないか?

だったら、
ゴール設定を、例えば…

Tさんに嫌われないようにするには、
自分はどんな行動をとるべきか?
A:まずはTさんが実際に
自分を嫌っているか確認する
B:それに関係なく、
嫌われないような行動をし続ける
C:Tさん以外の同僚に、
嫌われる可能性のある自分の欠点について
教えてもらう

などなど、
いろいろ、
設定することができますよね。
(これ、設定イ、とします)

そして、これに沿って、
あらたに、情報収集を始めればよい。

そして、セラピストと一緒に、
それらの情報を付き合わせて、
いま、自分にできる、
最良の結論は、どれか、
それを決める。
(これが、判断、です)

・・・

そして、それが、
例えば、Bだった場合。

しばらく、
Tさんの反応に関係なく、
こちらは、あいさつを続けてみる。

すると、
理由はわからないが、
Tさんがあいさつしてくれる場合と、
いままで通り、
あいさつがない場合とがある。

これ、どういうこと?

Sさんは、だんだん、
Tさんの反応に一喜一憂する自分が
とても不自由に感じてきました。

そこで、
ゴールの再設定。
(これ、設定ウ、とします)

職場でのTさんとの対人関係を
どのようにもっていけばいいか?
A:Tさんが自分を嫌っているか確認する
B:現状維持(あいさつ続けて一喜一憂する)
C:仕事上に支障を来さないうちは、
この件を一旦、棚上げにする
(あいさつは続けるが、
Tさんの反応は気にしない)

・・・

さて、
架空のSさんの、
この認知リテラシーの取り組みを
振り返ってみて、
どんな印象をお持ちですか?

めんどくさい…

でしょうか?(苦笑)

でも、この手間が、
ヒトのもつ、
「考える」という機能の、
本質なのです。

ありえる、解決策、
A、B、C、…
の中から、
その時点で最良と判断されるものを
選択する。

この「考える」という機能の、
最大の価値は、
どこにあるのでしょうか?

見通しのない状態を、
見通しのある状態に整理する。

これに尽きます。

A、B、C、…
などが乱立する状態から、
特定のA(または、B、C)が、
特別に認知される、ということ。

そうすれば、
その選ばれた結論を
実行に移すことに、
エネルギーを集中できる。

だから、そもそも、
ゴールの設定がなされていない、
つまり、
AもBもCも設定されていない、
そんな状態で、
ヘルシーな思考が、
機能するわけが、ないんです。

だから、
ゴールが設定されていない、
マイナス思考は、

・結論が出ても、
見通しがたったかどうかが、
わからない。

・だから、実行にも移せない。

・そもそも、何の方針で、
情報収集したらよいか、
わからない。

・そもそも、何が最良か
判断する基準がない。

そして、
ゴール設定は、
臨機応変に、
再設定をするのがよい。

設定ア→イ→ウ、と比較すると、
その課題の設定、
それ自体の変化から、

Sさんが、マイナス思考から、
少しずつ、距離がとれている、
その過程が、見えてきますね。

実際、並べてみると…

Tさんに嫌われないようにするには、
Tさんの反応を、
どのように解釈すべきか?

Tさんに嫌われないようにするには、
自分はどんな行動をとるべきか?

職場でのTさんとの対人関係を
どのようにもっていけばいいか?

嫌われている、嫌われていない、
という課題の設定から、

Tさんとの対人関係のあり方を
どうするか、という課題の設定に、
進化していますね。

・・・

さて、
認知リテラシーの、
ゴール設定について、
まとめましょう。

マイナス思考で困った時、

Do:
自分の解決したい課題(X)と、
それに対するあり得る解決策、
A、B、C…を
3つ以上、7つ以下で設定し、
(これについては、編集後記参照)
最初のゴール設定とする。
そして、結論を実行し、
それによる状況の変化を踏まえ、
臨機応変に再設定する。
その繰り返し。

Don’t:
ゴール設定をしないまま、
マイナス思考から抜け出せない。

<編集後記>
解決策を、
3つ上、7つ以下、
とするのは、
2つだと、
白黒思考になってしまう。

また、8つ以上だと、
判断に負担がかかりすぎる。
(ヒトの同時処理能力は、
7個まで、とも言われています)

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