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2018/12/30

無力感を克服するためのヒント⑦:自分の基準を持とう


さて、
無力感の克服をテーマにした
このシリーズ、7回目です。

前回は、
孤立するリスクを引き受ける能力、
これについて、
お伝えしました。

その能力とは、つまり、

自分が所属する集団、
その価値基準から
自分を評価するのではなく、

それとは別の、
「自分の基準」を自覚して、
その基準から
自分を評価する、

それができる、能力、
ということでした。

今回は、この能力を、
PSMの方の療養生活の中で、
どのように育てればよいか、
それを具体的に
探ってみましょう。

・・・

…と言ったものの、
実は、すでに、
皆さんは、
実践しているのです。

誰でもが背負うわけではない、
精神疾患を患い、

自分が所属する集団では、
当たり前、と思われている、

毎日、
学校に行く、
出勤する、
掃除をして買い物に行く…

それが、できなくなり、
その集団からは、
「ランク外」と評価される。

そんな中、

まずは夜が眠れるようになる、
少しでも食べ物が喉を通るようになる、
異常なからだのだるさが減る、
などの、

その集団からは、
全くとるにたりない価値基準ながらも、

自分にとっては
生きるか死ぬかの
重大な基準として設定し、

毎日、それが
改善したかどうかを評価しながら、
療養生活を営んでいく。

これ、まさに、
孤立するリスクを引き受ける能力、
それを育てている状況、
そのものなのです。

・・・

だからこそ、
なかなか、手強いのです。

ついつい、
ポジショナル・パワーを
失った状態に恐怖し、

「ランク外」から、せめて
「低ランク」にもどせないか、
あせりまくるのです。

早く、ちょっとでも、
登校できるようにならないと…
出勤できるようにならないと…
買い物できるようにならないと…

所属する集団の
価値基準に
「洗脳」されていればいるほど、
あせりまくります。

ひたすら、
あせりまくりますね、みんな…。

そして、
毎日、毎日、
その改善に向けて努力すべき、
「自分の基準」を
見失ってしまう。

少し眠れるようになった…
少し食べられるようになった…
少し外出ができるようになった…

「自分の基準」に
照らし合わせると、
それは、とても大切な達成なのに、

所属する集団の価値基準に
照らし合わせると、
そんなもの、カスにもならない、と
無視してしまいます。

その結果、一層、
回復から遠ざかってしまう…。

この悪循環は、
疾患の種類を問わず、
ものすごく、よく、
見受けますよ。

・・・

でも、
この悪循環を脱出できた時、
必ず、以前よりも、
パーソナル・パワーが
強化されています。

所属していた集団の、
ポジショナル・パワーを
失った状況で、

その集団の価値基準を
一旦、手放し、

療養に必要な
「自分の基準」に従う。

当然、その取り組みには、
不安や恐怖が伴います。

でも、それが、
孤立するリスクを引き受ける能力を、
強化するのです。

・・・

極論すれば、
この能力を身につけることが、

精神疾患を病み、
療養生活に取り組むことの
意義だ、とすら言えます。

所属する集団の価値基準とは別に、
自分の基準」を持つこと。

その体験をしたことのある方は、
強いです。

療養生活以外の場面でも、
必要に応じて、

ポジショナル・パワーから
距離をとり、

パーソナル・パワーに
立ち返ることが、
できるようになるから。

例えば、
前回、お伝えしたように、

他人の賞賛や非難を
必要以上に気にしなくてすむ。

・・・

想像してみて下さい…。

いま、あなたは、
どれだけの人々の、
顏色や評価を、
気にしていますか?

父や母…

夫や妻、子供たち…

先生や上司…

先輩や後輩…

親族や地域住民…

まるで、あなたは、
それらの人々の、
奴隷のようなものです。

ポジショナル・パワーの
奴隷なのです。

この、奴隷状態が、
無力感の、発生源なのです。

・・・

さて、
ポジショナル・パワーに対抗できる
パーソナル・パワーを身につけるため、
③:孤立するリスクを引き受ける能力を
育てようとする時、

Do:
所属する集団が強要する
価値基準を一旦、置き、
自分の療養に必要なことに専念する、
それ自体が、
パーソナル・パワーを
育てている瞬間だと、
自覚する。

Don’t:
所属する集団が強要する
価値基準にしがみつく。

いかがでしたでしょうか?
同じ悩みをお持ちの方は、
ぜひ一度、お問い合わせください。