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2019/12/22

コツコツやるためのコツとは(その4):変化を認知する瞬間



さて、今回は、
コツコツ療養に取り組むための
ヒントをお伝えするシリーズの
4回目です。

前回は、こちら↓

前回は、
タワーマンションの
自分の住む部屋が、知らない間に、
下の階(「どん底階」)に落ちている、
というおとぎ話を
お伝えしました。

もとの階にもどるには、
非常階段で一気にもどるのではなく、

一階、のぼったら、
しばらくそこで暮らす、
というマイクロリハビリをするしかない。

それをコツコツやるためには、

もとの階の、あの海はまだ見えないが、
どん底階よりは、
少しは、階があがったぞ

という認知が得られないと
難しいぞ、というお話でした。

では、その認知とは、
このおとぎ話の中では、
具体的に、どんなことななのか、
探ってみましょう。

・・・

実際、
想像してみてください。

どん底階の、
窓外の風景と比較して、

いま、一階、上にあがった
この階の、窓外の風景と、

その違い、
どこにある?

???

なんとなく、
上にきたような気がするが・・・

具体的に、どこがどうかと
聞かれても・・・

という感じに
なってしまうと思います。

一階の高さの変化って、
多分、4mぐらいです。

遠くの風景を
ばくぜんと眺めているだけでは、
その変化、
ぜんぜん、わからないです。

じゃあ、近場の風景に
目をやると、どうでしょう。

木立の枝振りが、
その見え方の角度が、
なんとなく、違う?

でも、枝、たくさんあって
どの枝のどの角度がどう違うとか
それ、無理でしょう、
ハッキリ自覚するのは・・・。

通りを歩く人の大きさが
ちょっと、小さい?

でも、下の階でも、
こんなものだったようにも思うが・・・

・・・

近場に目をやっても、
こんな感じだと、

一つの上の階で暮らし続ける
モチベーションが
どんどん、下がっていきます。

そして、いずれ
もー、どうでもいい!
結局、海、
見えやしないよね!
と投げ出してしまう。

で、朝、起きると
どん底階に戻っている。

・・・

でも、実は、
このどん底階の風景を、
しっかり、記憶していることが
重要なのです、

だって、
比較する、もとの風景が
わかってないと、
比較できないですよね。

だから、今度、
上の階に行った時、

いま、このどん底階の、
ここの、これが、
こうなっているのが、

上の階にいったら、
変化しているかもしれない、
という注意力を維持するわけです。

そして、何回かは、
どん底階と、上の階とを、
いったりきたりするしか、
その変化を自覚することは、
残念ながら、できないのです。

逆に言うと、
いったりきたりすることに
意味がある、とも言えます。

・・・

窓外にひろがる風景の、
近場だけに絞ってみても、
何に注目すればよいか、
途方に暮れますよね。

そこに、
療養のサポートを提供する者の
存在意義があります。

例えば、
ここに注目してみれば?
というアドバイスが、
的を得ている場合、

ものすごく、クリアに
変化が自覚できるようになります。

一例を、挙げますね。

・・・

向こうのマンションの、あの部屋。
リビングなんだろうね、
そこに、テーブル、
見えるよね。

私たち、いま、
ほぼ、真横から見ているから
テーブルの表面は、
よく見えない。

この感じ、よく覚えておいてね。

次、上の階に行った時、
このテーブル、チェックしてみてね。

・・・

そして、
アドバイスに従って、
まず最初に、テーブルを
チェックしてみると・・・、


確かに、変化がある。
テーブルの表面全体が
しっかり見えるぞ。

これ、ちょっと
上から見ているから、
そう見えるんだよな。

確かに
これは、否定しようがない・・・、
上の階に、いま、いるんだな。

・・・

この、
!、の瞬間が、
とてつもなく、重要です。

窓外の風景を
ボーッと見渡すのでもなく、

膨大なチェックポイントに
右往左往するのでもなく、

効果的なポイントに焦点を絞って、
どん底階と、
一つ上の階との違いを
認知する。

この手応えがあると、
人間って、現金なものです、
よし、じゃあ、
コツコツやってみようか、
という気に、なるのです。

・・・

何点か、
補足をしましょう。

まず、一つ。
このテーブルの例ですが、
これ、いつまでも
使えるとは限りません。

マイクロリハビリがすすんで
もっと上の階にいけば、
もう、その部屋自体が
見えなくなる状況がありますよね。

すると、別のチェックポイントを
探すしかなくなります。

そして、もう一つ。
テーブルの例は、
視覚の情報を使った例ですが、
視覚に限る必要は、ありません。

聴覚の情報を使ってもよい。
例えば、
踏切のカンカンカンと鳴る音が、
上の階だと、確かに、
少し、小さい、とか。

体感(振動)の情報を使ってもよい。
トラックが通過する時の振動が、
上の階だと、確かに、
少し、小さい、とか。

要は、自分にとって
感度の高いチャンネルを使えばよい
ということになります。

・・・ 

コツコツ 
療養に取り組むことが 
難しい時、 
(タワーマンショの例えの場合は)

Do: 
効果的なポイントに焦点を絞って、
どん底階と、
一つ上の階との違いを
認知する。

Don’t: 
窓外の風景を
ボーッと見渡すだけ、
あるいは
膨大なチェックポイントに
右往左往して、
どん底階と、
一つ上の階との違いが
認知できない。

いかがでしたでしょうか?
同じ悩みをお持ちの方は、
ぜひ一度、お問い合わせください。