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2020/03/02

自分に向いた仕事とは○○ができること




さて、今回は、
自分に合った職業選択
というテーマです。

いろんな仕事をやってみたが、
どれも続かない…、とか

向いている仕事なんか
あると思えないから、
仕事を探す気すらしない…、とか

一応、今の仕事をやっているが
自分に向いているとは
思えない…、など、

PSMの方は、
仕事の悩み、尽きませんね。

そんな、職業選択の悩みに、
一つのヒントをお伝えします。

小椋の行きつけの美容室の、
Sさん(30代男性)
登場してもらいましょう。
※ご本人、了承済み。

・・・

Sさんにカットをお願いして
もう、5年以上になります。

お互いのことを自然に話す中で、
徐々に、Sさんの、
人知れず抱えている悩みを
聞いていくことになりました。

例えば…

美容室の中では全く問題ないが、
一歩、外に出て、
知らない人の中にいると
滝のような汗が出る…

興味のあることは
とことんできるが、
そうでなければ、
全くやる気が起きない

今はスマホにメモしているから
なんとかなるが、
予定を計画したり守ったりするのが
苦手…

マンションの隣室の
ちょっとした音にものすごく過敏で、
ブチ切れて管理人に電話した…

食堂などで隣の人が近いと、
自分の荷物をわざわざ置いて
自分の「縄ばり」を確認してしまう

テーブルの醤油やソースの配置に
やたらとこだわる

友だちは、
少なくてもいいんです…

自分から切ってるのかな?
白黒つけて、コイツは敵、とか
すぐ両極端に考える

それ、
ずーっと小さい時からなんです…

そしてある日、
自分って、発達障害なんですかね?
…と。

皆さん、どう思われます?

・・・

小椋は、
次のようにお答えしました。

その悩みの相談で
精神科を受診していたら、
ADHD(注意欠陥多動性障害)と、
自閉症スペクトラム障害の一部の
特性を持っている、と
診断されるだろ、と。

そして、それぞれの特性について、
わかりやすく説明しました、
カットしてもらいながら…(苦笑)。

その日から、
カットの日は、いつも、
Sさんの人生の、
発達障害の観点からの
振り返りのセラピーになりました。
(無料…)

そして、Sさん曰く、

そういうことやったんや、とか、
だから自分はこうなんや、とか
いろいろ目からウロコで
ものすごい転機になった、と。

・・・

そして、
二人でいつも確認し合うのは、
いかに、Sさんにとって、
美容師の仕事が天職か、
ということ。

ハサミもってカットしていると、
延々とできる、苦じゃない。

修行中、いつも師匠に、
お前、そんなに(練習)せんでええで、
と言われ続けた。

シャンプーの試験も、
合格するために、
仕事の後、他のお店にいって、
ここのシャンプーの仕方は
こうやな…と、
チェックしてまわって
いいところ取り入れたら、
最短記録で合格できた。

極めつけは、
最近、
香港に旅行に行った時、

高層オフィスビルの玄関ホールに座って、
行き交う人の髪型を
延々と見て、研究し、
気づくと…、なんと8時間。

8時間、ただ
行き交う人の髪型を
黙々と見続ける…。

それが、飽きない…。

髪型って、
ボクの中では
三次元の設計図みたいになって
見えるんですよ、と。

・・・

そんなSさんですが、
最近、生け花を始めました。

Sさん曰く、

デザインをする、
という意味では、
カットと似てるんです。

このお店にも、
できあいの観葉植物じゃなくて、
生け花、置きたいですね。

お客さんに、
もっと、気持ちいい気分になって
帰ってもらいたから。

この正月、これ、
やってみました。

松の枝を、たわめて、
束ねて、この、形に仕上げるんです。
花瓶もこれ、竹を切って作りました。
門松のイメージですね。

これ、お師匠さんの
作品を真似てやってみました。

目を開けて
スペースの隅を見ると、
お見事…、
お正月の気分、満開の生け花、
(というか、生け枝)
スッと英気を放っていました。

・・・

Sさんにとって、
ご自身の美容室は、

水を得た魚のように、
自分の特性を
解放することができる空間、
なのですね。

それが、お客さんの
役に立っている、
だから、予約はいつも一杯。

小椋はいつも、
Sさんのことを、
発達障害の星
というイメージをもって
お会いしています。

・・・

Sさんは、
かなりの生きづらさを
かかえています。

でも、精神科とは無縁に、
生き生きとお仕事をされている。

Sさんの
どんな能力が、
それを可能にしているのでしょうか?

突き詰めると、
次の一つ、だろうと思います。

他人の真似ができる能力。

は?
どういうこと?

・・・

美容に限らず、
あらゆる仕事は、
それを身につけるとき、

先輩の仕事ぶりを
見て、真似る、
そこから始めるしか
ありません。

でも、
発達障害の方を含む
PSMの方たちは、

その特性や、
いろいろな病状のせいで、

他人を真似る、ということが
苦手な場合が、
すごく、多いです。

他人がやっていることを
細かく見て取ることが、
できない場合や、

認識できても、
自分の思考や手足が
思い通りに動かない場合など、

いろいろ、
パターンはあります。

でも、その能力が
ないわけではない。

ただ、
誰を先輩に、
どんな作業を、
真似すればよいか、
その選択を
丁寧にする必要が、
あるわけです。

Sさんだって、実は、
美容学校を卒業後、
美容がいやになって、

全く関係のない仕事について、
でも、散々な結果で、
ひどく落ち込んだ時期が
あったそうです。

その仕事は、
真似することが、
できなかった。

でも、美容なら、できる。
生け花なら、できる。

とことん、
先輩のやっていることを
真似する、その能力が、
特定のジャンルであれば、
スバ抜けている。

そのジャンルを
いかにみつけるか、
それが、ポイントなのです。

・・・

さて、
自分の向いている仕事が
わからない時、

Do:
誰の、
どんな作業なら
延々と真似を続けることができるか、
それを探す。

Don’t:
自分には
他人を真似する能力が
ないと思い込む。

いかがでしたでしょうか?
同じ悩みをお持ちの方は、 
ぜひ一度、お問い合わせください。