2021/08/16
PSMのための雑談との付き合い方⑬:返す言葉がわからないときの原因と対策
さて、
雑談についてのシリーズ、
今回は、13回目になります。
前回は、こちら↓
前田さんのカウンセリングを
続けながら、
前田さんの
雑談での困り事が、
会話のボトルネック、
1:入力
2:イメージの構成
3:リアクションの構成
4:出力、のうち、
1:入力、
に関するもであると整理して、
その原因と対策を
お伝えしました。
今回は、
2:イメージの構成
3:リアクションの構成、
これについて、講義風に
ポイントをお伝えする
カウンセリングになりました。
・・・
まず、
2:イメージの構成。
これは、相手の発言を聞きながら、
前田さんが、
自分のこころの中に、
相手の発言についてのイメージを
作っていく、という
こころの中の作業です。
ポイントは、
何が起きたのか、という
事実関係について理解する、
ということと、
その際の、相手の感情、
これも同時に理解する、
ということです。
前田さんの場合、
相手の感情の理解が
苦手なようですね。
これを機会に、
感情にどんな種類があるのか
一覧してみると、よいでしょう。
例えば、次のような記事は
参考になるかと思います。
全部、すみからすみまで読まなくても、
感情の種類に親しむぐらいのつもりで
よいですね。
https://mizuekai-clinic.com/entry-1023/
うつ病の治し方:感情リテラシー入門①〜愛と悲しみ編
https://mizuekai-clinic.com/entry-1100/
うつ病の治し方:感情リテラシー入門②〜イヤイヤとワクワク編
https://mizuekai-clinic.com/entry-1102/
うつ病の治し方:感情リテラシー入門③〜希望編
そして、
相手の、その感情の強さを、
・ちょっと、ある
・そこそこ、ある
・すごく、ある、
ぐらいの三段階で
イメージするとよいでしょう。
・・・
この、2:イメージの構成は、
相手の発言を聞きながら
行われます。
自然なボディランゲージとして、
ふむふむ、と静かにうなずきながら、
というパターンが多くなります。
これは、共感している、
という以前に、
相手の発言の内容も、
いわば、モグモグ、
咀嚼(そしゃく)している、
という感覚です。
例えば、
前田さんにしてみれば、
こんな感じになれば
よいかと思います。
(前田さんの、こころの中の声)
(小椋が、例として、代弁)
細かい試験の内容、
いっぱい、話してくれたけど、
詳しすぎて、よくわからなかったが、
とにかく、すごく難しくて、
でもなんとか、合格しないと
ヤバい試験だったんだな、
試験前も、試験中も、
とにかく、ハンパない不安だったが
結局、合格できた、
死ぬほど、うれしかった、
ということのようだな・・・。
つまり、試験を受けて、
最初、すごく不安だったが
試験に合格して、
最後は、すごくうれしかった、
という話だな。
・・・
この程度、
2:イメージの構成、
ができていると、
次の、
3:リアクションの構成、
これを、そんなに
悩まなくてよくなりますよ。
雑談が苦手な方は、
どう、リアクションしてよいか
頭が真っ白になる、
とよく言われます。
が、リアクションの基本は、
言語と、
ボディランゲージなどの非言語での、
共感の表現、ですね。
だから、
2:イメージの構成、
ができていれば、
十分、雑談は成り立ちます。
別の言い方をすれば、
共感を表現すること、
それで、おもてなしの役割を
果たしたことになる、
ということですね。
もちろん、
相手と違う意見を言ったりすることも
雑談ではありますが、
自分のリアクションの
7割程度は、
共感のリアクションにすると
うまくいきます。
・・・
さっきの例なら、
どんなリアクションをすれば
よいですかね?(小椋)
そうですね、
シンプルで、いいんですよね・・・
つまり、
試験、合格して
うれしかったよね〜!、
みたいな?(前田さん)
そう、そういうことです。(小椋)
もっと、言うと、
試験の前、不安だったよね〜!
そうそう、コツが
わかってきているようですね。
まず、それだけでも
十分なんです。
もっと、欲を言えば、
相手を応援する言葉、
2つの単語を
組み合わせた程度のもの、
何か、言えると、
おもてなし度、アップです。
例えば?
〇〇さんは、
ピンチでもあきらめないよね!
なるほど!
・・・
小椋が最後に、
3:リアクションの構成、
について、
気をつける点を補足して、
その日のカウンセリングは
終わりました。
自閉症スペクトラム障害の特性を
お持ちの方に多いですが、
その話題、ぜんぜん、興味ない、
と感じた時、
それ、そのまま、口にだして、
「興味ない」
「おもしろくない」
とか、言ってしまう、
そのリアクションのパターン、
かなり、雑談の場を
凍らせてしまいます。
言いそうになる衝動を
グッと、こらえて、
苦笑い、ぐらいで
おさめる練習、しましょう。
はい(苦笑)(前田さん)
・・・
雑談が苦手で困っている時、
Do:
2:イメージの構成では
相手の感情の理解に努めて、
3:リアクションの構成では
それに対する共感を表現すると、
雑談は何とか成立する、と知る。
Don’t:
2:イメージの構成を
スルーしてしまい、
3:リアクションの構成で
頭が真っ白になる。
いかがでしたでしょうか?
同じ悩みをお持ちの方は、
ぜひ一度、お問い合わせください。