2021/09/06
PSMのための雑談との付き合い方⑯:雑談の「世間話タイプ」への対策 その2
さて、
雑談についてのシリーズ、
今回は、16回目になります。
前回は、こちら↓
引田さんとの
初回のカウンセリングでしたね。
近所のおばちゃんが
仕掛けてくる雑談に、
どう対処したらよいのか。
まずは、
引田さんが社長の
引田物産という会社の中に、
引きこもりたい社員と、
しぶしぶ営業に出る社員、
その二人がいる、
という例え話で
終わっていました。
今回は、
その続きです。
・・・
小椋:
引田さんは、いままで
誰かをかばった、という
体験は、ありますか?
引田さん:
かばう・・・
がばう?
小椋:
そう。
例えば、相手の事情が
自分にはわかっているが、
その相手が、誰かに
すごく責められている。
自分がどうしても、
その相手をフォローせざるをえない、
そんな感じですね。
引田さん:
うーん、そうですね。
・・・はい、まあ、
あるとえいば、ありますね。
小椋:
いつ頃の話ですか?
引田さん:
まあ、まだ、仕事していた
20代、前半ですかね。
会社で、それこそ
営業やってて、
自分が、別の会社を
担当することになって、
自分の同期が、
自分の後に、
その会社の担当になって。
でも、そこの社長、
かなりの気分屋で、
虫のいどころが悪いと
会社にクレーム入れてきたり
するんです。
で、同期がしょっぱなから
やられてしまって、
上司に呼び出されて・・・
自分が会社にもどると
延々と上司に説教されてて。
カバンも置かずに
二人のところにいって、
事情を説明したんですね・・・。
まあ、そんな元気、
昔はあったんですね(苦笑)。
・・・
小椋:
まるで、
今日のカウンセリングで
思い出すためにやったような
同期のフォローですね(苦笑)
引田さん:
そうなんですか?(苦笑)
小椋:
そのエピソードでの
登場人物、
三人、いますよね。
引田さん:
自分と、同期と、
上司、ですね。
小椋:
そう。
それを、いま、
引田さんが困っている、
おばちゃんとの雑談の状況に
あてはめればよい。
引田さん:
?
小椋:
同期に当たるのが、
引きこもりで
おばちゃんに会いたくない、
引田さん。
引田物産で言うなら
引きこもりたい社員。
上司が、
おばちゃん。
引田物産を
偵察にくる町内会の会長。
かばいに入った
引田さんが、
前回お伝えした、
引田物産の、
営業マン、ですね。
引田さん:
むむむ・・・。
図に書いてもらっていいですか?
小椋:
はい。(図示する)。
引田さん:
なるほど、わかってきました。
小椋:
ポイントは、
かばう、という体験を
まず、思い出して欲しい、
その感覚を。
そして、
引田物産の
例えにもどるなら、
町内会長が
偵察にきても、
営業マンが、
引きこもり社員を
かばう、という感覚で、
町内会長に説明する、
というノリですね。
引田さん:
・・・
小椋:
もう一度、
イメージしてみてください。
引田物産・・・
町内会長が来る・・・
何をやっている会社なのか、
なんでいつも営業一人しか
いないのか・・・
いろいろ不信に思っている・・・
そこに応対にでる
営業マン・・・
その営業マンは
社員をかばう思いを抱きつつ、
町内会長に説明する・・・
我が社の現状は
かくかくしかじかで・・・。
引田さん:
はい、なるほど、
はい、見えてきました。
小椋:
いま、引田さんは、
営業マンになりきって
くださいね。
引田さん:
はい。
小椋:
なんて、
町内会長に説明しますか?
引田さん:
そうですね、
まず、我が社は、
それなりに、最低限の
売上はありまして、
ただ、社長も
もう一人の社員も
あまり、愛想がよくなくてですね・・・
しかたなく、
私が営業を一手に引き受けて
おりまして・・・
いろいろ、町内会の皆さまには
ご心配をおかけしているやも
しれませんが・・・
ご不明な点があれば
わたくしの方から
ご説明させて頂きますが・・・。
とか、
そんな感じでしょうか。
小椋:
さすが、もと営業。
引田さん:
(苦笑)
小椋:
引田物産の例えは、
わかりやすかったようですね。
引田さん:
(苦笑)
小椋:
いまの、この営業マンの
感覚、ぜひ、からだで
覚えておいてください。
忘れそうになったら、
また、イメージして
思い出してください。
引田さん:
はい。
でも、これが
何の役に立つんでしょうか?
小椋:
そう、ですよね。
そもそも、引田物産は
単なる例え、でした。
重要なのは、
一人の引田さんの中に、
実は二人いる、という
認識と感覚です。
引田さん:
はい。
小椋:
それをわかりやすくするための
例えでした。
引きこもりたい社員と、
しぶしぶの営業マン。
その二人が、
引田さんの中にいる、
いま、現に。
引田さん:
はい。
さっき、セリフを言ってみて
確かに、そんな気が
してきました。
小椋:
要は、朝、
おばちゃんに雑談を振られて
困惑してしまう引田さんは、
その時、
自分の中に、
引きこもりたい社員と
しぶしぶ営業マンを自覚して、
おばちゃんが、仮に
何を聞いてきても、
その営業マンが、
引きこもり社員をやさしく
かばいながら、
おばちゃんの質問に
無難に丁重に答えることが
できたなら、
その困惑は、
マシになるだろう、
ということです。
実際、おばちゃんは
根掘り葉掘り
聞いてくるわけではありません。
万が一、聞いてきても
営業マンが答える準備が
できている、
それだけで、困惑は
マシになるでしょう。
引田さん:
なるほど。
おっしゃることは
イメージできます。
つまり、何を聞かれるか
ビビっている、ということですよね。
実際には、そんなに
聞かれなくても。
小椋:
そう。
引田さん:
確かに、それはあります。
なんて答えていいか・・・。
小椋:
引田さんの中の営業マンが
その回答を、準備する。
そして、いざとなったら
口に出して答える準備が
できている。
引田さん:
はい。
小椋:
その準備ができていたら、
たんなる、おはようございます、
だけのやりとりでも、
ずいぶん、やりやすくなると
思います。
引田さん:
なるほど、
そういう感じなんですね。
小椋:
はい。
あ、そろそろ時間ですね。
営業マンが準備する
回答、それを具体的に
次回、一緒に
考えてみましょう。
引田さん:
お願いします。
・・・
雑談が苦手で困っている時、
Do:
雑談の世間話タイプと
付き合うには、
聞かれやすい質問に対する
自分なりの回答を
予め準備しておく。
Don’t:
そんな回答を準備しても
結局、困惑するだろうと
思い込む。
※その回答を作り込む過程自体が
自分の中の「営業マン」を
育てることになります。
いかがでしたでしょうか?
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