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2022/07/31

自己肯定感を上げるためのコツ②:自信の感情リテラシー



さて、
自己肯定感をテーマにした
シリーズ、その2回目です。

前回は、こちら↓
https://mizuekai-clinic.com/entry-2843/

自己肯定感、という用語の代わりに
自己効力感、という用語を使おう、
という提案でした。

そして、その自己効力感とは、

自分がどれだけ
自分の現実に変化を与えることができるか、
その手応えのことだ

とお伝えしましたね。

では、その手応えは、
どうしたら、アップ
できるでしょうか?

それをうまく説明するためには、
もう少しだけ
下準備が必要です。

そこで今回は、
自己肯定感や自己効力感と
似ている、自信という感情について
整理してみましょう。

・・・

感情との付き合い方については、
感情リテラシーというテーマで、

このメルマガでもかなりの分量を割いて
扱ってきました。

結局、感情とは、
生存競争を生き残るために
必要なサインなのだ、
という理解が、その出発点でした。

そして
感情というサインは、

特定の状況で発信され、
生き残るために必要な行動を
発動・促進する、
と整理したわけです。

この、感情リテラシーでは、
自信、という感情は
どのように整理されるでしょうか?

それは、

自分の生存能力を高く評価できる
そんな状況で発信され、

生存競争に必要な周囲への警戒を
解く、という行動を促進します。

例えば、

倍率の高い会社への
内定が決まる、という状況で、

自信という感情が発信され、

もう睡眠を削ってまで
勉強しなくてもよい、
(ゆっくり休息を取ればよい)
という行動が促進される、

と、感情リテラシーでは
整理するわけです。

・・・

ここでポイントなのは、

自分の生存能力を高く評価できる
状況とは、

具体的にどんな状況なのか?
という点ですね。

ここを追求すると、
二つ、ややこしい点があります。

一つは、そもそも、
自分の生存能力とは、
何か?

感情リテラシーの
整理の仕方に沿って、

私たちは皆、
生存競争を生き残ることを
目指していると、
身も蓋もなく仮定したとして、

それを生き残るための
生存能力って、
いろいろ、あり得ますよね。

A:
いざとなったら
腕ずくで相手から
食料を奪い取る腕力なのか?

B:
相手にこびへつらって
言われたことをハイハイとやって
その対価として
食料を分けてもらう、
そんな召使い的センスなのか?

C:
それとも
食料の自給を可能にする
土地を持っていることなのか?

D:
あるいは、
ひたすら苦しんでいる者のために
祈り続け、その尊い姿に
こころ打たれた人が食料を
恵んでくるれる、
そのような聖人の資質なのか?

こう考えるてみると、
何をもって生存能力とするかは、

どう生きるか、
どのような生き方を望むか、
生きるにあたって
どんな価値観に重きを置くか

それと引き離すことができない、
とわかります。

・・・

二つ目のややこしい点は、

その生存能力を
高く評価するにあたって、
その基準に
何をもってくるのか?

これが、
いろいろあり得るわけです。

先ほどの例の、
A、B、Cなら、
例えば、

10年後の家族の構成員数、
それが多いほど、
生存能力を高く評価できる、
と言えるかもしれません。

子孫繁栄
ということですね。

では、
Dの場合は、どうでしょう。

10年後の、お弟子さんの数
でしょうか?

それで評価できるかも
知れません。

でも、例えば、
最初の5年間、
お弟子さんがゼロだった、
でも、圧倒的な
自信をもって活動していた
聖人がいたとしましょう。

その人の自信って、
どこからやってくるのでしょうか?

とにかく、その聖人は、
自分の生存能力を
高く評価できていたわけです。

その生存能力は、
腕力でもなく、
召使い的センスでもなく
土地所有でもない。

その評価の基準は、
数字で数えられる子孫繁栄でも
教団の繁栄でもない。

他人からは伺いしれない
ものすごく主観的な
評価基準なのだろうと
推測はできます。

こうやって
感情リテラシーに沿って
整理してみると、

自信という感情って、
ものすごく、複雑で
繊細だな、ということが
わかります。

だからこそ、
歯車がかみ合わないと、
どんなに努力しても
自信がアップしていかない、
という悲しい状況にも
なりかねないわけです。

・・・

さて、今回は
ここまです。

むむむ?
前回の話と
どう、つながるのか?

次回の予告も兼ねて
少し、補足しますね。

診察で
他人軸」と呼んでいるものは、

他者と共有しやすい
価値観と評価基準
と説明することができます。

今回の例では、
A、B、Cですね。
彼らは、他人軸を中心にして
生きている。

その一方、
自分軸」と呼んでいるものは、

他者と共有しにくい
価値観と評価基準
と言えます。

今回の例では、
D、ですね。
彼は、自分軸を中心にして
生きている。

これって、どっちが
いい、悪いではなく、
両方、必要です。

そして、ここが
最大のポイントですが、

自己効力感
アップさせるためには、

この、
「他人軸」「自分軸」を
自在に行ったり来たり
できる必要がある、
という点です。

小椋の印象では、
日本人は、圧倒的に
他人軸しか持たない方が
多い。

だから、
他人軸に沿った努力で
成果が出続けるなら
自己効力感は上がるが、

必ず、壁が来ます。
(だって、両方、必要だから、
人の成長には・・・)

その時、
にっちもさっちも行かなくなる。

その時、
一旦、他人軸での
努力と評価を脇に置いて、

自分軸に沿った
努力と評価に切り替える。

ここ、ある意味、
孤独です。

でも、この自分軸で
自己効力感がアップする感覚が
得られたなら、
この孤独には耐えられます。

その熟成期間が、
他人軸の評価のアップに
つながる日を、
再び、呼び込むのです。

・・・

むむむ、
なんだか、このシリーズの
概略を先に伝えてしまった
感じです。

次回は、まずは
うつ病の療養の中の
具体例を引いて、
他人軸自分軸
自己効力感のテーマを
見ていきましょう。

・・・

自己肯定感の低さに
悩んでいる時、

Do:  
自信の感情リテラシーの
分析から、
他人軸、自分軸という
整理の仕方が導きだせると知る。
そしておいおい、
その整理の仕方に慣れて
自己効力感アップにつなげる。

Don’t:  
他人軸と自分軸の区別が
ピントこなくて悩む。
この後のシリーズで
具体例とともに
お伝えしますので
ご心配なく。

いかがでしたでしょうか?
同じ悩みをお持ちの方は、 
ぜひ一度、お問い合わせください。