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2022/11/21

自己肯定感を上げるためのコツ⑬:生存にかかわる現実と向き合っていない場合


さて、
自己肯定感をテーマにした
シリーズ、その13回目です。

前回は、こちら↓

ダニエル的瞬間の必要条件、
1:自分軸が認知できる。
2:自分軸を信じることができる。
3:自分軸を持つことへの恐怖がない。
4:生存にかかわる現実と向き合っている。
5:他人軸と自分軸とがあまり遠くに離れていない。
6:他人軸の評価が特定の他者に大きく依存していない。

前回はその中の
3:自分軸を持つことへの恐怖がない。
これを取り上げました。

今回は、
4:生存にかかわる現実と向き合っている。
これについて
取り組んでみましょう。

・・・

この条件が満たされず
困る場合とは、

生存にかかわる現実と向き合っていない、
という状況なのですが、

この状況のどこが
問題なのでしょうか?

その理解のためには、
自信という感情についての
復習が必要です。

自信とは
自分の生存能力を高く評価できる、
そんな状況で発信され、

生存競争に必要な周囲への警戒を
解く、という行動を促進する、
でしたね。

詳しくは、こちら↓

この理解に基づくと、
今回のテーマである
「生存にかかわる現実と向き合っていない」
という状況では
何がどう、うまく
いかないのでしょうか?

その状況では、
自分の生存能力を高く評価できる、
そんな機会を避けていることになるので、

自信という感情が発信されることがない、
という悲しい結果になります。

その場合、
仮に、ダニエル的瞬間の必要条件、
1:自分軸が認知できる。
2:自分軸を信じることができる。
3:自分軸を持つことへの恐怖がない。
が満たされていたとしても、

そして、さらに
日々の活動の中で、
自分軸に沿った努力を続けて
一定の手応えもなくはないし、

それが、他人軸の評価に
つながっていなくもない、
だから、ある程度の
自己効力感も、なくはない・・・

それなのに、
突き抜けるような自己効力感、
そして自己肯定感には、
とても届かない、程遠い・・・、
という状況になってしまいます。

日々の生活の中での
自分の立ち位置が、

「生存にかかわる現実」から
一歩も二歩も引いた地点で
活動していると、

そのような状況に
なってしまうのです。

・・・

このような状況の典型は
二つ、あります。

一つは、
生活が保障された環境での
引きこもりのケースです。

現実の対人刺激を伴う
社会参加は乏しいが、
自室内では、
いろいろな活動ができている。

チームで行う
オンラインゲームなどでは
リーダーを務めたり、

商品の目利きのセンスを活かして
通販での転売で
ちょっとお金を儲けたり。

そこで、手応えが
なくはない。

でも、
同世代の友人・知人が
会社でどんどん評価されたり、
結婚・出産などで
家庭での責任が増したり・・・
そんな噂を聞くと
ものすごくへこむ。

・・・

もう一つは、

今までの人生で
特に大きな挫折もなく
無難に会社勤務と家庭生活を
営んできて、
今現在、生活の不安は
基本的にはないが、
ずっと自己肯定感が不釣り合いに低い、
というケースですね。

引きこもりのケースとは
ずいぶんと生活状況は違いますが、

自分の生存能力を高く評価できる、
そんな機会から遠ざかっている、
その状況は全く、同じなのです。

きっとこの会社員の方、
そこそこの能力はあるのでしょう。
ちょっとした異動で
業務内容が変わっても
対応できてきた。

でも、リスクの高い選択肢は
本能的に避けてきた。
自分のスキルをより評価してもらえる
可能性のある同業他社への転職、など。

自分の力量のギリギリを、
失敗するリスクも引き受けつつ
試した経験が
ないからかもしれません。

どちらのケースも、
コンフォートゾーンから
如何に一歩を踏み出すか、
それが、課題、とも言えますね。

・・・

では、そのコンフォートゾーンから
どうやったら
踏み出せるでしょうか?

ポイントは、
どちらのケースでも、
失敗との付き合い方が
上手になる、
それに尽きるかと思います。

引きこもりのケースでは
人生のどこかで、
辛い失敗の経験があり、
それを乗り越えたという手応えを
持てていない場合が多いです。

会社員のケースでは、逆に、
失敗したという経験が乏しく、
当然、それを乗り越えたという経験も
乏しい場合が多いです。

どちらのケースも、
失敗が、
生存競争の敗者になることが
怖い、だから
生存にかかわる現実を
避けている、というわけです。

・・・

ここで、小椋の連想は、
1988年公開の米国のアクション映画、
『ダイ・ハード』の
パウエル巡査部長に飛びます。

大柄で愛想のよい黒人警察官なのですが、
犯人と間違えて子供を誤射した過去があり、
以来、銃の引き金が引けず
最前線の現場からは遠ざかっています。

テロリストが占拠したビルに
一人で立ち向かう主人公のマクレーン刑事を
無線で応援する会話の中で、
自分の過去に触れつつ、
パウエルがつぶやきます。

オレが新人の時、警官になるための
必要なあらゆることを教えてくれたが、
失敗と生きていくこと以外はな。

でもそのパウエルが、
映画のラスト、
事件が一件落着と思いきや
襲ってきたテロリストの残党を
見事、銃で撃ち抜くのでした。

・・・

ハリウッド的な
ベタなシナリオですが、
失敗との付き合い方の
ヒントはもらえます。

ポイントは三つ。

一つは、
まずは、失敗を受け入れる、
ということでしょうね。

パウエルは、
誤射の当初、そうとう
落ち込んだハズです。

おそらく、自ら望んで
事務系の職場に移ったのでしょうが、
当然、もやもやが続いたでしょう。

彼が語ります。
暗くて、その子供もよく見えなかったが、
おもちゃの光線銃を持っていて
本物そっくりに見えたんだ・・・。

彼なりに、
おそらく、同僚や上司にも
あまり相談できないまま、

その時、現場で出来たかもしれない
別の行動を一つ一つ挙げていき、
でも、咄嗟の判断で
そこまで新人ができたかどうか
いや、無理だったんじゃないか・・・
自問自答を繰り返したでしょう。

そして月日が経ち、
その自問自答にも疲れ、
でも日々の業務は続き、
自分の子供たちも成長していく中で
「失敗と生きる」ことを
自然と実践していったのかと
想像します。

それから、10年なのか、
20年なのか、わかりませんが、
映画の時点では、
引き金が引けない、以外は
巡回の業務も楽しそうに
こなしています。

彼なりに、
失敗を受け入れることが
出来ていたのだと思います。

そして、最前線の現場から
つまり「生存にかかわる現実」から
身を引いた今の立ち位置も、
受け入れていたのでしょう。

その境地に至るには、
失敗の中身、それ自体を
しっかり反芻する、
何が出来て、何が無理だっか、
しんどいですが、
その、こころの作業が
不可欠なのでしょう。

いわば、飲み込みにくいものを
ゴックンと飲み下す、
とでもいいましょうか。

そして、その上での
時間の経過、でしょうね。

・・・

二つ目は、
「生存にかかわる現実」が
向こうからやってきた時、
受けて立つ、
ということでしょう。

クリスマス・イブに
まさか大事件に巻き込まれるとは
パウエルも思っていなかった。

でも、一面識もなく、
無線での声のやり取りだけなのに、
マクレーンを心底、大好きになってしまい、
あきらめるんじゃないぞ、
生きてビルから出てくるんだぞと
声をかけ続ける。

そのボロボロのマクレーンに
やっと対面できたその瞬間、
残党がヌッと背後に立ち現れる。

パウエルの真正面、
マクレーンの肩越しに
一直線の至適な射撃位置。

やっと会えたマクレーンを
このまま射殺されてたまるか。

彼をおいて誰が撃つ?
だから、彼が撃った。
撃つしかなかった。

引きこもりのケースでも、
会社員のケースでも、

仮に今、
コンフォートゾーンに
居たとしても、

いつか、
そしておそらくきっと、
人生の方から
「生存にかかわる現実」が
やってきます。

パウエルが
そうだったように。

明日なのか、
10年後なのか、
誰にもわかりませんが。

どんな現実がありえるか
そのイメージトレーニングをすることは
有用でしょう。

その時、
コーチングのコツにそって
できるだけリアルに
想像してみることを
おすすめします。

新ホメオスタシスにする、
ということですね。
復習はこちら↓

特にその際、
自分にとっての
譲れない価値観を自覚すること
有用です。

パウエルの場合、
初対面なのに大好きになった
マクレーンへの思い、
でしょう。

きっと、
刑事はこうあるべきだという
自分の理想をマクレーンに
重ねていたと思います。

パウエルは、
マクレーンという一人の人間だけではなく、
自分の理想も、
守りたかった。

だから、
このイメージトレーニングをする際に、
人生から押し寄せる
生存にかかわる現実と、
譲れない自分の価値観、
その対決、という設定が
よいですね。

・・・

そして、三つ目。
いつか訪れるであろう
その「生存にかかわる現実」を
迎え撃つ練習を
こっそり、始める。

パウエルなら、
事務系の仕事を継続しながら、
同僚にも言わずに、
射撃練習を射撃場で始める、
などになるでしょう。

映画のシナリオには
その辺りのエピソードは
全くありませんが、
いま、彼を想像すると、
きっとやっていたように思います(苦笑)。

でなければ、
あんな見事に
撃ち抜けないでしょう。

そして
その過程自体が、

自分軸に沿って自分を成長させる、
失敗と付き合っていける自分を育てる、
そんな時間に
なるわけです。

失敗しても
それと付き合える自分って
最強です。

その手応えが
得られれば、

人生の方から
「生存にかかわる現実」が
押し寄せてくる前に、

自ら、その場に
打って出ることも
できるようになります。

・・・

さて、今回は
以上になります。

次回は、
ダニエル的瞬間の必要条件、

1:自分軸が認知できる。
2:自分軸を信じることができる。
3:自分軸を持つことへの恐怖がない。
4:生存にかかわる現実と向き合っている。
5:他人軸と自分軸とがあまり遠くに離れていない。
6:他人軸の評価が特定の他者に大きく依存していない。

の中の
5:他人軸と自分軸とがあまりに遠くに離れていない。
これについて
取り組んでみましょう。

・・・

自己肯定感の低さに
悩んでいる時、

特に、
生存にかかわる現実と
向き合っていない場合、

引きこもりのケースの場合、
Do:  
・失敗を受け入れた上で、
・来るべき「生存にかかわる現実」を想定し、
・譲れない自分の価値観の自覚とともに、
・具体的なシミュレーションを開始し、
・結果的に自分軸での成長を図る。
Don’t:  
・失敗を受け入れようとしない。

会社員のケースの場合、
Do:  
・人間は失敗を受け入れることができるという
実例(伝記等)で学んだ上で、
・来るべき「生存にかかわる現実」を想定し、
 例:身体疾患・社会構造の変化などによる失職
・譲れない自分の価値観の自覚とともに、
・具体的なシミュレーションを開始し、
・結果的に自分軸での成長を図る。
Don’t:  
・失敗はしてはいけないと思い込む。
・譲れない自分の価値観をあいまいなままにする。

<編集後記>
長文になりましたが、
それでも、具体例が乏しくて
わかりにくいかもしれません。
本来は、数回に分けてもよい内容です。
さらに、補足すると、
どちらのケースでも、
もう一つのアプローチがあります。
譲れない自分の価値観にフォーカスを当てて、
コンフォートゾーンにいる現状が既に、
その価値観を傷つけている、
だから現状が既に
「生存にかかわる現実」だ、
と捉えるものですね。
その価値観を守るためにできることから
始める、ということです。

いかがでしたでしょうか?
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