うつ病の治し方:しんどいパターンを探せ
さて、今回は、
前回の続きです。
未読の方は、
うつ病の治し方:許せない気持ちの整理法
をご確認ください。
解消されない怒りが、
病状を長引かせている場合。
そして、マンダラチャートに
ある程度、
状況が書き込めたとしましょう。
その先、どうすればいい?
最初のステップは、
自分のしんどさが、
かたちを変えて、
繰り返されていないか?
そのパターンを、
チャートの中から発見する、
という作業になります。
前回の架空の例を活用して、
(仮名:A子さん)
具体的にその作業を
追ってみましょう。
A子さんは、
担当医と一緒に
チャートを見ながら、
すぐに、
次のことに気がつきます。
夫の家庭内暴力のダメージは、
父から受けたダメージや、
母から受けたダメージと、
すごく似ている。
同じようなダメージを
受けたことがないか?
と担当医が問うと、
実は、結婚前の彼氏が、
付き合いが長くなると、
だんだん暴言がきつくて、
別れた、と。
担当医は、
A子さんが、
両親のダメージを
どのような心持ちで
乗り越えてきたのか?
また、
理想の男性像は?など、
A子さんの連想を
広げるように
質問を続けます。
すると、だんだん、
ひどく負けん気が強い自分。
勝ち負けにこだわる自分。
自分をリードしてくれる男性が理想、
などがまとまってきます。
すると、担当医が、
今後は逆に、自分が人に、
ダメージを与えたことは?
と問います。
A子さんは、キョトンとします。
そんなことは、あるのか?
職場では、どうだったか?
と担当医。
そうね・・・
寿退社の直前の様子を、
走馬灯のように思い出してみる。
すると、チャートには、
全く書き込みはないが、
実は、複数の同僚の女性から、
陰湿ないやがらせを受けていた。
負け犬のひがみよ、と
一層、高圧的な態度で
その同僚に接していた、と。
仕事の遅さを必要以上に指摘し、
バカにつける薬はないわね、
そんな自分のセリフも、
思い出された。
その時、
A子さんの表情が、
にわかに、ひきつる。
それ、誰かに、
似ていませんか?
と担当医。
そう・・・
母に・・・
父に・・・
元夫に・・・
私って、
同じ・・?
この淡い気づきは、
A子さんには、衝撃でした。
引き続き、
その意味するところを、
担当医と探った結果、
(2ヶ月かかりました)
次のように、A子さんは、
自分のチャートを
整理することができました。
勝つか負けるかで生きてきた。
勝者は敗者を見下せると思ってきた。
結局、自分の対人関係は、
勝者か敗者、
そのどちらかに、なるだけ。
頼れる男性を求めると、
自分が敗者になるのは、当然か。
わけもなく、
A子さんの頬に、
涙が落ちました。
いままでバラバラだった
自分の人生が、
ある一つの視点から、
見渡せる気がしました。
同時に、
元夫への怒りが、
なんだか、奇妙な感じで、
変わっているのも、
わかりました。
そして、今は、
自分の娘に、
同じことをしている、
そのことも、
見えてきました。
・・・
さて、
どんな印象をもたれましたか?
A子さんの気づきを
もたらしたものは、
自分のしんどい、
混沌とした人生の中で、
かたちを変えて
繰り返される、
ある一つのパターン、
その自覚です。
なぜ、その自覚が、
解消されない怒りを、
変化させることができたのか?
パターンがわかると、
ヒトは、
冷静になれます。
だから、
元夫との関係が、
自分の人生の中で、
延々と繰り返されてきた舞台の、
たった一幕だったのだ、
と理解できると、
その一幕で起きていた激怒は、
意味を、質を、程度を、
変えるのです。
さて、
解消されない怒りが、
病状を長引かせている時、
Do:
チャートの中から、
繰り返されているパターンを
見つける。
Don’t:
そのパターンを見つけることを
怖がる。
・・・
もちろん、
A子さんのセラピーは、
これでおしまいではありません。
パターンを変える、
それがまた、大変です。
そもそも、このパターンと
うつが、
どんな関係にあるのか、
その辺りも、今回は、
時間がなくて、扱っていません。
さらに、これは
A子さんのパターンであって、
解消されない怒りを生む
他のパターンもあります。
でも、
パターンを見つける、
これは、とほうもなく、
重要です。
最初の、でも、
大きな一歩です。
いかがでしたでしょうか?
同じ悩みをお持ちの方は、
ぜひ一度、お問い合わせください。
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