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2017/04/11

発達障害とは:その特性は変えられないと思っていませんか?

発達障害のテーマが続いています。

前回は、

自閉症スペクトラムの特性を、
(+):「宇宙のメカニズム」を信じる
(ー):「ヒト」を信じる、が少ない
と整理しました。

(+)の特性の結果、
数字、機械などに関する能力が発達し、

(ー)の特性の結果、
ヒトとのコミュニケーションに関する
能力の発達が、遅れる、

という状況を見てきました。

前回はこちら↓
発達障害とは:自閉症スペクトラムという少数派の意義

今回は、
実際のケースを見ながら、
(+)(ー)の実情を
確認していきましょう。

実在する複数の方をブレンドし、
個人情報に配慮したかたちで、
ケースを2つ、ご紹介します。

・・・

A君、27歳、男性。
保育園の頃より、
集団行動が苦手(—)、
言葉の発達も遅く(—)、
こだわりが強く( )、
一人遊びが多かった( )(—)。
そのため、
小学校からは特殊学級で勉強した。
この時点で、
自閉症スペクトラムと診断された。
でも、なんでも、
こつこつやるので( )、
だんだん、
言葉も、集団行動も、
できるようになっていった。
高校卒業後、
電子部品の組み立ての仕事に就いて、
他の同期より、
できはよいぐらいだった( )。
でも、予定外の仕事を言われると
パニックになるので(–)、
周囲に配慮してもらっていた。
こつこつお金を貯めて( )、
念願のマイカーを買った。

A君の場合、
最初は、( )(—)で、
不適応が強かったが、
現在、
( )の創造的な面が活かされ、
(—)が、(–)ぐらいに、減っている、
という状況ですね。

A君のケースのポイントは、
二つあります。

一つ。
(-)は、
固定したものではない、
ということ。

発達が遅いだけで、
成長の過程で、
発達していく余地がある。

もう一つ。
( )は、
状況次第で、
本人の生きる力の源になりえる、
ということ。

その状況とは、
(-)の不適応の程度がある程度、
改善されていること。
そして、
( )を活かす環境がある、
ということ。

・・・

Bさん、48歳、男性。

物ごころついた頃から、
宇宙のほんとうの仕組みを
知りたいと思っていた( )。
早熟で、
いろんな本を読み漁ったが( )、
満足しなかった。
小中高と成績優秀。
医学部を卒業し、
麻酔科医になった。
病院でバイト勤務する一方、
分子生物学を皮切りに、
物理学、素粒子学、経済学と、
大学院で研究を続けた( )。
しかし、病院勤務ではいつも、
スタッフとのトラブルが
絶えなかった(–)。
なぜ自分だけ嫌がらせをされるのか、
かなり悩んだ(–)。
30代も後半にさしかかったある日、
新聞記事をきっかけに、
自分は自閉症スペクトラムではないか、
と気づいた。
関連書籍を読み漁り( )、
今までのスタッフとのトラブルが、
すべて、腑に落ちた気がした。
その後、
スタッフとの関わりを修正していった。
特に、相手の気持ちを、
言葉で確認するよう務めた( )。
その結果、
以前より、ずいぶん、
職場でのストレスは減った(-)。
そして一層、
研究に集中できるようになり、
宇宙のほんとうの仕組みに
一歩一歩近づく喜びを
かみしめる日々を過ごしている。

Bさんのケースのポイントは、
二つあります。

一つ。
不適応の程度が不十分で、
自閉症スペクトラムの診断はつかないが、
( )(-)の特性が十二分に認められる、
という状況がありえる、
ということ。

逆に言えば、
環境次第では、
不適応が強まり、
診断に至る、という状況が
あり得る。

例えば、Bさんが、
職場ストレスからうつ病を合併し、
休職に至ったなら、
自閉症スペクトラムの診断が
ついたでしょう。

もう一つ。
(–)の不適応を、
( )の特性で補うことができる、
ということ。

Bさんは、
「場の空気を読む」ことが苦手だ、
という不適応(–)を、
相手に丁寧に気持ちを確認するという、
分析的な方法( )で補う、
という対策をとっています。

・・・

さて、
自分が発達障害かどうか、
気になる時、
まずは、

Do:
自閉症スペクトラムの
( )(-)の特性は、
置かれた環境によって
その価値が変化し、
持続的な努力によって、
発達させ続けることができると、
知る。

Don’t:
自閉症スペクトラムの
( )(-)の特性は、
変えようがないと
思い込む。

いかがでしたでしょうか?
同じ悩みをお持ちの方は、
ぜひ一度、お問い合わせください。