磁気刺激療法(TMS)は、積極的に活用されている海外に比べ、日本で扱っている医院はとても少ないのが現状です。抗うつ薬の効果が乏しく、長引く「うつ」に苦しむ患者さんを多く診療してきたため、開院時には、是非、この新しい治療方法を導入しようと計画しておりました。
磁気刺激療法(TMS)について
<お知らせ>
現在、TMS治療は諸般の事情で実施を中止しています。
うつ病、躁うつ病をはじめとする気分障害に関するセカンドオピニオンは実施しています。
療養に行き詰まりを感じておられる方はご相談ください。
「磁気刺激療法(TMS)」は、「transcranial magnetic stimulation(=経頭蓋磁気刺激)」の略で「頭蓋骨の外から、頭蓋骨を経由して」という意味となります。正確には反復して刺激を加えるので「rTMS(r= repetitive/反復))」といいますが、一般に「TMS」「磁気刺激」「磁気刺激療法」と呼ばれる場合が多いです。
磁気刺激療法(TMS)では、コイルが生む磁気により、脳の神経細胞を刺激します。当院では左側の前頭前野という、うつ病と関連性が高い部位を刺激します。その部位に約0.1秒のわずかな間だけ電流を発生させ治療を行います。
磁気刺激療法(TMS)が得意とするのは「抗うつ薬が効きにくいうつ病」ですが、現在では、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、統合失調症、アルツハイマー型認知症などの精神疾患、脳梗塞の後遺症、パーキンソン病などの疾患、慢性疼痛、耳鳴などの疾患にも応用が広がっています。
- 欧米諸国では保険が適応されている新しいうつ病の治療法です
- 抗うつ薬などの薬物療法が効きにくい方ほど、その効果が期待できます
- 抗うつ薬でみられる、吐き気、眠気などの副作用はありません
- 麻酔を使用する電気けいれん療法(ECT)にみられる、麻酔の合併症、物忘れ、せん妄などの副作用はありません
- 抗うつ薬と比べ、短期間で治療効果が現れます
こんなことでお悩みではありませんか?
- 抗うつ薬を何年も飲んでいるが効果が感じられない
- 抗うつ薬で一時的に回復しても、再発を繰り返してしまう
- できるだけ精神科のお薬は飲みたくない
- 電気けいれん療法(ECT)は、もの忘れなどの副作用がこわい
- 抗うつ薬以外のお薬や、認知行動療法も試したが、効果がない
磁気刺激療法(TMS)の効果
抗うつ薬は6~7割の方には効かないというデータがあります。その結果、抗うつ薬の種類と量がどんどん増えてしまいます。
右図の、右赤枠内のように抗うつ剤が効きにくく、たくさんの薬を処方されていた方ほど、TMSの効果が高い事がお分かりいただけると思います。(数字は寛解率)
右図の、右赤枠内のように抗うつ剤が効きにくく、たくさんの薬を処方されていた方ほど、TMSの効果が高い事がお分かりいただけると思います。(数字は寛解率)