睡眠とリラックスのための呼吸法:「安心モード」を呼び出せ
前回に引き続いて呼吸法です。
前回は、呼吸法の段取りの中の、
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・いちばん安心できる場所を思い描いて。
について、
そもそも、安心感がなぜ大切か、
というお話でした。
詳しくは、こちら↓
睡眠とリラックスのための呼吸法:「安心できる場所」の大切さ
今回は、実際にできるように、
具体的なヒントをお伝えします。
まず、自分にとって、
安心できる場所のイメージって、
持てますか?
持てるなら、OK。
このメルマガの後半まで
お待ちください。
持てない方は、
「場所」に限定せず、
探してみてください。
安心できる「人」や「ペット」。
安心できる自分だけの「グッズ」。
あるいは、
安心できる状況。
例えば、
毎年お正月、親戚があつまって
団欒している状況、とか。
または、
安心できる特定のからだの感覚。
例えば、
温泉にゆったり入っている時の、
からだの感覚。
安心できる音・・・
小鳥のさえずり・・雨だれ・・・
安心できる音楽・・・
バッハ・・B’z・・
架空の状況でもよいです。
例えば、
映画のワンシーンの、
その登場人物になった状況、
などでもいいですね。
例えば、
映画『タイタニック』のラスト、
ローズがジャックに再会し、
乗客の皆から祝福さる場面、
とか。
「安心」というキーワードが
ピンとこない場合は、
上述の例を、
「落ち着く」、あるいは
「好きな」に置き換えて、
探してみてください。
多忙な仕事の合間、
ちょっと席を離れて、
タバコを一服、
その瞬間が、落ち着く。
時間を忘れて
ゲームに没頭している時が、
一番、落ち着く。
ひたすら轟音の中で、
パチンコを打ってる、
その時間が好き。
サッカーのTV観戦が、
一番、好き。
とにかく、
気の合う人と
しゃべっている時が好き。
また、
ちょっと、
人には恥ずかしくて言いにくい、
そんな状況でも、
OKです。
例えば、
絶対誰にも邪魔されない、
誰にも見られることのない、
この世で唯一、完全個室の、
トイレに座っている時が、
実は、一番、落ち着く。
あるいは、
実は、何もやっていない
ぼーっとしている時が、
一番、落ちつく。
こうやって、
自分が楽にいられるモードを
探すことは、
自分のケアへの
大切な一歩です。
なので、
あきらめずに、
探しましょう。
それも、
すでに自分が
無自覚にやっていることから
探すのが、
コツです。
それが一風、変わっていても、
ちょっと、人に言いにくくても、
関係ない。
自分に正直になりましょう。
あるPSMの方は、
机に指でぐるぐる
うずまきを書いているときが、
フラッシュバックのしんどさから、
ちょっと、
距離をとることができる瞬間だと
教えてくれました。
あなたが見つけたモードは、
どんなモードですか?
・・・
さて、ここからが、
後半です。
(むむ、長文・・)
そのモードを
ちょっとだけ、
分析してみましょう。
(今後、そのモードを
「安心モード」と呼びましょう)
この時、またまた、
第10号でご紹介した
6つのチャンネルが、
役に立ちます。
詳しくは、こちら↓
うつ病の治し方:苦手なあなたのための瞑想入門
私たちは、何かを体験するとき、
その情報を得る「チャンネル」が
6つ、あります。
・視覚
・聴覚
・身体感覚
・身体運動
・他者との関係
・世界との関係、の6つ、
でしたね。
見つけた自分の
「安心モード」が、
6つのチャンネルの、
どこから来る体験なのか、
さぐってみてください。
例えば、
「安心モード」が
「温泉」の場合、
・視覚
湯気、お湯のゆらめき、露天の景色・・
・聴覚
残響、お湯のあふれる音・・
・身体感覚
お湯の温度、濡れた裸の感覚・・
・身体運動
お湯に手足を浮かせる動き・・
・他者との関係
見知らぬ他人との一時のすれ違い・・
・世界との関係
日常生活の世界から隔絶している・・
など、いろんな体験が
それぞれのチャンネルから
入ってきますね。
これを、まずは、
書き出してみてください。
自分で読んで、
かなりリアルに
感覚として再現できるぐらいに。
そして、次は、
このチャンネルの中で、
どの体験が、
一番、
自分の「安心モード」に
貢献しているか、
さぐってみてください。
お湯の温度なのか、
湯気なのか・・・
はたまた、
日常生活を離れたことなのか・・・
もちろん、どれも、
関係しているでしょうが、
一つだけ選ぶのがコツですね。
(ハッと直感で選んでOKです)
それが、身体感覚の、
温まる感覚だったとしましょう。
すると、
そのチャンネルへの刺激を、
あなたの「安心モード」を
呼び覚ます、
「スイッチ」(きっかけ)に
育てていくことができます。
練習して、
上達すると、
次のような流れで、
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・いちばん安心できる場所を思い描いて。
が、できるようになります。
からだを温める、
という刺激を、
何かのかたちで、
実際にやってみる。
足浴・・
お湯で顔をふく・・
カイロ・・
手をしっかりこする・・
その身体感覚に
注意を集中する。
あ・た・た・ま・る・・
温泉に入ったときの、
あの、温かい感じ、
それを可能な限り、
感覚で再体験する。
それが、しっかり
体験できたら、
次は、順番に、
他のチャンネルも、
再現していきます。
視覚・・
聴覚・・
身体運動・・
他者との関係・・
世界との関係・・
ここまで、
丁寧に取り組めば、
その時間は、
いつもの
バタバタした時間とは別の、
不思議な、
エアポケットに入ったような
時間になっているはずです。
じわーっと、
温泉で味わった感覚の
エッセンスが、
自分の中に、
呼び出されてきます。
最初から、
うまくはいきません。
でも、
練習を続けると、
できるようになりますよ。
ヒトは、
そのような能力を
もっているんです。
開発する努力を
払うかどうか、ですね。
呼吸法を練習するとき、
毎回、温泉に入ることは、
できませんね。
でも、
自分の「安心モード」が、
チャンネルに分解して
自覚されていて、
最初のスイッチを
入れるコツを身につければ、
「安心モード」を
バーチャルで、
呼び出すことができます。
それを、
呼吸法の段取りの
2 イメージ
・いちばん安心できる場所を思い描いて。
で、活用できるわけです。
さて、まとめましょう。
Do:
・自分の体験の中から、
「安心モード」を探し出す。
・そのモードを6つのチャンネルで
分析して、
「スイッチ」を決めておく。
・必要なときに
「安心モード」を呼び出す
練習を繰り返す。
Don’t:
・「安心モード」を
探すことをあきらめる。
・「安心モード」は見つけたのに
それを呼び出す練習を
あきらめる。
このスキルが身につけば、
呼吸法の段取りの中だけでなく、
どんな状況にも、
応用できます。
なぜなら、
瞑想の基礎訓練に
なっているからですね。
ポイントは、
どれだけ、
注意を向けたいものに、
注意を向けられるようになるか。
まさに選択的注意です。
これに尽きます。
詳しくは、こちら↓
睡眠とリラックスのための呼吸法:チャンネルへの選択的注意
次回は、いよいよ、
呼吸法の段取りの
3 調息
・鼻から吸って、口から吐いて。
に入ります。
いかがでしたでしょうか?
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