悪夢への対処法:メッセージを探せ!
今回は、快眠を邪魔する
悪夢への対処法を考えてみましょう。
ハッ、と起きると、
なんだ・・・、夢、か・・・
でも、息は荒く、
汗もじっとり・・・
いやですよね。
悪夢がひどいと、
寝ること自体が怖くなる、
そんなPSMの方もおられます。
地味ですが、まずは、
よい睡眠をとるための、
「睡眠衛生」
をチェックしましょう。
詳しくはこちら↓
寝付けませんか?:睡眠衛生の基本をチェックしましょう
それでも続く場合、どうする?
「つらい症状は、
解読されることを待っている、
メッセージなんだ」
「それが解読されれば、
症状は消える」
プロセス指向心理学を創始した、
アーノルド・ミンデルの考え方です。
実際の事例で説明してみましょう。
(個人情報は修正しています)
・・・
優秀な総務副課長の中年女性。
上司のパワハラをしのぎながら、
職場を支えて来たが、
部下の病欠で一気に疲弊。
職場で訳もなく涙が出る。
夫は、休養をすすめるが、
責任感から、
体をひきずり出勤を続ける。
不眠、悪夢で、外来を受診。
「毎晩、泥のような汚水が
押し寄せてきて、
どんどん、流されていくんです」
職場の状況を丁寧に聴いていくと、
抑え続けている上司への怒り、
部下への責任感、
自分のプライドと、孤独、
こんな情けない状態への自責…
いろんな感情が、
とめどもなく溢れます。
自分のこころの内を
さぐり続けるような、
あるいは連想にまかせるような、
軽く目を閉じた表情で。
その有り様にシンクロし続けると、
私の中から、自然にポロリと、
「その夢、いまのあなた、
そのもの、ですよね」と。
彼女の目が大きく見開かれて、
「なんでこんなに汚い水に、
私がまみれないといけないの!」と。
自宅療養を提案すると、
すんなり受け入れ、
その晩から、
悪夢はなくなった。
・・・
もちろん現場は、いつもこんなに、
分かりやすくはありません!(苦笑)
でも逆に、
ポイントを整理するには、
適切な事例だと思います。
この悪夢のメッセージ、
なんだったと思いますか?
正解は一つではないし、
周囲が決められるものでもない。
彼女もはっきり言葉に
できないかもしれない。
でも、確かに受け取ったから
行動も起こせたし、
悪夢もなくなっている。
このメッセージを受け取る、
コツは、なんでしょうか?
A ある種の瞑想状態に入る
外来に来るまでの彼女は、
洪水の真っ只中にいたようなもの。
その中から、少しだけ、冷静に、
心身を引き離す、その感覚ですね。
瞑想というと
「無になる」みたいに
思われるかもしれませんが、
その感覚で十分です。
また、外来の彼女は、
酔っ払って愚痴を言い続ける
状態とも違います。
「冷静」の中には、
「醒めてる」感覚を含みます。
Aはとても大切なので、
次回、
「瞑想って、やった方がいいですか?」
として、整理してみます。
詳しくは、こちら↓
うつ病の治し方:苦手なあなたのための瞑想入門
B 対立軸を探す勇気を持つ
悪夢では、何と何が、
対立しているのか?
現実生活では、どうか?
一見、彼女とパワハラ上司との
対決にみえますが、
Aの瞑想状態で、
語ること、連想することを
続けると(増幅法と言います)、
ほんとうの対立軸が見えてきます。
がんじがらめで、八方塞がりの
彼女の状況は、
彼女の中の、何と何との、
対立の結果なのか?
この作業には、
エネルギーと勇気が必要です。
だから、
体調が許すとき、
あるいはセラピストと一緒に、
取り組むと、安心でしょう。
C 俯瞰(ふかん)する感覚を持つ
高いところから、見下ろす、感覚です。
中島みゆきさんの
「つばめよ 高い空から
教えてよ 地上の星を」
あれ、ですね。
Bの状況を「俯瞰する」。
彼女の場合、
私が、面接の流れの中の
適切なタイミングで、
悪夢自体が、
現状の「俯瞰図」になっていることを
伝えたわけです。
すると、不思議ですが、
ポンと、悪夢のメーッセージがわかる。
言葉にできるかどうかは別として。
仮に、推測して、言葉にしてみると、
「お前はいつまで、こんな汚物に
まみれているつもりなのか?!」
「お前が意地になっているものは、
これほど貶められてまでも、
死守する必要があるのか?!」
とか、かな。
さて、まとめると、
同じテーマの悪夢が続き、
もう勘弁して、となったとき、
Do:
勇気をもって、
悪夢のメッセージを探す。
Don’t:
朝になったら、
またフタをしてしまう。
いかがでしたでしょうか?
同じ悩みをお持ちの方は、
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