うつ病の治し方:活動記録表は家計簿である
さて、今回は、
認知行動療法などで、
基本的なツールとなっている、
活動記録表。
深夜の0時から24時間刻みの一日が
月曜から日曜まで並んで、
その日の活動と、
自分の状態が記入できる、
日誌、ですね。
※おすすめの、日本うつ病学会のフォーマットは→ここ
うつ病、躁うつ病の方は、
主治医から、
書いて、診察で見せなさい、
と言われている場合、
多いでしょう。
私も、その一人ですが・・・
でも、あれ、
メンドウですよね(苦笑)
このメンドウな感じは、
家計簿をつけるのに、似てます。
でも、メリットも、
家計簿に似てます。
どこに無理があって、
どこを加減すれば、
貯金、あるいは健康が、
貯まるのか。
そのヒントが、
ちゃんと見ると、
詰まってます。
例えば、
ここの予定が
詰め込みすぎたから、
この日の朝、
起きられないぐらに
疲れてしまった。
あるいは、
この日の友人との
ちょっとした会話が、
いま思い出せば、
次の日の落ち込みの、
きっかけになっていた、
とか。
そのヒントを活かして、
自分の行動を
こつこつ修正していくと、
2ヶ月後とか、
半年後とか、
以前の記録と比べて、
格段の進歩が一目瞭然。
・・・なんてストーリーが
教科書的な活用法ですね。
でも、これ以外にも、
いろんなレベルでの効果、
ありますよ。
⚪️自分の生活に、他人の視線が入ってくる。
これだけで、
生活が変わるPSMの方、
おられます。
生活リズムが整ったり、
パニック発作が減ったり。
重なりますが、
⚪️他者の評価が励みになる
朝、ちゃんと
起きられるようになり、
記録表が
きれいにそろってくると、
「ほら、見て見て!」
と子供のように、
自慢したくなる。
⚪️自分も主治医も気づかなかったものが見えてくる
何気なく記録した、
夢の断片や、
当たり前と思って
やってきた行動とかが、
診察で大切な話題に
なることもあります。
⚪️診察が効率的になる
本人も主治医も、
全体が見渡せるし、
必要に応じて、
細かな点につっこめるし、
診察の台本として、
役立ちます。
でも、
やっぱり、
メンドウですね(苦笑)
そこで、ちょっとでも、
メンドウを減らせるような、
工夫をまとめてみます。
・起きて、寝る
その時間だけ、書く
これなら、できるだろう!
でも、それだけでも、大進歩。
自分の行動を記録する、
という習慣への第一歩。
その次は、食事の時間を追加する。
★夜にまとめず、昼にも書く
午前中のことを、ちょこっと、
昼食時に書く習慣をつけると、
ずいぶん楽です。
★書けないときは、空白OK
空白も、重要な情報。
必要なら、主治医が
つっこんで聞いてくれるでしょう。
★記録表のフォーマットにこだわらない
日記なら書ける、あるいは
現に書いてる人なら、
文章のみの記録でも、OK。
最近は、スマホのアプリで、
活動記録表、
いろいろ、出てます。
それらの活用、大歓迎。
一つ、具体例を。
ある初老の女性で、
長年のうつ病で、引きこもり。
いろいろな抗うつ薬を
試しても、変化なし。
パジャマのままで、
昼間も自室で過ごす。
睡眠リズムもバラバラ。
同伴の長男と相談し、
日中、普段着に着替え、
リビングで過ごす時間をつくり、
活動記録表を書く。
徐々に、
リビングで過ごす時間を延長し、
2ヶ月後には、
睡眠時間が整いはじめ、
ダイエットがしたいと、
腹筋運動を始めた。
本人は、変化の自覚が乏しいが、
記録表を見ると、
確かに、そうですね、と。
以前より歩幅も大きく、
表情も明るくなっている。
ちょっとした行動療法と
それを支える活動記録表。
地味ですが、偉大です。
つきつめると、
無自覚の行動を、
記録することと、
他者と共有することで、
自覚する、
という、
人が成長する過程で、
とても、重要な
ポイントをついているんです、
活動記録表って。
だから、逆に、
ものすごくこまかな
記録表を書いていても、
ぜんぜん、行動が変わらない
PSMの方も、おられます。
その場合は、
その人に決定的に重要な、
無自覚の行動が、
書かれていない、
あるいは、
読み取れていない、
あるいは、
それを修正する意志がない、
はずです。
その場合、
よく書いてますね〜
じゃなくて、
そこに欠けているものを
探すのが、主治医の役目。
さて、
活動記録表を
書いた方がいいと
分かっていながら、
メンドウな時、
Do:
書くことのメリットを再確認し、
モチベーションを上げる。
あるいは、
いまの自分にできるやり方を、
工夫してみる。
Don’t:
あきらめる。
いかがでしたでしょうか?
同じ悩みをお持ちの方は、
ぜひ一度、お問い合わせください。
当院の「うつ完全脱出プログラム」では、
活動記録表が大活躍!
詳しくは、こちら↓
磁気刺激療法・TMSを中核とした「うつ完全脱出プログラム」とは