精神疾患で働けない自分は怠け者か?①:背景にある「べき思考」
さて、今回は、
療養中のPMSの方が
大なり小なり、
こころに秘めている負い目について、
考えてみましょう。
働いていない人は、
怠け者だ。
そう、思いますか?
そう、思っているPSMの方が、
すごく、多い印象です。
そして、自分が
働くことができていないと、
そんな自分は怠け者だ、
と自分を責め続ける。
それが、一層、
病状を悪化させている。
うつ病であろうが、
発達障害であろうが、
統合失調症であろうが、
摂食障害であろうが、
疾患による差は、
ほとんどないように思います。
このしんどい感じは、
まさに、
前回まで扱ってきた
マイナス思考によるものですね。
働いていない人は、
怠け者だ。
その「信じる」(信念)が、
適切なゴールの設定も、
情報収集も、すっ飛ばして、
働いていない、という
その事実に該当する人すべてに、
短絡的に、
怠け者、というレッテルを貼る。
そして、そこに、
自分が含まれている…
悔しさ、みじめさ、悲しさ
申し訳なさ、あきらめ…など
いろんな感情がこみあげてくる…
これ、
なんとか、
修正したいのですが…
・・・
実際に、
前回まで取り組んできた、
認知リテラシーにそって、
一緒に、やってみましょう。
まず、
ゴールの設定。
あなたら、
どう、設定しますか?
これから、
大切なエネルギーを使って
思考するわけですから、
せめて、これぐらいの成果がほしい…
理想を言うと、これぐらい…など、
複数の選択肢を用意してみてください。
目下、小椋は、
次のように設定してみます。
X:
とにかく、
このマイナス思考の悪循環を止める。
そのためには、
A:この信念を、
そこまで信じなくてもいいかもしれない、
という気分にちょっとでもなる
B:この信念が、
どこから自分に入ってきたのか、
わかるようになる
C:この信念にかわる、
働くことについてのイメージが
もてるようになる
D:今回、わからなくても、
機会をみて、また、考えてみる
もちろん、これは、
サポートする側からの発想になります。
これと全く同じである必要はありませんよ。
Bがわかると、
Aがやりやすくなりますし、
Cにもつながっていきます。
・・・
さて、次は、
情報収集です。
今回は、
働いていない人は、
怠け者だ。
この信念が、
思考をゆがませていることは、
ハッキリしています。
この信念を、まずは、
つぶさに、検討しましょう。
敵を知る、
という感じでしょうか。
まず、気になるのは、
「怠け者」という言葉。
これ、もちろん、
とてもネガティブな意味で
使われていますが、
具体的には、
どういうこと?
たぶん、
・生産的なことをしていない
・社会に貢献していない
・限界まで努力していない
・最低限のこともしていない
・他人のサポートを前提にして生きている
・社会にとっては負担
こんな意味あいが、
ないまぜになって、
その言葉に込められているように
思います。
どう、思いますか?
・・・
ちなみに、
いま行った小椋のこの作業、
ある種の情報収集なんです。
今までにお会いした多くの
PSMの方の記憶をもとに、
おそらく、こんな意味を
こめて使っていただろう、
という記憶の想起、ですね。
そういう形での、
共感、とも言えます。
・・・
さて、ここで、
その情報を、別の形で、
整理してみましょう。
働いていない人は、
怠け者だ。
この信念は、
裏返すと、
どうなるでしょうか?
人というものは、
限界まで働くことで、
生産的なことを行い、
社会に貢献し、
その結果、
他人のサポートがなくても
最低限のことは自分で行える、
社会の負担にならない、
そんな人であるべきだ、
という信念になります。
(これを実行している人を
「働き者」と仮に呼びましょう)
この「働き者」、
確かに立派ですが、
他人から強要されると、
ちょっと、
うっとうしくないですか?
(苦笑)
でも、これを、
このマイナス思考にとらわれた方は、
自分で自分に強要してますよ!
・・・
さて、
働いていない人は、
怠け者だ、
という信念の裏には、
人は働き者であるべきだ、
という信念が張り付いている、
ということが見えてきました。
では、この
「人は働き者であるべきだ」
という信念の、
そのメリットは、
どこにあるのでしょうか?
マイナス思考は、
メリットがあるから、
抜け出しにくいとは、
認知リテラシーで説明しましたね。
こちら↓
マイナス思考への対処法①:マイナス思考のメリットとは?
「人は働き者であるべきだ」、
この信念のメリットを探すには、
ちょっとした歴史の振り返りが必要です。
それ、次回、
やってみましょう。
・・・
さて、
働いていない自分は
怠け者だ、というマイナス思考で
苦しい時、
Do:
その裏にある
「人とは〇〇であるべきだ」
という自分の信念を、まずは
はっきり言語化してみる。
Don’t:
認知リテラシーの
めんどくささに
根負けしてしまう。
いかがでしたでしょうか?
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