森田療法入門①:精神交互作用とは?
さて、今回は、
森田療法がテーマです。
森田療法って、ご存知ですか?
日本の精神科医の大先輩、
森田正馬(もりたしょうま)が
創始した、
パニック障害や
強迫性障害など、
いわゆる「神経症」と呼ばれる
精神疾患に対する、
心理教育や行動療法、
生活指導などを組み合わせた、
オリジナルな精神療法ですね。
原理や内容、
その効果は、
スバラシイです…
でも、何故か、
あまり、一般的には
行われていません…
その理由は、小椋が推測するに、
提供する側に、
気合いが…(苦笑)
必要なんだと思います。
森田先生は、
すごい気合いが、
あったのでしょう…
今回からシリーズで、
その叡智を
皆さんが療養の現場で
使いやすいように、
紹介していきたいと思います。
・・・
今回は、
「精神交互作用」という
森田療法の用語に、
親しみましょう。
これ、どういう意味?
平たく言うと…、
症状を悪化させる悪循環
ということです。
具体的には、
次の悪循環のことです。
ある感覚に注目する
↓
その感覚が過敏になる
↓
一層、
その感覚に注目してしまう
↓
その感覚がさらに過敏になる
↓
エンドレス…
眠れない時、
眠れないと思うと、
よけい眠れない…
という、アレです。
・・・
今回は、
その精神交互作用を、
このメルマガでよく紹介している、
ヒトの4つの機能、
という観点から、
整理してみましょう。
※ヒトの4つの機能については
こちら↓
習慣を変えるには:行動を変えるだけではダメな理由
具体例として、
パニック障害の方が、
また発作が起きるんじゃないか、
と恐怖を抱くと、
本当に発作が起きてしまう、
というケースを用意しました。
でも、
他の疾患や症状であっても、
このメカニズムが起きている場合、
多いです。
だから、
パニック障害の方でなくとも、
すごく参考になると思います。
・・・
まず、その方の
4つの機能のそれぞれを
確認しましょう。
<信じる>
自分は発作に耐えられない(A)
<考える>
発作はまた起きるだろう(B)
<感じる>
感情:恐怖(C)
感覚:動悸(D)
<動く>
実際の心拍(E)
最初の時点では、
C、D、Eは、
まだ、ひどくはない。
でも、
精神交互作用が始まると…
Bによって、
CとDへの注目が増し、
その結果、
CとDが過敏になり、
本人の自覚症状としては、
悪化する。
すると、
Cという感情が、
自律神経系を刺激して、
実際に、Eが悪化する。
Eが悪化すると、
当然、Dが悪化。
同時に、
ほら、やっぱり!と、
Bが悪化。
すると、
マズいぞ、マズいぞ、と
Cが、どんどん悪化。
この全体を受けて、
Aが悪化…
もう、ダメだ…
・・・
まるで、
最初のマッチの火が
草原に
燃え広がるかのうようですね。
こわい…
でも、この
精神交互作用、
という観点から、
起きていることを
整理できると、
対策が立てられます!
このメルマガで紹介してきた、
症状に対する瞑想法や
パニック発作への呼吸法などは、
この観点からは、
C、Dへの過剰な注目を避ける、
という対策に
なっていたわけです。
そうすると、
その対策以外にも、
とれる対策があるかも?
という予感が
してきませんか?
森田療法では、
Aに対するアプローチなどが、
あるんですね。
次回、
ご紹介しましょう。
・・・
森田療法に興味があるが、
親しみにくいと思った時、
Do:
まずは、
精神交互作用という
考え方に親しみ、
自分のしんどい症状について、
その観点から
整理してみる。
Don’t:
なんだか難しそう…
と食わず嫌いに終わる。
いかがでしたでしょうか?
同じ悩みをお持ちの方は、
ぜひ一度、お問い合わせください。