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2021/02/01

HSPとは何か②:日本語版19項目をチェックしても何も見えてこない




さて、HSPのシリーズ、
しばらく、続きます。

前回は、こちら↓

HSPはPSMの一種であって、
その枠組の中で整理すると
混乱せずにすむよ、
というメッセージでした。

今回は、
皆さんがよく目にされる、
HSPの「チェックリスト」を、
まずは、共有しましょう。

・・・

米国の心理学者の
アーロン博士(女性)が、

1997年に発表した論文が、
HSPの震源地です。

その時点で開発された、
特性をチェックするための
自己記入式の質問表は、
元来、27項目ありましたが、

今でも、基本的には、
それが、踏襲されています。

が、今回、ご紹介するのは、
それを日本語に移植した、
19項目版になります。

・・・

ネットや書籍では、
はい、または、いいえ
で答えるものが多いですが、

元来は、
非常にあてはまる、から
まったくあてはまらない、まで
7段階で、回答します。

なので、
はい、いいえ、の回答なら、
かなり、あてはまってしまう場合が
でてきます。

・・・

HSPの特性として、

1:刺激を感受しやすい
2:その刺激で覚醒しやすい
3:美的感受性が高い

の3つが、
挙げられています。

19個の質問のそれぞれが、
どの特性を問うものなのか、
それがわかるように、
分類して、ざーっと、
書き出しますね。

・・・

+++刺激を感受しやすい+++

大きな音や雑然とした光景のような
強い刺激がわずらわしいですか?

大きな音で不快になりますか?

一度にたくさんの事が起こっていると
不快になりますか?

いろいろなことが自分の周りで起きていると
不快な気分が高まりますか?

明るい光や強いにおい、
ごわごわした布地、近くのサイレンの音などに
ゾッとしやすいですか?

忙しい日々が続くと、
ベッドや暗くした部屋など
プライバシーが得られ、刺激の少ない場所に
逃げ込みたくなりますか?

一度にたくさんのことを頼まれると
イライラしますか?

+++その刺激で覚醒(興奮)しやすい+++

短時間にしなければならないことが多いと
オロオロしますか?

他人の気分に左右されますか?

ビクッとしやすいですか?

競争場面や見られていると、
緊張や動揺のあまり、
いつもの力を発揮できなくなりますか?

強い刺激に圧倒されやすいですか?

痛みに敏感になることがありますか?

子供の頃、親や教師は
あなたのことを
「敏感だ」とか「内気だ」と
見ていましたか?

生活に変化があると
混乱しますか?

+++美的感受性が高い+++

微細で繊細な香り・味・音・芸術作品などを
好みますか?

自分に対して誠実ですか?

美術や音楽に深く感動しますか?

豊かな内面生活を送っていますか?

・・・

さて、皆さん、
いかがでしたか?

きっと、かなり、
当てはまるのでは
ないでしょうか・・・

だって、小椋が
クリニックでお会いしている方、

刺激を感受して、
それでしんどくなる方、
多いです、すごく。

その中には、
うつ病の方、
パニック障害の方、
発達障害の方など、

精神疾患の診断がついている方、
いっぱい、おられます。

それって、
みんな、実は、
HSPということ?

でも、HSPは、
「特性」ではあっても、
「疾患ではない」と
言われています。

何がなんだか、
わからなくなりますよね。

・・・

そこで、
重要になってくるのが、

典型的なHSPって、
どういう人なの?
というイメージです。

うつ病の診断基準を
知識として知っていても、

実際に
うつ病に苦しんでいる方の
実像に関する情報がないと、

イメージ、
わいてこないですよね。

HSPも、
同じです。

先ほどの
19項目のチェックだけでは、
HSPの実像って、
見えてきません。

・・・

その実像って、
どうやったら、
このメルマガで
シェアできるでしょうか?

一番わかりやすいのは、
HSPの生みの親である、
アーロン博士、
彼女自身に
登場してもらうことですね。

何を隠そう、彼女自身が、
ど真ん中の、
HSPですから。

つまり、アーロン博士は、
自分のことを
研究しているわけです。

自分の、この生きづらさが、
どこからくるのか?
なぜ、自分は
内向的だ、内気だなどと
評価されなくてはならないのか?

でも、精神疾患と言われているものとは、
自分は違うようだ。

そのような、
モヤモヤやイライラが、

1997年の最初の論文の
原動力になっているのは
明白です。

でも、学術論文なので、
その辺りを直接、
語ることはないのですが、

冒頭のエピグラフ(引用句)に
万感の思いを込めているのが
伝わります。

ものすごく、強い、
意志、というか、闘志すら
感じます。

HSPという概念が
誕生した、
その瞬間の様子を知ることは、

HSPという用語を理解して
使う上で、
とても大切だと思います。

次回は、まず、
そのエピグラフを
シェアすることから
始めましょう。

・・・

HSPが気になる時、

Do: 
HSPの典型像を
知る努力をする。

Don’t: 
チェックリストに
当てはまっている、
当てはまっていない、
それだけで終わらせる。

いかがでしたでしょうか?
同じ悩みをお持ちの方は、 
ぜひ一度、お問い合わせください。