死にたい気持ちの背景にあるもの
今回は重いテーマです。
いままで何回も、
診察で相談にのってきました。
当然、お一人、お一人、
その時、その時で、
相談の進め方は、異なりますが、
いくつか、
共通のポイントはあります。
※簡便のため、
「死にたい気分」を精神医学用語の
「希死念慮」(きしねんりょ)と
言い換えますね。
ポイントの一つは、
希死念慮が、
抑うつ状態の症状である場合がある、
ということ。
その意味するところは、
誰でも、抑うつ状態になれば、
それまでの人生観や人生経験が
どんなものであっても、
希死念慮を抱く可能性がある、
ということ。
いわば、誰でも脳の中に、
「希死念慮スイッチ」がある。
だから、うつから回復した方が、
「あの時の希死念慮が、
どこから出てきたのか、
さっぱりわからない」
という方、多いですね。
逆に言うと、この場合は、
抑うつ状態を回復させれば、
希死念慮はなくなる。
もう一つは、
「死にたい・・・」
という言葉が、本当は、
「死にたいほど、しんどい」
という言葉の代わりに
使われている場合がある、
ということ。
本当に死にたいのではなく、
死にたいほどの「しんどさ」を
なんとかしてほしい。
そのように焦点が合ってくると、
死ぬ、死なない、というテーマでなく、
その「しんどさ」を
どう、ましにするか、
の相談に移ることができます。
さらに、もう一つは、
「死にたい・・・」
という言葉が、本当は、
「消えたい」という言葉の代わりに
使われている場合がある、
ということ。
死んでしまうことなく、
「消える」方法があるなら、
それでいい、
というか、その方がいい。
(本当は、死にたくない)
その方法は、いくらでもあります。
まず、ぐっすり、寝る。
あとは、瞑想、でしょうね。
いかがでしょうか?
希死念慮への対処の
ヒントになれば幸いです。
しかし、一番大切なのは、
一人で、抱え込まない、
これ、ですね。
上述の3つのポイントのうち、
最初の場合は、
薬物治療も含めた、
精神科医療が役立つ可能性があります。
後半の2つは、
希死念慮を抱く自分の、
本当の思いはどこにあるのか、
それをしっかり探る、
という対処になっていますが、
一人でそれをするのは、
なかなか大変です。
カウンセリングが有効ですね。
さて、希死念慮を抱いた時、
Do:
まず、誰かに相談する。
そして、専門家と一緒に、
「希死念慮スイッチ」が入っていないか、
チェックしたり、
「死にたい・・・」という言葉で、
自分は本当は何を望んでいるのか、
探ってみる。
Don’t:
誰にも相談することなく、
「死にたい・・・」という言葉を
呪文のように繰り返し、
自分の本意に反して、
本当にそんな気分になってしまう。
いかがでしたでしょうか?
同じ悩みをお持ちの方は、
ぜひ一度、お問い合わせください。