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2021/02/14

HSPとは何か④:原型HSPは「未熟形」と「完成形」とに区別しよう



さて、HSPのシリーズ、
4回目になります。

前回は、こちら↓
HSPとは何か③:原型HSPのイメージ
(フォースターの肖像画あり)

そこでは、アーロン博士が、
1997年に発表した論文の
冒頭のエピグラフ(引用句)の一つを
シェアして、

HSPの具体的なイメージを
確認して、

HSPを、
原型HSPと、
チェックリストHSPに分けました。

そして、原型HSPは、
「繊細さ」というものを、
特定の感受性や文化・趣味に
限定していて、

その意味で、
かなり排他的な考え方を
背景にしている、
ということを見てきました。

今回は、同じ論文の、
二つ目のエピグラフ
紹介することから
始めましょう。

オーストリアの精神科医、
V・フランクルが、
ナチスの強制収容所での体験を記した
『夜と霧(原題:意味を求めて)』からの
一節です。

・・・

感受性の高い人々は、
しばしば、繊細な体格をしているので、
強制収容所では、
あまたの苦痛を味わったかもしれないが、

内面へのダメージは、
少なかった。

なぜなら彼らは、
内面の豊かさや
精神的な自由をともなった生活へと、
逃げ込むことができたからだ。

そう考えなければ、
たくましさに欠ける収容者の方が、
屈強な者より、
収容所生活をしのげているように見える、
その明らかな矛盾を
説明できないだろう。

・・・

いかがでしょうか?

ここにも、
アーロン博士が
HSPという考え方にこめた
痛切な願いを
聞き取ることができます。

内気だとか、
恥ずかしがり屋だとかの
レッテルの向こうには、
豊かな内面の世界があって、
それは、
逆境の中でも耐え抜く力を
与えてくれるのだ、と。

前回のフォースターと同様、
フランクルの中にも、
博士は、
HSPの先輩を見いだしたはずです。

・・・

しかし、ここで
意地悪な質問を
することができます。

チェックリストHSPの方は、
収容所生活を
生き延びることが、
出来ただろうか?

チェックリストの項目の一部を
再掲してみましょう。

大きな音や雑然とした光景のような
強い刺激がわずらわしいですか?

大きな音で不快になりますか?

一度にたくさんの事が起こっていると
不快になりますか?

いろいろなことが自分の周りで起きていると
不快な気分が高まりますか?

明るい光や強いにおい、
ごわごわした布地、近くのサイレンの音などに
ゾッとしやすいですか?

・・・

これらが、イエスの方、
とても、収容所生活に
耐えられるとは、思えません。

この矛盾、
アーロン博士は
どのように捉えているのでしょうか?

・・・

アーロン博士の
他の著作を読むと、
推測はつきます。

アーロン博士が
エピグラフで示したイメージは、
原型HSPの中でも、ある種の、
「完成された」原型HSPの姿だ、
ということです。

つまり、
「成長途上の」原型HSPは、
自分の感受性の高さを
自分でコントロールできず、
周囲の環境刺激に
圧倒されてしまい、

自分の元来の内面の豊かさを
生かし切れていない。

その未熟さを
克服出来たとき、

「成長途上の」原型HSPは、
「完成された」原型HSPに、
進化する、ということです。

このメルマガでは、
前者を、原型HSP(未熟形)
後者を、原型HSP(完成形)
と呼ぶことにしましょう。

当然、
エピグラフに紹介した
フォースターやフランクルは
原型HSP(完成形)であり、

セラピーを受けていた頃の
アーロン博士は、
原型HSP(未熟形)、

最初の論文を発表して、
自己表現ができるようになった後の彼女は、
原型HSP(完成形)、
と言えるでしょう。

・・・

つまり、アーロン博士は、
HSPのチェックリストで、

原型HSP(未熟形)の人々に
光を当て、
内気や恥ずかしがり屋というレッテルの中から
救い出したかった。

そして、
彼らの人生を導く指針として、
原型HSP(完成形)のイメージを
示してあげたかった、
ということです。

逆に、完成形になると、
周囲に圧倒される生きづらさは減るので、
HSPのチェックリストには
該当しなくなるでしょう。

その一方で、
何に対して、どのように
繊細なのか、
あるいは、
内面の豊かさとは、
何をもって、そう評価するのか、

その基準が、
特定の文化や趣味に偏っている、
それに無自覚なまま、
HSPという考え方を
掲げてしまった。

その結果、
チェックリストHSPの中の
原型HSP(未熟形)の方には、
とても有効な考え方になるが、

それ以外で、
チェックリストHSPに該当する方には、
混乱を引き起こしてしまう、
ということです。

・・・

さて、ここで、
一旦、シリーズの4回分を
用語の観点から
整理しましょう。

HSPは、
チェックリストHSP
原型HSPとに、
分類できる。

原型HSPは、
原型HSP(未熟形)
原型HSP(完成形)とに、
分類できる。

チェックリストHSPには、
原型HSP(未熟形)が含まれるが、
逆に、
原型HSP(完成形)は、含まれず、
その一方で、
原型HSPとは異なる者も多数、
混入している。

ややこしいかな?(苦笑)
※アイキャッチ画像のベン図を参照。

でも、ここまで、
ガッツリ、整理しておかないと、
後で、さらに混乱してしまいます。
※まだまだ、続きますので(苦笑)

・・・

ここまで来ると、
この次に、皆さんが
気になるポイントととしては、

自分がチェックリストHSPだとして、
自分は、原型HSP(未熟形)なのか?
それとも、違うのか?
という点かと思います。

この点を鑑別するには、
どうしたらよいでしょうか?

そのテーマについて
次回以降、研究していきます。

まず、セラピーを受けていた頃の
アーロン博士のエピソードを
ご紹介します。

・・・

HSPが気になる時、

Do: 
原型HSPと
チェックリストHSPに加え、
原型HSP(未熟形)と
原型HSP(完成形)という
用語に親しむ。

Don’t: 
自分は原型HSP(未熟形)なのか
そうではないのか
知らないまま、
HSPについて、考え続ける。

<編集後記>
今回で、シリーズ全体の
三分の一ぐらになります。

次回以降、しばらくは、
原型HSP(未熟形)について、
深掘りしていきます。

ユング心理学の
優位機能、劣位機能の話題や、

小椋がバレエ教師をしていた頃の
生徒さんの体の感覚の違いについての
エピソードなど、
出てきます。

自分が結局、
原型HSP(未熟形)であっても
なくても、
役に立つはずです。

いかがでしたでしょうか?
同じ悩みをお持ちの方は、 
ぜひ一度、お問い合わせください。