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2021/02/21

HSPとは何か⑤:アーロン博士の半生に学ぶ原型HSP(未熟形)



さて、HSPのシリーズ、
5回目になります。

前回は、こちら↓

そこでは、原型HSPを、
未熟形と完成形とに
分類しましたね。

今回は、予告通り、
アーロン博士自身の
エピソードをシェアします。

未熟形とは、どのような状況か、
深掘りしましょう。

出典:エレイン・アーロン、
The Highly Sensitive Person(2020)
邦訳は、
『ささいなことにも
すぐに「動揺」してしまうあなたへ』
など。

ポイントを要約した
私訳でお届けします。

・・・

小学生の頃の私は、
スポーツやゲームなどに
参加しないことはもちろん、

そもそも、同級生と
全く関わらないようにしていた。

彼らに完全に無視されることで、
ホッとする一方、
情けなさも感じていた。

自宅でも、
騒がしい家族から
隠れるように過ごしていた。

中学、高校は、
勉強ばっかり。

大学に進むと
状況はもっと悪くなり、
人との関わりがあった後は
いつも、気が狂いそうになって、
休憩できる部屋を見つけて
泣いていた。

私は、
言葉を使うのは得意で、
芸術的なセンスもあったと思う。
だから、
いろいろな考えや思いが
頭の中には、浮かんでくる。

でも、具体的な形にするのは、
得意じゃなかった。

オシャレな服を着るのは
とても好きだったが、
お店に立って、
洋服を選ぶことができなかった。

たくさんの洋服に
圧倒されて、混乱し、
どれを選んだらよいか、
わからなくなるからだ。

だから、結局、
他人が選んでくれた服を
着ることになっていた。

そんな調子なので、
大学院の修士課程にまで進んだが、
博士課程はあきらめて、
23才の時、結婚した。

執筆と育児に専念し、
「外界」と関わりを持たずに済む環境に
身を置いて、
うれしかったと同時に、
情けなさも感じていた。

でも、人生の方が
自分の「欠点」を
見逃してはくれなかった。

体の病気になって、
医学的処置が
数ヶ月も続く中、

自分の中に引き起こされる
感覚と感情に耐えられなくなり、
セラピーを受けることにした。

数回のセッションの後、
セラピストが言ってくれた。

「あなたが、
いろいろな刺激で
高ぶってしまうのは、
いたしかたがないことなのよ、
だって、あなたは、
とても繊細な人なのだから」

「そして、
この人に出会えてよかったと
思える人は、たいてい、
そんな繊細な人たちですよ」

セラピストは、
私の繊細さを、
精神的な欠点などとは
つゆも思っていなかった。

セラピーは数年に及んだが、
私は徐々に、

繊細さは欠点ではないこと、
自分の内的な豊かさに
自分自身が無自覚であったこと、
などを振り返ることができた。

そして、再び、
「外界」に戻ることが
できるようになった。

・・・

さて、
いかがでしょうか・・・。

アーロン博士、
なかなか、
しんどかったですよね。

でも、この感じ、
原型HSP(未熟形)
ど真ん中な感じです。

そして、
その、どこが、
ど真ん中、なのでしょうか?

この点を、
クリアに理解できると、

原型HSP(未熟形)と、
チェックリストHSPとの
鑑別が、
できるようになります。

・・・

アーロン博士の
自叙伝の中で、
注目すべきポイントは、

洋服選びのエピソード
ですね。

洋服売り場で、
何が、
起きていたのでしょうか?

・・・

詳しくは、
次回、お伝えしますが、
ザッと、
まとめておきましょう。

このメルマガでおなじみの、
人の4つの機能、
という考え方が、
またまた、役に立ちます。

アーロン博士は、
考える
感じる、は、
比較的、得意だが、

動く、が、
比較的、苦手。

もっと、言うと、
考える、が、結論を出し、
動く、が、実行する、
その連携が、
未熟だ、
ということです。

つまり、
動く、
が対応できる以上の情報量を、
考える、感じるが、
感受してしまうため、

その情報量を
アーロン博士は
処理仕切れずに、
オーバーヒートしてしまう。

考える、感じると、
動く、との
アンバランス
と整理できます。

このアンバランスによる
苦痛が明瞭な時、

その状態は、
原型HSP(未熟形)
言ってよいでしょう。

・・・

HSPが気になる時、

Do: 
原型HSP(未熟形)を、
人の4つの機能の
アンバランス、という観点で
整理してみる。

Don’t: 
HSPの「繊細さ」の中身について
深掘りすることなく、
HSPについて、
考え続ける。

いかがでしたでしょうか?
同じ悩みをお持ちの方は、 
ぜひ一度、お問い合わせください。