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2021/04/18

HSPとは何か⑬:自分の劣位機能と付き合うコツ その2



さて、HSPのシリーズ、
さらに続いて、今回は
13回目になります。

前回は、こちら↓

脚は高くあがるご両人、
ヤワ井さんヤワ目さん
実情を共有し、

そこから引き出せる、教訓を3つ、
お伝えしました。

今回は、実は、
カタ目さんは、ヤワ井さんから
いじめられていた、
という状況から、始めましょう。

・・・

ある日のレッスン中のこと、
回転の基礎練習をしている時、

カタ目さんが、先生から
ほめられたことが、ありました、
回転の軸が、とても安定している、と。

実は、これ、
たまたまでは、なかったのです。

カタ目さんは、
股関節は、硬いが、
腰椎の位置は、ドンピシャ、
つまり、優位機能だったのです。

だから、脚は挙がらないが、
回転は、得意。

これが、
回転は苦手なヤワ井さんには、
気にいりません。

それからというもの、
ちょっとしたいじわるが
続きましたが、

カタ目さんは、
全く、気にせず、
淡々と練習を続け、

現在、二人は、
会話を交わさない間柄となって
落ち着いています。

逆に、どうした訳か、
いじめられている期間中に、
カタ目さんは、
ヤワ目さんと、
ちょっとした挨拶をする
間柄になりました。

・・・

ビミョウな、
バレエ教室の空気の変化ですが、

今回も、
このちょっとしたエピソードから
教訓を3つ、
得ることができます。

・・・

早速、一つ目。

誰かを嫌いになる時、
その相手の存在が、
自分の劣位機能のありどころを
浮き彫りにしてしまうため、
嫌悪感を抱いてしまう、
という場合がある、
ということ。

もちろん、これは
ヤワ井さんについての教訓です。

カタ目さんの存在が、

股関節は優位機能であっても、
腰椎の位置が劣位機能であり、

そこに取り組まないと、
今以上の上達は望めない、
そんな、ヤワ井さんの現状を、

ヤワ井さん自身に
突きつけてしまうからです。

ヤワ井さんに、
自分の劣位機能に向き合う準備が
出来ていないと、

それを突きつける相手を
排除する、という言動に
出てしまうわけです。

・・・

教訓の二つ目。

自分の劣位機能の改善に
取り組み続けることができると、
自己効力感の向上につながる、
ということ。

これは、
カタ目さんとヤワ目さんに
該当します。

カタ目さんは、
教室の中の、踊りのうまい、へたの
序列の中では、
完全に、底辺なのですが、

かつ、
ヤワ井さんからの
いじめにもあったのですが、

ヘコむことなく、
股関節の硬さに
向き合い続けることが
できている。

なにが、
それを可能にしているのでしょうか?

ズバリ、
股関節の硬さについての、
他者評価とは別の、

※他者評価とは、この場合、
何度まで脚が挙がったか、という
客観的な指標。

自分なりの
評価基準を持っていて、

その評価基準にそって、
日々、改善していることが
自覚できているから、
ということになります。

もっと言うと、
優位機能である「感じる」を
活用して、

股関節の、そして
両脚の、硬さが、

ちょっとずつ、よい方向へ
変化していることを

「感じる」ことが
できるから。

・・・

ところで、
自己効力感とは、

ある状況を変化させる手段を
遂行することに対する自己評価、
と定義され、

遂行できるという確信の程度
を意味する、心理学用語です。

ネット上でも、
心理関連の記事では
よくみかける用語になっています。

自己効力感が高いほど、
実際に、その手段を遂行できる
可能性が高まるようです。

平たく言うと、
自分はやれる、と思いつつやるのと
自分には無理だ、と思いつつやるのとでは、
前者の方が、後者より、
実際にやれる可能性が高まる、
ということです。

この、自己効力感という
自分に対する認知を改善するための、
最も強力な情報が、

「自分はやれた」という
体験(いわゆる成功体験)です。

いわば、
やったらできるじゃん、
という手応え、ですね。

この手応えが、大きい方が、
自己効力感も、
大きく、アップさせますよね。

それが、まさに、

できるなら避けて通りたかったが、
向き合うしかなくなった、
自分の劣位機能に
果敢に取り組んだ結果の手応え、

になります。

だから、教訓の二つ目が、

自分の劣位機能の改善に
取り組み続けることができると、
自己効力感の向上につながる、

ということに
なるわけです。

・・・

これ、ヤワ目さんも
同じです。

一旦、
自分の優位機能である
「股関節」は、返上して、

隣で、バンバン、脚を挙げる
ヤワ井さんは、放っておいて、

自分の劣位機能である
「腰椎の位置」に取り組む・・・、
ウマ井さんに迫るために。

そして、
ちょっとした動きに、
今までの自分とは違う、
身体感覚や表現が自覚できた時、

それが、
こころの底からうれしい
手応えに、なるのです、
例え、周囲の誰にも
気づいてもらえなくとも。

優位機能である「股関節」を
どれだけ練習しても、
どれだけ、それで
周囲の賞賛を浴びても、

劣位機能に取り組んだ結果の
手応えには、かないません。

それが、ヤワ目さんも
カタ目さんも、
わかっているようです。

・・・

そこから、
教訓の3つ目が出てきます。

自分の劣位機能を自覚し
その改善に取り組んでいる人と
付き合おう。

それが、できるためには、
まず、自分が、
自分の劣位機能の改善に
取り組む必要があります。

と同時に、
それをやっていると、
同じ課題に取り組んでいる人が、
ほとんど、いわば匂いで、
わかるようになります。

多くを語らなくとも、
あんたも、たいへんなのに、
よくやっているね、
と目配せで、伝わるようになります。

実は、このような
コミュニケーションが、
自己効力感を、
さらにアップさせます。

これは、自己効力感を改善させる
情報の一つである、
他人の成功体験を
知ることになるからです。

・・・

さて、今回は
ここまでです。

この長いシリーズも
終わりが見えてきました。

次回は、
今回お伝えした教訓を、
日々の療養生活にもっと
近づけてご説明します。

その次が、
全体の総まとめになります。

・・・

HSPが気になる時、
HSPであろうがなかろうが、

Do: 
自分の劣位機能と付き合うには
コツがあると知る。
(前回と同じ)

Don’t: 
自分の劣位機能と向き合う
タイミングが来ているのに
避け続ける、あるいは
タイミングが来ていないのに
向き合いつづけて
しんどくなる。
(前回と同じ)

いかがでしたでしょうか?
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