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2022/02/20

身体リテラシー入門⑳:「祈り」が開く「安心感」という内受容感覚



さて、身体リテラシーのシリーズ、
今回が第20回目です。

最終回の予定でしたが、
長文になりそうなので
2回に分けます!
次回が最終回です、すみません。

前回はこちら↓

前回は、
架空のB子さんの
実際にありそうな療養の展開の中で、

身体リテラシーのスキルが
どのように組み込まれていくのか、
それを一緒に追ってみたわけです。

今回は、その続きです。

「守り」から「攻め」へと
展開していく中での
折り返し地点です。

このシリーズで関連するのは、
こちら↓

・・・

B子さんが
根源的な不安に襲われた時、
最終手段は、
お母さんに電話すること。

最近、その方法を
使うことがずいぶんと
少なくなっていましたが、

ある日、もともと予定が
重なっていた上に、
予想外のアクシデントもあって、
久しぶりに最終手段を
使わざるを得なくなりました。

不安の発作はすぐに
落ち着きましたが、

今はいいが、
お母さんがいなくなった後は
どうなるんだろう・・・と
B子さんには
別の不安が膨らんできました。

そこで担当医と相談して、
これを機会に、
お母さんに頼らないですむ
方法を開発しよう、
ということになりました。

・・・

でも、B子さんにとって
お母さんは
「この世で最強の」安心の源。
だから、
それに替わるものなんて
想像つかない。

じゃあ、どうする?

この世にはないもの、
それを探すしかない、という
不思議な理屈が、
話会いの中から出てきました。

そして、
その後の診察の中で
担当医は、徐々に、

・人間の4つの機能、
・その中の「信じる」という機能、
・それを活用した一つである
祈る」という機能、について

その重要性を
B子さんに伝えて行きました。

B子さんも、
何に対して、何について
「祈る」のか、
よくわからいながらも、

「祈る」という方法を
自分の対処スキルの中に
入れ込んでいきました。

そして、半年以上が経った
ある日、
B子さんから、報告がありました。

まだ、あいまいなんだけど、
なんとなく、感じることがあるんです。
現実のお母さんじゃないんだけれど、
お母さん的なもの?うまく言えないけど・・・
お母さんが死んだあとでも
残っている、何か・・・
お母さん的な・・・
それに対して、祈っている、
という感覚が、
わかるようになってきています。
現実のお母さんとは違うけど、
安心感、という意味では、
確かに、それ、あります。
このまま、続けてみようと思います。

・・・

それを受けて担当医は、
次のようにB子さんに伝えました。

まさにそれこそが、
この世にはないものだが、
自分の安心感の源とになる
何ものか、ですね。

その調子で
「守り」を固めている間、
ふたをするものにはふたをしつつ、
開くチャンネルは
徹底的に開いていきましょう。

B子さんの
この「祈る」という行為を通じて
得られている、この感覚は、

6つのチャンネルの分類では、
どこのチャンネルからの
情報なのでしょうね?

多分、次のようなことが
起きていると思いますよ。
ちょっと、難しそうですが
言葉にしてみます。

現実のお母さんにまつわる、

視覚、聴覚、身体感覚、
身体運動、お母さんのイメージ、
お母さんにまつわる世界のイメージ、
それらをすべて想起して
総動員しつつ、

それらが現実にはなくなった後でも
「お母さん的なもの」が
存在し続けている、そう
信じることで、

6つのチャンネルに散らばっている
現実のお母さんの情報を、

現実には存在しない
「お母さん的なもの」に
変換できている。

昇華した
というイメージが
分かりやすいかも知れない。

その昇華した情報は、おそらく、
「安心感」という、
ある種の内受容感覚に変換されて、
B子さんは、感受している。

自分のいのちを、
現実のお母さんを超えて、
守ってくれている、何ものか、
それに対する、内受容感覚、
ということになります。

つまり、
根源的な不安が、
いつか人間は死ぬ、という予感の
内受容感覚だとすると、

「お母さん的なもの」は、
人間は、人間を超えたものに
守られている、という予感の
内受容感覚、と言えるでしょう。

この、後者があれば
前者があっても、
折り合いがつけられるよ、
ということです。

これこそが、
身体リテラシーに取り組む
究極の目的といってよいでしょう。

・・・

次回こそが、
最終回になります(笑)

予告を少し。

加害恐怖(かがいきょうふ)って
聞かれたこと、ありますか?

自分が誰かに
危害を加えてしまいそう
という恐怖を言います。

B子さんは、
「お母さん的なもの」という
内受容感覚を
育てることができた後、

徐々に、
「根源的な不安」を
自然にガン見できるように
なっていきました。

そこで、出てきたのが
加害恐怖。

さて、これをどうやって
「攻めて」いくか、
次回、お伝えします。

・・・

根源的な不安に
さいなまれている時、

それと共生するための
身体リテラシーのスキルに
取り組むにあたって、

Do: 
人間の4つの機能の中の
「信じる」(と「祈る」)を活用して
自分なりの
「お母さん的なもの」を
探してみる。

Don’t: 
B子さんほど
現実のお母さんに関する情報を
持っていないのに、
B子さんのように
「お母さん的なもの」へ
昇華しようと苦しむ。

※B子さんの場合、
現実のお母さんに関する
6つのチャンネルのリアルな情報が
十分にあったから、
「お母さん的なもの」へ
「昇華」できたと言えます。

※「信じる」機能を使って
現実を超えたものと
関わろうとするとき、
それと対応する現実を
すごくよく知っている、という条件が
安全に取り組むために、重要です。

※例えば、音楽家のバッハやその作品が、
B子さんの、お母さんに相当する、という方なら、
「バッハ的なもの」へと昇華するには
バッハの生涯や作品について
実際に詳しく知っている、
ということが条件になります。

※このテーマは、
スピリチュアル・リテラシーの中の
大切な部分です。こちら↓
この記事では
バランスのとれた成長、という文脈で
説明しています。

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