感情リテラシーで精神症状が減らせる理由
さて、感情リテラシーのテーマが
続きます。
前回の予告通り、
テキストを、瑞枝クリニックの
ホームページにアップしました。
こちら↓
うつ病の治し方:感情リテラシー入門①〜愛と悲しみ編
うつ病の治し方:感情リテラシー入門②〜イヤイヤとワクワク編
うつ病の治し方:感情リテラシー入門③〜希望編
・・・
そもそも、感情って、何なのか?
どうやって、わかるようになっていくのか?
その辺りの、とっかかりのお話しが
①の最初にあります。
そこは、最初に読んで下さい。
具体的なワークは、
①、②、③、それぞれの最後に、
同じものを、つけています。
前回のテーマの、身体症状については、
③に、関連したワークを追加しています。
なかなか、ボリュームがあると思います。
分からないところがあったら、
遠慮なく、
メールまはた診察で、おたずね下さい。
そのテキストでは、
うつ病の例が中心になっていますが、
感情リテラシーが有用なのは、
うつ病に限りません。
ある意味、診断に関係なく、有用です。
今回は、その点について、
整理してみましょう。
・・・
感情がわからない、という悩み。
でも、その実情は、
不快な感情に耐えられない。
この場合が、すごく多いです。
不快な感情とは、
さみしさや悲しさ、
恐怖や不安、
怒りや憂うつ、
倦怠感などが典型です。
それを感じ続ける、
その状況に耐えられない。
だから、不快な感情を
別のカタチで処理しようとする。
そのカタチの一つが、
身体感覚で感じる、というやり方。
だから、身体症状が多くなる。
(これが、前回のテーマ)
詳しくは、こちら↓
感情リテラシーで身体症状が減らせる理由
だから、当然、
もっと別のカタチで処理する場合も
出てくるわけです。
ヒトの4つの機能のうち、
「動く」や「考える」の機能で処理する、
という状況ですね。
例えば、パニック障害。
過呼吸という肺の動き、
動悸という心臓の動きで、
処理しようとする。
例えば、強迫性障害。
何度もカギをチェックする、
確認行為という動きで、
処理しようとする。
例えば、拒食症。
体重を減少させるという行動で
処理しようとする。
例えば、過食症。
胃を膨らませて
副交感神経のスイッチを入れるという行動で、
処理しようとする。
例えば、アルコール依存症。
飲酒という行動で
処理しようとする。
例えば、境界型人格障害。
リストカットや過量服薬という動き、
他人を振り回すという行動で、
処理しようとする。
例えば、統合失調症。
被害妄想などの「考え」で、
処理しようとする。
もちろん、
感情リテラシーの不足が、
これらの病状の「原因」だと
言いたいわけではありません。
(そんなに単純ではありません)
ただ、
不快な感情に耐える能力が
アップすると、
それらの病状が大きく改善する。
それが、お伝えしたいことです。
さて、
自分の感情がわからなくて
困っている時、
Do:
不快な感情に耐えられる、
そんな自分を目指して、
感情リテラシーに
取り組んでみる。
Don’t:
不快な感情に耐えられないまま、
いままで通りに、
身体症状や、
適応的でない行動や思考で
処理してしまう。
補足です(が重要です)。
うつ病や、
躁うつ病の方の場合、
この辺りは、
どうなっているのか?
不快な感情に耐えられない
↓
仕事・家事・育児などの
行動で処理する
・うつ病の場合は過剰適応
・躁うつ病の場合は躁状態
↓
抑うつ状態以外に休息の仕方をしらない
=行動する以外に「安心」という感情を感じられない
↓
抑うつ状態
この流れが、多いです。
うつ病や
躁うつ病の方にとっても、
不快な感情に
耐えられるようになることは、
病状の改善に、有用です。
いかがでしたでしょうか?
同じ悩みをお持ちの方は、
ぜひ一度、お問い合わせください。