うつ病の治し方:感情リテラシーのコツ
さて、今回は、
感情リテラシーに関する、
読者の方からの報告を
シェアしたいと思います。
番外編です。
(ご本人の了承済み)
・・・
(原文ママ)
一昨日、
職場であったエピソードにより、
「怒り」の感情が湧き起こり、
爆発しそうになりました。
(上司に対し)
そこで、6秒ルールを思い出し、
控え室に入って、呼吸法。
なんとか気持ちを抑えつけ、
業務に戻りました。
しかし、帰宅後も、
イライラは増していき、
爆発寸前の、怒りの感情で、
一睡もできませんでした。
以前、
先生がメルマガに書かれていた、
「怒りのコントロール」のための方法を、
読みました。
「怒りという感情は、
何かが傷ついた状況で、
そのダメージを広げないための、
防御と攻撃のエネルギー」
であることを、自覚し、
一晩かかりましたが、
自身の怒りをコントロールし、
対処方法を考え、
昨日、その件について、
冷静に、上司と話をし、
対応できました。
今、怒りの感情は、
おさまってきています。
リテラシーしながら、
思ったのですが、
怒りの感情に支配されていた時間
(丸一日半くらい)、は、
いつも、
夕方くらいから襲ってくる感情
「悲しみ (胸が締めつけられる)、恐怖」を、
感じていなかった、ように思います。
・・・
いかがでしょうか。
この読者の方は(仮にAさん)、
怒りという感情を、
丸一日半の悶絶を経て、
適応的な行動に落とし込むことに、
成功しました。
Aさんのスキルを
私たちも共有しましょう。
まず、瞬発力。
カチンと来た瞬間、
これは怒りという感情だ、と認知し、
反射的行動に身を任せないための
対処の行動が速やかにとれること。
次は、分析力。
一体、自分は何が許せないのか?
自分の何が、ダメージを受けたのか?
それが、クリアに分からないと、
自分の大切なものを守るための、
具体的な行動が取れません。
この作業は、
決して簡単ではありません。
だって、
ダメージを受けている自分を
真正面から見ることになるから。
そんなこと、
誰もしたくはありませんね。
この不快な作業を支えるのは、
自分が感じている怒りという感情には、
意味があるんだ、という、
自分の感情への信頼、とでもいうしかない
感覚でしょう。
怒りという感情を、
暴発させてムダにするのでもなく、
モミ消してなかったことにするのでもない、
相手に伝わる適応的な行動に落とし込んで、
活かす、というセンス。
そこに必要なのは、勇気。
たとえ上司であろうと、
言うべきことは、言う。
大切なものを守るために。
そして最後は、耐久力。
Aさんは、この一日半の間、
「私が」怒りという感情を抱いている。
「怒りが」私を操っているのではない。
そう、感じていたはずです。
全身で怒りを体現しているAさんを
A1、
それを自覚して観察できるAさんを
A2、とすると、
A1に吹き飛ばされない、
A2の耐久力、と言えます。
A2が吹き飛ばされたら、
A1の感情を、
感情リテラシーのスキルに沿って、
行動に変換することは、できません。
これ、とほうもなく、
重要です。
怒りに限らず、
感情リテラシーに限らず、
診断を問わず、
A2の耐久力が育ってくると、
病状の回復は加速します。
このA2を、プロセス指向心理学では、
メタ・コミュニケーターと呼びます。
A1がとるコミュニケーションに対して、
より上位の立場から、
A1に対しても、周囲に対しても、
コメントできる。
そんなコミュニケーション能力がある、
という意味になります。
さて、
感情リテラシーに取り組む時、
Do:
自分に不足しているものが、
瞬発力なのか、
分析力なのか、
勇気なのか、
そもそも、メタ・コミュニケーターなのか、
常にチェックする。
Don’t:
なんとなく、うまくいかないな、
という地点で、
引き返してしまう。
・・・
ちなみに、
Aさんが怒りを感じている間、
他の感情が希薄だったのは、
感情の情報を得るチャンネルが
(身体感覚の中の固有感覚)
怒りでいっぱに詰まっていて、
他の感情の情報が感知できなかったから、
と言えます。
※チャンネルとは、
このような特性があります。
また、Aさんからは
感情リテラシーに関する
質問も頂いています。
明日、臨時増刊で
シェアしたいと思います。
いかがでしたでしょうか?
同じ悩みをお持ちの方は、
ぜひ一度、お問い合わせください。