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2018/04/30

マイナス思考への対処法⑧:まとめと7つの対策


さて、
マイナス思考から脱出するための、
認知リテラシー、最終回です。

今までの7回分を踏まえて、
マイナス思考についての
原因と対策を、
①〜⑦の、
7つに整理してみましょう。

・・・

7回分は、こちら↓

一回目:マイナス思考への対処法①:マイナス思考のメリットとは?
二回目:マイナス思考への対処法②:「ヘルシー思考」とは?
Mさん(うつ病にかかった45才、男性)
三回目:マイナス思考への対処法③:結論を急ぐ/結論を出したくない思考とは?
Nさん(夫のDVが続く女性)
四回目:マイナス思考への対処法④:「ゴールの設定」をしていますか?
Sさん(Tさんの反応が気になるOL)
五回目:マイナス思考への対処法⑤:「情報収集」のコツ
Aさん(30代、女性、躁うつ病)
六回目:マイナス思考への対処法⑥:見たくない現実を見よう
Bさん(30代、女性、躁うつ病)
七回目:マイナス思考への対処法⑦:重症の場合の5つの対策
Bさん(30代、女性、躁うつ病)

・・・

さて、始めましょう。

マイナス思考の原因を、
次の7つに整理しましょう。

①:脳が疲れている
②:結論が待てない
③:あいまいに耐えられない
④:「判断」を更新できない
⑤:「信じる」を更新できない
⑥:「感じる」を更新できない
⑦:現実を見たくない

順番に、
その対策とともに、
見ていきましょう。

・・・

①:脳が疲れている

これは、
ヘルシー思考を営むだけの、
エネルギーがない状態。

だから、
省エネ思考としての、
マイナス思考になってしまう。

対策は、
脳の疲労回復
それに尽きます。

ネットで検索すると、
マイナス思考への対策として
気分転換や
リラクゼーションを
すすめているものが多いのは、
①に対して、
有効だからです。

実は、
抗うつ薬を内服すると、
マイナス思考が消える、
という場合があります。

これも、
①に対して、
有効だからです。

・・・

②:結論が待てない

ヘルシー思考の、
メンドウな段取りを踏むには、

・切迫した状況が許さない
・本人の特性が許さない

という場合が考えられます。

前者であれば、
その状況の修正を。

後者であれば、
反射的に結論を出すのではなく、

少しずつでも、
認知リテラシーの
基本セットに沿って、

特に、
最初のゴールの設定を
クセづけるようにして、

認知リテラシーの上達を図る
ということになります。

後者の典型例は、
ADHDの方でしょう。

・・・

③:あいまいに耐えられない

これは、
②と重なる部分もあります。

結論が出るまでの
グレーゾーンが
死ぬほど不快、
という場合です。

対策は、②と同じで、
認知リテラシーの上達
になります。

典型例は、
強迫的な性格の方、
境界型パーソナリティの方、
自閉症スペクトラム障害の方、
などですね。

・・・

④:「判断」を更新できない

かつては、時に
適応的であったかもしれない
「判断」のパターンを、

新たな現実に見合って
更新できていない

その結果、
適切な「情報収集」ができない。

この典型が、
五回目で紹介したAさん、
ですね。

寝込むか、
寝込まないか、
という判断基準ではなく、

寝込む期間の長短、
という判断基準に、
更新する。

その方が
現実に起きている
変化を適切に認知できる、
という成功体験が
ポイントでしたね。

これが、
スタンダードな
認知行動療法が
もっともスッキリ効く
パターンです。

・・・

⑤:「信じる」を更新できない

かつては、時に
適応的であったかもしれない
「信じる」のパターンを、

新たな現実に見合って
更新できていない、

その結果、
基本セットが大きく歪む、
という場合です。

これは、
PSMの方に限らず、
あらゆるヒトに、
起きる可能性があります。

対策は、
七回目で紹介した、
Bさんへの対策と同じです。

臨床心理学では、
このような、
現実に合わせて更新できない、
かたくなな「信じる」を、
スキーマ
と呼びます。

これは、これで、
大テーマです。

ヒトの四つの機能、
動く、感じる、
考える、信じる、の、
「信じる」については、

また機会を設けて、
考えてみましょう。

・・・

⑥:「感じる」を更新できない

かつては、
状況に応じて発生した
「感じる」のパターンを、

新たな現実に見合って
更新できていない

その結果、
基本セットが大きく歪む、
という場合です。

現実とかみ合わない
強い感情を抱いている、
ということになりますが、

裏を返すと、
現実を受容できていない、
とも言えます。

対策は、これも、
七回目で紹介した、
Bさんへの対策と同じです。

感情リテラシーに取り組む
それに尽きます。

・・・

⑦:現実を見たくない

④〜⑥が重症化すると、
結局、⑦になります。

現実を見ないために、
「考える」という機能を、
マイナス思考で、
麻痺させる
という状況です。

六回目、七回目の
Bさんが典型です。

対策も、
Bさんへの対策と同じです。

似た状況は、
三回目の、Nさんですね。

一方で、
①〜⑦、
その全部の要素を持ちつつも、
短期間で
修正が可能であった、
二回目のMさんは、

Bさんに比べれば、
ずいぶん軽症例だ、
と言えます。

・・・

さて、
8回にわたった認知リテラシー、
いかがでしたでしょうか。

マイナス思考で困った時、

Do:
マイナス思考を
①〜⑦の原因により
分類し、
原因に対する対策に取り組む。

Don’t:
認知行動療法の
マイナス思考(自動思考)の
種類を覚えて、
それを自分にあてはめる、
それだけに終始する。
(2回目と同じ)

いかがでしたでしょうか?
同じ悩みをお持ちの方は、
ぜひ一度、お問い合わせください。