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2021/11/29

身体リテラシー入門⑧:吐ききることで呼吸器系の内受容感覚を育てよう


さて、身体リテラシーのシリーズ、
今回は第8回目です。

前回はこちら↓

以前のメルマガの
呼吸法のシリーズから、

・チャンネルへの選択的注意
・腹式呼吸の自律神経系への効果

についてピックアップし、

腹式呼吸を、
消化管の内受容感覚を育てる
機会にしよう、と提案したわけです。

呼吸法のシリーズを再掲すると、
こちら↓

今回は、
数字によるラベリング、の記事を
参照しつつ、すすめましょう。

ちなみに、
呼吸法の段取りを再掲すると、
こちら↓

1 腹式呼吸
・仰向け、または座って。胸とお腹に手をあてて。
・だんだん胸よりお腹がふくらむように。

2 イメージ
・いちばん安心できる場所を思い描いて。

3 調息
・鼻から吸って、口から吐いて。
(慣れたら鼻から吐いて)
・3秒で吸う、2秒ためる、10秒で静かに吐く。
(慣れたら15秒で吐く)
・6セット繰り返す。

4 イメージ(の一例)
・吸う:いま、ここにいる自分が満ちてくる、嵐の中でも大丈夫。
・ためる:嵐もとまる。鼓動が聞こえる。
・吐く:嵐が遠のいていく。

5  日課
・起きて1回、午後に向けて1回、寝る前に1回。
・しんどいときの対処法として、使えるように練習する。

・・・

さて、本題です。

今回は、
呼吸法の段取りの中の、

3 調息
に注目します。

数字によるラベリングとは、

3秒で吸う、
2秒ためる、
10秒で静かに吐く。

という、型、をやりながら
数える、という
聴覚のチャンネルに
選択的注意を向けることを
指しています。

※数えるとは、言語活動なので
聴覚のチャンネルに分類されます。

この取り組みだけでも、
呼吸法の意義は十分にあります。

自分の注意が
過去や未来にさまよわないように、

いま、ここでの
自分の呼吸に注意を向けて、
マインドフルな状態をつくる、
ということですね。

でも、今回は、
その一歩先に進んでみましょう。

その記事には、

吐ききると、
自然に、
吸いたくなります、

と書かれています。

今回は、ここを
深掘りしましょう。

・・・

吐ききるとは、
どういうことでしょうか?

10秒って、慣れていないと
けっこう、長く感じます。

やみくもに吐こうとしても
力んでしまいますね。

そこで、
自分の肺ってどんな感じ?という
肺のイメージが、
重要になってきます。

皆さん、自分の肺って、
このあたりに、こんな感じで
こんなことやっている、という
イメージ、ありますか?

それを、他人に説明、
できますか?

意外に、難しいと思います。
実は、身体リテラシーとは、
このような、基本的な
自分の体の解剖・生理についのて
知識も含んでいます。

というわけで、
ちょっとだけ、
勉強してみましょう。
※アイキャッチ動画をご覧ください。

どうでしたか?
グラフィックがきれいで
わかりやすいと思います。

まず、肺って、
わりと、大きいです。

下は、一番下の肋骨の辺りから、
上は、鎖骨の下の辺りまで
広がっています。

もちろん、
背中の肋骨の内側まで、
後ろ半分もどーんと詰まっています。

左右に大きな袋があって、
その袋の中に、無数の小さな
ぶとうの房のような袋が
みっちり詰まっている、
というイメージになります。

だから、どうした?

・・・

吐ききろう、とする時、

まず、肺の下、三分の一を、
ゆっくりとやさしく圧して、
中の空気を出していくイメージで
吐きます。
一つ一つの肺胞から
フーッと、吐き出されていく。

そして、次は
肺の中間部分の三分の一、

最後は、
肺の上、三分の一
圧していくイメージですね。

そして、その経過中、
肺胞から吐き出された
呼気の流れが、

ほとんど流れているような
止まっているような感じで、
チョロチョロと
鼻の粘膜の上を通過していく、
それを感じ続ける・・・。

・・・

そんな
吐ききるイメージを続けると、

必ず、からだの方から、
もう、十分吐きました!
今度は、吸いますよー、
合図があります(苦笑)。

そして、その勢いに乗り換えて、
すーっと、
1、2,3、と、
3秒で吸う・・・、
そう、勝手に吸ってしまいますね。

この、
呼気から吸気への切り替えの時、
いまお伝えしぐらい丁寧に
やってみると、

そこで、実は、
あなたは、肺と、
コミュニケーションを
取ったことになるのです。

吸いたい!
吸うぞ!
というこの感覚、

これ、まさに
肺や、それと関連した
呼吸中枢が発している、
内受容感覚ですね。

・・・

根源的な不安に
さいなまれている時、

Do: 
呼吸法の段取りの中の調息で、
呼気から吸気への切り替えを
丁寧に感じ、
呼吸器系に関する
内受容感覚を育てる。

Don’t: 
吐ききることができないと
落ち込む。

※吐ききるって、
実はけっこう、大変です。
まずは、紹介した動画を参考に
自分の肺のイメージを
作るようにしてみましょう。
そして、10秒で吐くところを、
まずは、6秒などと、ハードルを低くして、
取り組んでみることをおすすめします。

いかがでしたでしょうか?
同じ悩みをお持ちの方は、 
ぜひ一度、お問い合わせください。